回避しようのない小惑星に襲われる地球文明。その危機への反撃を描くSF大作「アルマゲドン」のみどころを解説します。自然VS自然として描かれるそのプロットとは――。まだ見ていない方はすぐにチェックです!! いざ、SFの世界へ…!!
アルマゲドン の見どころ (Ryo)
アルマゲドンとの出会い・あらすじ
アルマゲドン。
おそらく誰もが一度は聞いたことがある・観たことがある作品ではないだろうか?
特に主題歌であるエアロスミスの「I Don’t Want to Miss a Thing」は非常に有名である。
1998年アメリカ公開、マイケル・ベイ監督×ブルースウィルス主演のSF作品で、小惑星が地球に衝突することから免れない地球人類が、どうにか地球滅亡を回避しようと奮戦する映画である。というか、はや20年以上が経っているのか( ゚Д゚)
I Don’t Want to Miss a Thing (From “Armageddon” Soundtrack)
見どころ3点とは
さて、本作品のみどころは①自然VS自然だからこその人類の超越的な団結力、②親しみやすいキャラクターたちの戦い、③命とは何かという道徳的なクエスチョン、という3点ではないだろうか。
①②に関して、こちらは似た作品に「ディープ・インパクト」という映画がある。どちらも公開日が近く、プロットも似ているので混ざっている方も多いのかもしれない。
僕も中学生くらいの時にどちらも見たのだが、似ている筋書きだなと思った記憶がある笑
こういった作品の特有な点といえば、「敵」(脚本上ではなく視聴者から見た敵)が存在しないことであろう。宇宙人や未確認生命体との戦いを描くSF映画では主に彼らとの「戦い」と「交流」にフォーカスが当てられることが多い。どちらか一方の場合もあれば、両方の場合もあるが、いずれにせよ視聴者は「一体どんな存在なんだ?」という疑問を胸にストーリーを追い、時に憎しみや恐怖を覚えたり、時に親しみや希望を覚える。
[自然VS自然]として描かれる人類の力
本作品のような「自然発生的な存在(フィクションゆえに時に超自然であるが)」や「天災」と戦うフィクションでは、上記のステップが省略されるのがユニークな点である。小惑星に話しかけたところで何も変わらない。敵とはコミュニケーションができない側面がある一方、ある意味科学や合理性が通用するので、ヒトとしての英知を振り絞るシーンに重きが当てられる。
従って、「敵の分析や交渉」や「暴力的な交戦」の代わりに、共通の災害と戦うために手を組む人類総勢の「科学と自然の追求」や「平和的な団結力と士気」に大きな魅力があり、脚本としてもそこに主なスポットが当てられることになる。
近未来な武器や組織で激闘を繰り広げる[文明VS文明]の構図の作品と、ある意味自然の一部であるヒトという生物としてほかの自然と戦う[自然VS自然]という対立構造の作品では、大きくストーリーの趣旨も見どころも変わってくるのである。勿論、後者のヒトも文明の力を手に入れているわけであるが、本作品は、最先端技術の「必殺技」で強大な自然に打ち勝つという作品ではなく、持てるすべての科学と知恵を内包した人類の「超越的な団結力」が最大の見どころであることが評価の高い要因といえる。
◆18項目!感動のSF大作『ディープ・インパクト』のネタバレ徹底解説コラムはこちらから!
親しみやすいキャラクターたち
さて、そんな作品が当時流行っていたのだろう、同時期に「ディープ・インパクト」が公開されている。迫りくる小惑星への恐怖という点では類似しているが、「アルマゲドン」の魅力は、主人公たちのキャラクター像にもあるように思える。普通、こういった映画の主人公は、ある程度の力の持ち主であることが多い。軍人や特殊な仕事であったり、宇宙や科学に詳しい人であったりというパターンが多いと思われるが、今回の主人公は「穴掘りのプロ」なのである。そこの観点からして、どこか我々とも「身近な戦い」であることを想起させ、応援したくなるのだ。また、彼らの一人一人はとても愛着を持てる人格をしているので、物語終盤では彼らと一緒に戦っている感覚になるだろう。
写真:AFLO
命とは何か?
③の「命とは何かを考える」という点。主人公のラストの選択について、「自分でも同じ選択ができるか?」という問いを胸に観て頂きたい。
BuenaVistaPictures/Photofest/MediaVastJapan
自分の「命」と引き換えにしてでも守りたい「もの」とはいったいどんな存在なのか?
これは倫理や道徳的なジレンマを感じさせるラストでもあり、また、そういった覇気をもって現実を生きていこうと勇気づけられる、感動的なラストを飾っているといえよう。
ぜひ、まだ観ていない方は視聴をお勧めする。
I don’t wanna a thing~~♪♪
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コメント
面白い考察ですね~!!!
混乱の中どう団結していくのか。そこが見どころなのかもしれないですね!
[…] まず、ストーリーのプロットは非常に良いと思っています。インディペンデンス・デイやアルマゲドン、デイ・アフター・トゥモローといった地球の「外」「地上」での危険に人類が戦う映画が流行っていた頃に、地球の「地底」から恐怖が迫りくるというプロットは斬新かつとても興味を惹かれます。 […]
[…] この映画はアメリカ人が好きそうなポップさとコミカルさを兼ね備えている。ひとつひとつのセリフに(オチがあるという意味で)無駄がなくウィットに富んでおり、ぽんぽんとコミカルに会話が展開していく脚本構成は非常によく出来ているように思える。また、ブルースウィルス演じるコーベンというあるおじさんが、ひょんなことから少女と出会って、強大な敵と遭遇し、世界を救うという展開そのものがアメリカ人好みの娯楽映画のような気もする。ちなみに、(本作では近未来的な)銃で連発して敵を倒していくシーンは、ダイハードそっくりであるし、火だるまになった惑星が地球に衝突しそうになってそれを阻止するのはアルマゲドンそのものであり、これはブルースウィルスファンの心をくすぐるのではないだろうか笑 […]
[…] 監督は、ジョージ・ルーカス、スティーブン・スピルバーグに続くと言われる大物監督のJ・J・エイブラムス。「スター・ウォーズ」「スター・トレック」「アルマゲドン」「ミッションインポッシブル」「LOST」などの多数の有名作品があり、SF好きならおそらく一度は触れている監督でしょう。 […]