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SF映画 考察・解説

【ブレードランナー】なぜカルト的人気?22点でネタバレ考察・解説!

SF映画 考察・解説
ネタバレあり

元祖サイバーパンク『ブレードランナー』ネタバレ感想・徹底考察&解説!
日本やマトリックス
にも影響!世界観バージョン7つあるのも意味が分からない?
デッカードはレプリカント?ガフや折り紙、ユニコーン、レイチェル。
原作や続編2049との関係は?アニメやドラマで再び話題沸騰中!

いざ、SFの世界へ…!

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ブレードランナー のネタバレ感想・考察・徹底解説 (Ryo)

さて、本日は、言わずと知れたSFの「不朽の名作」である『ブレードランナー』についてネタバレ徹底考察!

1982年にリドリー・スコット監督製作により公開された本作は、その後、『攻殻機動隊』『AKIRA』『マトリックス』シリーズなど、多くのSF映画作品に影響を与えたことで有名です。

しかし、そんなカルト的に大人気映画となった『ブレードランナー』、実は公開当初は興行的に失敗しています。その後、作品が再評価されてここまで人気になったのはなぜなのでしょうか?

そして、この映画には多くの議論がいまなおされていることでも有名ですよね。

「デッカードはレプリカントだったのか?」
「6人目のレプリカントとは何だったのか?」
「レイチェルの寿命は4年だったのか?」

などなど…。

本日も、22項目で徹底考察していきます!

 

 

  1. 2021年、新作アニメとTVドラマシリーズで話題沸騰!
  2. カルト的に人気なサイバーパンク始祖。なぜ興行的失敗?
    1. ①スピルバーグ『E.T.』とかぶった。そして負けた。
    2. ②時代が追いついていなかった(=前衛的すぎた)
  3. 攻殻も、AKIRAも、マトリックスも影響受けている!?
  4. 原作との違いは?映画タイトル候補は他に5つあった?w
  5. 人造人間が強制労働の時代
  6. レプリカントの鍵は「4年の寿命制限」と「感情」
  7. フォークト=カンプフ検査って?「共感性」が人間との違い
  8. レイチェルは新型レプリカントだった
  9. レプリカントを殺し、ブレードランナーを助けるレプリカント
  10. 寿命の延長は不可能。宣告された時の表情が人間らしかった。
  11. なぜ、ロイは、最後にデッカードを救ったのか?
  12. ロイが抱えていた「白い鳩」は何を意味していたのか?
  13. レプリカントを助けたブレードランナーのお話なの?
  14. なんと全部で7バージョン存在…なぜこんなにあるの!?w
  15. デッカードはレプリカントなのか?ユニコーンの夢の意味は?
  16. ガフが残したユニコーンの折り紙が意味していたものとは。
  17. リドリー・スコットとハリソン・フォードで意見が対立…
  18. デッカード=レプリカント説の「他の真実」とは?
  19. デッカードのナレーションにも、大きな意図が隠れていた
  20. 7つってありすぎ…結局、どれ見ればええんや!?www
  21. シド・ミードが創り上げたデザインを忘れてはならない
  22. ということで…続きはどうなるのか!?

2021年、新作アニメとTVドラマシリーズで話題沸騰!

2017年公開の、続編にあたる『ブレードランナー2049』は、「名作の続編は失敗する」と言われているジンクスがある割には、結構評価が高い印象ですし、2021年11月からはシリーズの新作アニメ『ブレードランナー:ブラック・ロータス(原題:Blade Runner: Black Lotus)』がアメリカで配信開始されました。

また、2021年12月7日には、以下のような記事もあります。ドラマ化も近いんですよね!

実写ドラマ版「ブレードランナー」急ピッチで進行中 リドリー・スコット監督が告白

なんと、あのリドリー・スコットが復活!

「『ブレードランナー』のパイロット版を執筆しています」

とのことで、テレビシリーズ版で10話構成を予定しているらしいです。

ブレードランナー 2049』の17年前である2032年のロサンゼルスが舞台らしいですよ。

これは楽しみですよね!!

皆さんは、どんなストーリーになると思いますか?!

続編で登場したライアン・ゴズリングもかなり人気俳優ですし、時代的にきっと彼が登場するのではないでしょうか。盛り上がること間違いなし!

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出典: ピッチで進行中 リドリー・スコット監督が告白
写真:Album/アフロ

カルト的に人気なサイバーパンク始祖。なぜ興行的失敗?

リドリー・スコット監督といえば、この頃にSFホラー『エイリアン』(1979年)を製作したことで広く知られています。その後、いくつ続編があるんだと数えるのも大変そうなこのエイリアンシリーズをつくりあげた生みの親だと考えれば、最高な功績を残した監督だと言えます。

その3年後につくれらた『ブレードランナー』は、公開当初は流行しなかったものの、後に、サイバーパンク、ディストピア世界、フィルム・ノワールといった作風の始祖とも言われ、同時にSF界隈では「不朽の名作」「エポックメイキング」などと呼ばれるようになります。

そんなすごい作品が、どうして公開当初はたいして振るわなかったのか?

それには、大きく二つの理由があると思います。

 

 

①スピルバーグ『E.T.』とかぶった。そして負けた。

まずは、これでしょう。『ブレードランナー』の公開2週間前に先に上映開始となった『攻殻機動隊』が人気爆発で、多くの観客はそちらへ流れてしまいました。また、当時はこういったスピルバーグ作品にみられる、「明るい!」「アクション!」「爽快!」といった、ザ・ハリウッド的なポップコーン映画が人気の潮流にありました。(まぁ、もともと西部劇が好きなお国ですからねw)

しかも、『ブレードランナー』は主演がハリソン・フォードなので、ドンパチ明るく展開する『インディージョーンズ』や『スターウォーズ』シリーズの作風を期待したファンが多かったことは間違いないでしょう。ハリソン・フォードといえば、『スターウォーズ 帝国の逆襲』や『インディージョーンズ (レイダース 失われたアーク)』でアクション俳優としてのポジションを確立していたころでしょう。(この作品では、そんなに激しいアクション無し…)
※アメリカでは当初、映画館を途中で出てしまう人も多かったとか…

それもあり、「なんだ、これなんか難しい」「暗い」「つまらんやん」といった評価が多くなり、当時は埋もれてしまったのです。

同時に、『E.T.』がシンプルで分かりやすく感動的なカタルシスある映画に対して、少し哲学的で難解な『ブレードランナー』は一般受けとしては好ましくなかったのでしょう。

実際、今でも一度見ただけでは、よく意味が分からないようなシーンが多く、レビューでは「意味が分からない」「何が面白いの?」「謎すぎる」というコメントがよくみられますw

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出典:ブレードランナー – 作品 – Yahoo!映画
WarnerBros./Photofest/MediaVastJapan

②時代が追いついていなかった(=前衛的すぎた)

二つ目の理由は、前衛的すぎた・先見性がありすぎた、ということでしょう。

当時の近未来SF映画といえば、明るく洗練された地球文明が描かれることが多かったです。そんなハイテクな未来都市のイメージを打ち破ったのが、リドリー・スコットです。

彼は、2019年のロサンゼルスを「酸性雨が降りしきる街」「環境汚染にまみれた地球」「退廃的な未来都市」といった要素で塗り固めることで、従来とはまったく違った「近未来SF」をつくりあげたのです。

今でこそ、こういった未来都市を描く作品は多いと思います。

まさに今月4部作目が公開となる『マトリックス レザレクションズ』の始まりである『マトリックス』でも、未来を描きながらも太陽光が閉ざされた世界が描かれており、全体的に暗いです。

しかし、当時はこういった作品は無かったのです。

今みたら「なんだこれ、なんかみたことある」と感じる部分も、実はこの作品が元祖なんですよね。

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出典:マトリックス リローデッド – 作品 – Yahoo!映画
WarnerBros./Photofest/MediaVastJapan

攻殻も、AKIRAも、マトリックスも影響受けている!?

攻殻機動隊』も『ブレードランナー』の影響を受けています。

新宿の雑多な街の中で暴れる人造人間なんていう設定は、まさに『攻殻』でも『ブレードランナー』でもみられる情景です。

これは、リドリー・スコットが新宿のような街が好きだったからです。

ちなみに、ところどころで日本を意識しているシーンがありますよね。

街の看板に変な日本語が記載してあるのは勿論、街中では謎の日本語がひたすらリピート再生されていたり、寿司屋の主人が登場したり、この辺は、日本好きが出ているのでしょう。

しかし、当時は「もっと明るく楽しい映画が良い!」という風潮があったため、この映画は敬遠されてしまったといえるでしょう。

 

 

「受けなかった理由」が上記2点だと思うんですよね。

実際、制作費2,800万ドルに対し、興行収入は北米地域で3,280万ドル。

ほとんど利益出ていないですよね。

確かに、当時の映画を観ると、かなりイレギュラーの部類でしょう。

それでも、こうして後世で再評価されたのは嬉しいですよね。

むしろ、ここまで後世になってからヒットした映画というのは、他に類をみないともいえそうです。

ちなみに、興行的に失敗したこの映画ですが、アメリカ国立フィルム登録簿に永久保存されるくらいのレベルです。スゴイですよねw

▼『AKIRA』は、鳥山明から影響を受けていた!?徹底考察!

▼『攻殻機動隊』と『ブレードランナー』の共通点は雑多な新宿?!

▼これも『ブレードランナー』の影響…映画『マトリックス』徹底考察!

 

原作との違いは?映画タイトル候補は他に5つあった?w

ここまでのクオリティの作風をつくりあげたリドリー・スコットは天才的といえますが、とはいえ、この映画には原作があります。

それは、『トータル・リコール』(1990)や『マイノリティ・リポート』(2002)でもお馴染みの原作者フィリップ・K・ディックです。彼のSF小説『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を原作としています。
※登場人物やストーリーはじめ、大幅に改変されているので、「原案」という立ち位置の良いらしいです。しかも、 フィリップ・K・ディック自身は、この「映画化」を後に聞いていなかったと批判し、『ブレードランナー』をこき下ろしたことでも有名です。残念なことに82年公開前に亡くなってしまいますが…

どうして『ブレードランナー』なんて名前にしたのだろうって思いますが、実は「ブレードランナー」は原作には登場しない映画オリジナル用語「レプリカント」も同様で、原作では「アンドロイド」になっています。これは、「アンドロイド」だと機械を連想させるから、変更したようです。これも、フィリップ・K・ディックは嫌っていたようですがw

どこから「ブレードランナー」になったんだよ!って話ですが、これは、アラン・E・ナースの小説『The Bladerunner』(1974年)に由来しているよう。意味は、「非合法医療器具(blade)の運び屋(runner)」とのこと。

ちなみに、この映画は、多くのタイトル候補があったことも有名です。

①『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
②『アンドロイド』
③『メカニズム』
④『デンジャラス・デイズ』
⑤『ゴッサム・シティ』(バットマンからNG出たみたいですww)

こんなに変遷があって『ブレードランナー』にたどり着いたんですね。

個人的には、響きが格好いいので、結果的にタイトルで興味付けできた部分もあるんじゃないのかなって思いますので良かったと思いますが(中二病患者のみ?)

ちなみに、原作とは他にも少し異なる点があります。

・主人公(デッカード)の妻であるイーランが、映画では登場しない
・映画では、電気羊(ロボット)を飼っていない(タイトルの「電気羊」がおらんw)
・デッカードは「電気じゃなくて本物の羊ほしい」と嘆くキャラw
・敵役のロイ・バッティ、原作ではそんな大事なキャラじゃない

 

人造人間が強制労働の時代

ということで、早速、ストーリー考察に入っていきましょう!

まずは、舞台ですが、2019年にロサンゼルス。

なんか、もうこの時点でいろいろ考えちゃいますよね。
1982年当時の未来「2019年」ってこんな感じだったのかー!って。

『ドラえもん』や『ターミネーター』なども、いよいよ時代が近づいてきて、なんだか不思議な感じがします。こう考えると、当時考えていたほど地球文明は進展していないようですね。。(勿論映画としての予想ですが…)

前述の通り、当時にしては独創的な設定で「環境破壊」「酸性雨」に支配される地球。

人類は、宇宙の植民地(オフワールド)に移住していますが、地球に残っている人たちもいます。
※オフワールドへ行こう!みたいな宣伝が街の中でみられるのですが、最初「オフワールドって何!?」って感じで意味不明ですよねw

ブレードランナー ネタバレ 映画 徹底 考察 解説 評価 あらすじ 感想 Japan Sci-Fi SF レプリカント
出典:ブレードランナー – 作品 – Yahoo!映画
WarnerBros./Photofest/MediaVastJapan

そして、レプリカントと呼ばれる人造人間を開発できるようになった人類は、レプリカントを宇宙開拓の最前線で強制労働させているのです。

なかなか斬新すぎるアイデアです。。

この映画が難解とされる大きな理由は、レプリカントについてよくわからない点が多いからではないでしょうか。ということで、レプリカントがどうして反乱し、なにがこの映画の一番伝えたい点なのか、見どころはなんだったのかまで深堀してみます。

 

 

レプリカントの鍵は「4年の寿命制限」と「感情」

レプリカントとは、簡単にいえば「人造人間」です。

外見では見分けがつきません。今回登場するのは6代目である「ネクサス6型」です。

しかし、開発者であるタイレル・コーポレーションのエルドン・タイレル社長は、レプリカントが感情を身に着けて人間より優ることを防ぐため、とある安全装置をつけます。

それが「4年という寿命制限」です。

人間にも寿命がありますが、「あと〇年で死にます」とは通常言われないはずです。

しかし、レプリカントには、生まれながらにして寿命が決まっています。

本作は、この設定における「レプリカントの葛藤」に物語の主軸があります。

つまり、「なんで俺たちは寿命が決まっているんだ?」というところから、レプリカントが反乱を起こすんですよね。

しかし、よく考えてみると、この時点で「感情」を持っているともいえそうです。

「もっと生きたい」という思考、運命に逆らいたいという思いこそ、ある意味で感情でもあるのです。つまり「人間らしい」動機である点が、既にこの時代の技術が超えてはならない点を超越してしまったともいえるのでしょう。

出典:ブレードランナー – 作品 – Yahoo!映画
WarnerBros./Photofest/MediaVastJapan

フォークト=カンプフ検査って?「共感性」が人間との違い

人間とそっくりなレプリカントですが、どうやって見分けるのでしょうか?

その見分ける方法が、冒頭シーンやデッカードの調査シーンでみられる「フォークト=カンプフ検査」です。

これは、いくつかの質問をしていくなかで、感情移入の度合いを測るというもの。

というのも、外見は同じでも、唯一まだ人間と大きく異なる点に「共感性」があるとされたためです。

「可哀想」「腹立たしい」「嬉しい」という共感は、レプリカントにはないのです。

そこで、この「フォークト=カンプフ検査」の反応を見て見極めるのです。

冒頭、リオンという反乱者がこの検査を受けていますが、途中で銃をぶっ放して、検査官(ブレードランナー)を殺していますね。

ブレードランナーとは、このような検査を通して、脱走レプリカント達を判別し、「解任(抹殺)」するのが仕事である、警察の専任捜査官です。

ハリソン・フォード演じるリック・デッカード捜査官は、元凄腕ブレードランナーだったので、招集されたんですね。

「フォークト=カンプフ検査」は、デッカードがタイレル社を訪れてレイチェルと初対面した際にも利用しています。

ブレードランナー ネタバレ 映画 徹底 考察 解説 評価 あらすじ 感想 Japan Sci-Fi SF レイチェル
出典:ブレードランナー – 作品 – Yahoo!映画
WarnerBros./Photofest/MediaVastJapan

 

 

レイチェルは新型レプリカントだった

結論、レイチェルもレプリカントでした。

これは、「自分の秘書であるレイチェルが本物かどうかデッカードに見極めることはできるのか?」というタイレル博士の実験でした。

そして、新型レプリカントであるレイチェルの正体を見破ったデッカード。さすがは凄腕ブレードランナー、違いますね!!

※ブレードランナー=ただ人造人間をボコボコにする警察ではなく、検査という心理学テクニックも必要な仕事なんですよね!

この新型レプリカントも、ポイントになってきます。

タイレル社長は、ネクサス6型レプリカントが感情に対応できずに反乱を起こすことに悩んでいました。そこで、レプリカントに偽の記憶を埋め込むことで、精神の安定を図ったのです。なので、レイチェルには、社長の姪の記憶が移植されています。レイチェル自身は、本当に自分の記憶だと思っているんですよね。

※ちなみに、レイチェル演じるショーン・ヤングは、この後は色々あり、演者としては見ることが少なくなります。ただ、彼女は、デヴィッド・リンチ監督の『砂の惑星:デューン』(1984)にも出演していますよ!

レイチェルは人間だと思っていたのに、、、と嘆く彼女を見て、デッカードは、レイチェルに惹かれていきます。涙すら流すレイチェルを見て、デッカードは彼女を守りたいと思ったのでしょう。

レイチェルの昔の写真を見るシーンがありますが、あれは、記憶が本物だと刷り込むためです。なので、精神安定のために、敢えて写真を見せていたんですね。残酷な事実を突き付けられたレイチェルは、その後、姿を消してしまいます。

ブレードランナー ネタバレ 映画 徹底 考察 解説 評価 あらすじ 感想 Japan Sci-Fi SF レイチェル キス
出典:ブレードランナー – 作品 – Yahoo!映画
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レプリカントを殺し、ブレードランナーを助けるレプリカント

さて、ある意味、不完全なネクサス6型。

反乱を起こしたレプリカントは合計6名でした。

ただし2名は最初、製造元企業に侵入したところを見つかり、殺されています。

残り4名は以下の通り。

・戦闘用レプリカント:ロイ・バッティ
・慰安用レプリカント:プリス・ストラットン
・労働用レプリカント:リオン・コワルスキー
・女性型レプリカント:ゾーラ・サロメ

→ゾーラ:デッカードにより射殺!
→リオン:デッカードが殺されそうになったところで、後ろからレイチェルが射殺!

突然再開することになったレイチェルですが、彼女は、仲間であるはずのリオンを殺し、敵であるはずのデッカードを救いました。

ブレードランナー ネタバレ 映画 徹底 考察 解説 評価 あらすじ 感想 Japan Sci-Fi SF ゾーラ プリス
出典:ブレードランナー – 作品 – Yahoo!映画
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これもまた、「人間らしい選択」といえるのではないでしょうか?

ということで、中盤では残り2名になってしまいます。

 

 

寿命の延長は不可能。宣告された時の表情が人間らしかった。

ロイ・バッティとプリス・ストラットンは、タイレル社の技術者であるJ.F.セバスチャンと脅迫して、タイレル社長と会うことに成功しますが、寿命を引き延ばすことは不可能だと宣告されてしまいます。

あくまで敵として描かれるレプリカントですが、宣告されたときの絶望シーンは、なんだか少しこちらも胸が痛いのが印象的です。

というのも、表情が非常に人間的なんですよね。

これは、俳優云々ではなく、敢えてこのようにしているのでしょうが、感情があまり無いように見える彼らが、自分たちの運命を悟って絶望するシーンは、どこか人間らしいのです。多くの観客が少し感情移入してしまいそうになるような、苦しそうな光景が描かれます。

※非常に人気のあるロイを演じたのはオランダ人俳優ルトガー・ハウアーです。奇しくも、『ブレードランナー』の舞台設定である2019年に75歳で亡くなっています

ブレードランナー ネタバレ 映画 徹底 考察 解説 評価 あらすじ 感想 Japan Sci-Fi SF レプリカント バッティ
出典:ブレードランナー – 作品 – Yahoo!映画
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激しい葛藤と怒りに苛まされたロイは、社長もセバスチャンも殺害してしまいます。

そして、パートナーであったプリスを殺したデッカードとの戦いへ向かいます。

この辺の、狂気に満ちたロイもまた非常に恐ろしく、光っていますよね。

なぜ上裸になる必要があるんだ!とツッコみたくもなりますが、これもまた彼の味ということでw

レプリカントがどんどんと感情をエスカレートさせていくこの展開は、じわりじわりと恐怖を染みこませていきます。

しかし、さすがは軍用レプリカント。

狂いながら襲い掛かってくるロイに、デッカードは逃げるだけです。

女性レプリカントを2名殺したデッカードですが、ロイが相手になると、もうハリソン・フォードらしくない俳優ですw 殺したのはなんと女性のみという事実w

※これもまた、ファンからは不評だったでしょうね。フォード自身は後世で「役者としての幅が広がった」と解釈しているらしいですが;;

ブレードランナー ネタバレ 映画 徹底 考察 解説 評価 あらすじ 感想 Japan Sci-Fi SF 逃げる
出典:ブレードランナー – 作品 – Yahoo!映画
WarnerBros./Photofest/MediaVastJapan

なぜ、ロイは、最後にデッカードを救ったのか?

ここで、ブレードランナー』考察における大きなポイントでもある問題提起が出てきます。

それは、デッカードが屋上から転落しそうになっていたところを、ロイが救ったシーンです。

それまでのアクション劇を見ていたら、即効で殺しにかかるだろ!

と思うところを、突然ロイは彼を助けるため、手を差し伸べます。

そして、彼が見てきたものを話し始めるのです。

「おまえたち人間には信じられないようなものを私は見てきた」

印象的な言葉を残すロイ・バッティ。

一般的に考えられる解釈としては、ここでレプリカントには無かったとされる「共感性」が芽生えたのではないか、ということ。※諸説ありますが

ブレードランナー ネタバレ 映画 徹底 考察 解説 評価 あらすじ 感想 Japan Sci-Fi SF デッカード
出典:ブレードランナー – 作品 – Yahoo!映画
WarnerBros./Photofest/MediaVastJapan

つまり、殺されそうになっているデッカードを見て「可哀そう」と共感したのです。

そして、また、自分がされてきたことを「知ってほしい」と共感を要求したのです。

これこそが、レプリカントと人間は何が違うのか?を問いかける重要なシーンなんですよね。

共感能力もあって感情も豊かに見えるロイ・バッティ。

では、一体なにをもって人間と違うというのか?

ここにきて、ようやく原作と同じメッセージを問いかけてくるのです。

※ただし初見では「は、なんで敵に助けられるんや!?ハリソン・フォードもっと大格闘してやっつろけろおお!!」という気持ちが先行して、「??」になりがちですw

ブレードランナー ネタバレ 映画 徹底 考察 解説 評価 あらすじ 感想 Japan Sci-Fi SF バッティ
出典:ブレードランナー – 作品 – Yahoo!映画
WarnerBros./Photofest/MediaVastJapan

 

 

ロイが抱えていた「白い鳩」は何を意味していたのか?

そして、さらに哲学的なシーンが続きます。

ロイは、最後、左手で白い鳩を抱えています。

そして、彼の死後、鳩は飛びだっていくのです

これは、「ロイがレプリカントから解放された」=「ハトが解放された」ことを意味しているといいます。(ちょっと難解すぎる気がするがw)

そして、興味深いことに、これはルトガー・ハウアー自身のアイデアらしいです。

すごい、なんて哲学的な俳優さんなんだ。。。

その後、現場に訪れたガフ。ガフはブレードランナーの上官です。折り紙が好き。

そしてガフは、「彼女も惜しいですな。短い命とは」という不吉な言葉を言い放います。

※ちなみに、ガフ演じるエドワード・ジェームズ・オルモス本人がアドリブで思いついたセリフらしいですが採用w なんか俳優さんたちスペック高いな…笑

不穏なメッセージを聞いて、デッカードはすぐにレイチェルが危ないと感じます。というのも、レイチェルも脱走レプリカントなので捜索対象になっているのです。

しかし、自宅へ戻ってみたところ、レイチェルはまだ生きていました。

安堵の息をついて、デッカードはレイチェルと共に逃避行へ出ます。

ブレードランナー ネタバレ 映画 徹底 考察 解説 評価 あらすじ 感想 Japan Sci-Fi SF 逃避行
出典:ブレードランナー – 作品 – Yahoo!映画
WarnerBros./Photofest/MediaVastJapan

レプリカントを助けたブレードランナーのお話なの?

本来は、お互いに対立関係にあるはずのレプリカント・レイチェルと、それを助けたブレードランナー・デッカード。

もしかすると、デッカードにはロイの言葉が胸にあったからこそ、レイチェルを守りたいと思ったのかもしれません。

レイチェルの寿命は、ガフが予測したように「短い命(4年)」なのでしょうか?

続編『ブレードランナー 2049』では、彼女がいつ死んだかは明確に描かれておらず、4年とも、もっと長かったとも、両方読み取れるように巧妙につくってあります。

ここは、『ブレードランナー』をややこしくしている「バージョン違い」と関係してくるので、後述します。

逃避行へ出る直前、エレベータの前の廊下である折り紙を見つけます。

これは、初見では、「ガフがよくおってた折り紙か~」というくらいで感じて終わります。

せめて「レイチェルを探しに来たが見つからなかった」という意味か、「レイチェルを見つけたが、どうせ短い命だし助けてやるよ」という意味くらいにしか、捉えることはできません。これだけでも少しメッセージ性のあるラストですが、実はリドリー・スコットはもっと深い意図をここに残していたのです。

これもまた、バージョン違いによって生じるラストの違いなのです。

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出典:ブレードランナー – 作品 – Yahoo!映画
WarnerBros./Photofest/MediaVastJapan

この「謎」こそが、『ブレードランナー』がSFマニアたちを虜にした最大の要因でしょう。映画というのは、シンプルでラストも分かりやすい方が娯楽性としては受ける一方、「あれ、あのラストってどういう意味だったんだ?」という考察の余地を与えるものが長期的にヒットする傾向にあります。

特に最近は、そういう映画が多くなってきましたが、1982年当時はそこまで無かったでしょう。『2001年宇宙の旅』くらいじゃないでしょうか(笑)

ということで、ここからはバージョン違いによる『ブレードランナー』を考察!

 

 

なんと全部で7バージョン存在…なぜこんなにあるの!?w

バージョンは実は大きく分けて5つ、細かく言えば7つもあるのですが、なぜこんなにあるのでしょうか。

発端は【とあるミス】であり、それにリドリー・スコットによる意図的な【哲学】が巧妙に絡み合っているからだといえます。

公開当初はあまり知られていなかったようですが、実は結構ミスがあります。

例えば、もともとの年代設定は2020年だったという話。

確かに当時の日本の宣伝ポスターも「2020年、レプリカントが~~」みたいな文言が書いてあります。しかし、のちに、「Twenty-Twenty」という言葉が、視力検査の視力を表す言葉と混同しやすいということで、2019年に変更されたのです。

その為、レプリカントの寿命が「4年」という重要な寿命設定にも、少し矛盾が発生してしまったのです(だれか気づきそうだがw)。

そして、次の【とあるミス】がとにかくファンの間で有名に議論になる発端です。

そのミスとは、「6人目のレプリカントはどこに行ったのか?」という問題です。

冒頭、警察署でブライアントは、地球に侵入した反乱レプリカントは「男3人、女3人の合計6人」「うち1名は死亡」と説明していますが、実際その後登場したのは、4人の反乱レプリカントです。6人目は誰だったの?という話ですねw

これも、実はただのミス。

当初の脚本では6人目も描く予定だったのですが、予算の都合でおじゃんになっていたのです。これまた、そこに気づかずに撮影w

このミスは、後の『ファイナル・カット』版をみると、ちゃんと「2名死亡」と修正されています。

しかし、この問題が発端で、「6人目とはデッカード自身ではないのか?」という考察が、ファンの間で熱く議論されるようになったのです。

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出典:ブレードランナー – 作品 – Yahoo!映画
WarnerBros./Photofest/MediaVastJapan

デッカードはレプリカントなのか?ユニコーンの夢の意味は?

このミス、幸か不幸か、実はリドリー・スコット自身が当初仕組んでいた一つのシナリオでした。「デッカード自身がレプリカント」というオチは、撮影が続く中でスコットが気に入った展開であり、そのため、初期劇場公開版の前の試写版時点では、そうとも読み取れるような「シーン」をこっそり入れていました。そして、もう少しラストも暗めで、哲学的なメッセージが強みだったのです。

しかし、これは一般受けしないと考えた映画会社側が、「とあるシーン」を削除したり、ラストを「デッカードとレイチェルの逃避行」にしてハッピーエンドにしたり、デッカードにナレーションを追加したりと修正を要望したのです。

まぁ、当時の映画業界を考えれば当たり前な対応のような気もします。

もっとハッピーで明るい映画を欲していた一般大衆のことを考え、このような処置を取ったのだろうあんと想像できますが、今の『ブレードランナー』がこんなにバージョン存在するのは、すべてこの修正処理がキッカケw

では、その「とあるシーン」とは何なのか?

ブレードランナー ネタバレ 映画 徹底 考察 解説 評価 あらすじ 感想 Japan Sci-Fi SF 建物
出典:ブレードランナー – 作品 – Yahoo!映画
WarnerBros./Photofest/MediaVastJapan

それは、「デッカードが見るユニコーンの夢」シーンです。

実は、中盤でデッカードが椅子で寝ている間に、ユニコーンの夢が挿入されます。

なんのことか初見ではさっぱり意味が不明ですが、実はラストにその伏線回収があるのです。

ラスト、レイチェルを連れて逃避行へ出るデッカードですが、その建物を出る直前、「ユニコーンの折り紙」が廊下に落ちているのを発見します。

普通なら、これは「あ、あの折り紙好きなガフが残したものか」「つまり、ガフはここまで突き止めていた。彼は敢えて逃がしたのかな~、それともたまたまレイチェルいなかっただけかな~」なんていう想像を与えてくれる程度。

 

 

ガフが残したユニコーンの折り紙が意味していたものとは。

しかし、この「ユニコーンの夢」シーンが挿入されたことにより、ユニコーンの折り紙がまったく違う意味になってしまったのです。

それは、

・ガフがユニコーンのことを知っている

・ガフはデッカードの夢にユニコーンが出ることを知っている

・ガフがデッカードの記憶をつくった

・デッカードもレプリカントである

という論理展開です。

まるで、レイチェルの夢をすべて把握することができたデッカードのように、ガフもデッカードの夢をすべて把握していた。そして「お前はレプリカントだぞ」というメッセージを最後にデッカードに伝えたのではないか、というわけです。

うぬぬぬ!!!!!!!!!なんとも絶妙な問いかけですよね。

ちなみに、ユニコーンの夢は「不安」「未知の世界」などを意味すると夢占いではいわれています。そして、ユニコーンは伝説の生き物であり、「幻」の象徴のようなもの。

つまり、デッカードが「ユニコーンの夢」を見るのは、デッカードにとって「未知の世界」のレプリカントを指し、そしてデッカード自身がある意味「幻」の世界を生きているという意味ではないしょうか。

ただし、さらにややこしいことが。
というか、結論、結局答えは出ないようになっちゃってる要因がもう一つあったんです。

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出典:ブレードランナー – 作品 – Yahoo!映画
WarnerBros./Photofest/MediaVastJapan

リドリー・スコットとハリソン・フォードで意見が対立…

単純にリドリー・スコットが「ラストどっちか分からなくていいでしょ~」という意図だけならまだ良いのですが、実はこのオチは途中で思いついたものなので、ハリソン・フォードは否定。

1982年以降、ハリソン・フォードはあまりこの映画のことを口にすることはありませんでしたし、これほど人気なのに続編が出なかったのも、彼があまり良く思っていなかったからですよね。

まぁ、確かに、「自分は正義の警察役だ!」と考えて行動していたのに後から「お前も人造人間のがおもろいじゃんw」って言われたら、あんま良い気分じゃないですよねw

それも、当時アクション映画でヒーロー続きだったハリソン・フォードですからね。

なので、スコット本人は、ドキュメンタリー番組でも「デッカードはレプリカント」と公言しているものの、ハリソン・フォードは反対という状況が長く続いたんですね。

しかし、ある時期から肯定的となり、『ブレードランナー 2049』への出演も快諾した、というわけです。

 

 

デッカード=レプリカント説の「他の真実」とは?

ちなみに、ファンが勝手に「デッカードはレプリカント説」を信じた理由には、他にもありました。しかし、結論、全部「たまたま」だったんですよね。

・デッカードが泣かない・強い
=レイチェルが葛藤して泣いているのに、それを見るデッカードは涙ひとつ流さないこれはレプリカントだからではないか?とささやかれました。また、軍用ロボやほか反乱レプリカントたちの前でも、なかなか強いことから、レプリカントのような屈強な体をしているのではと。

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出典:ブレードランナー – 作品 – Yahoo!映画
WarnerBros./Photofest/MediaVastJapan

・デッカードは赤目だった・赤目のフクロウがいる
赤目のフクロウ=レプリカントでした。そして、とあるシーンでデッカードの目が赤く映っており、これがレプリカントを指しているのではないかとされました。確かにフクロウのシーンはかなり強調的に映っている感じがしますよね。ただ、実際はカメラの問題で、意図的なメッセージはなかったと言われています。

・デッカードが写真を沢山持っている
=レイチェルがそうであったように、レプリカントは自分の記憶が本物であるように信じ続けるよう刷り込まれているため、写真を沢山所持しています。デッカードが写真を沢山眺めていたのも、彼がレプリカントだからではないのか?

・レイチェルから意味深な質問をされている
=中盤、レイチェルはデッカードに「自分にテストをしたことあるの?」と質問。
 これは、観客に「こいつは自分がレプリカントではないことを証明できていないぞ」と伝えているようにも捉えられますよね。ふぅむ、真相はいかに。。。

しかし、これらも全部偶然。

特に意味はなかった。。。

まぁ、後からこじつけようと思えばできる、っていうレベルですがw

 

 

デッカードのナレーションにも、大きな意図が隠れていた

バージョン違いでもう一つ大事なのは、デッカードのナレーションです。

多分「ディレクターズ・カット」版から鑑賞すると、デッカードのナレーションが無いので、ちょっとよくわからないところが多いかと思います。主人公に感情移入できず、全体的に難解にさせています。劇場版では勿論、わかりやすさ重視のためにナレーションがありました。

そのナレーションの中に「奴らは知らなかったが、レイチェルは命の期限を与えられていなかったのだ」という言葉があります。

つまり、レイチェルは4年以上生きられるよーという意味なのですが、

ディレクターズ・カット版には無いので、「レイチェルは果たして4年で寿命が尽きるのか?」が不明なんですよね。ディレクターズ・カット版は、本来のリドリー・スコット監督がつくりたかった作風なので、かなり「本当のブレードランナー寄り」です。ということは、もともとリドリー・スコットからしたら、レイチェルの寿命については「読者の想像」に任せたかったという可能性が高いでしょう。

これもまた、バージョンによって事実が異なるため、多くの議論を呼ぶことになってしまったわけです。

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出典:ブレードランナー – 作品 – Yahoo!映画
WarnerBros./Photofest/MediaVastJapan

7つってありすぎ…結局、どれ見ればええんや!?www

そんなこんなで、7つの異なるバージョンが存在する『ブレードランナー』。。。

結局どれを見ればいいの?って話ですが、

『ファイナル・カット版』が、一番リドリー・スコットらしい+VFXで高精度で編集された映像なのでおススメです。なので、見るならこれではないでしょうか。

ここまでくると、「結末が暗い」という理由だけで、最初に手を加えた映画会社側、なんかもう駄目だったのか良かったのか分からないですよねw

ある意味、こうやって解釈がわかれるようになったからこそ、ヒットした映画なので、バージョン違いを発生させてくれた映画会社の改変には、感謝しなくてはならないのかもしれないですwww

ちなみに、5つのバージョンをすべて見れるDVDボックスも発売されているらしく、マニアの方はこれで徹底比較するしかないですねw

 

 

 

シド・ミードが創り上げたデザインを忘れてはならない

最後に、さらっと、この映画の「デザイン」について余談。

リドリー・スコット監督と言えば、1979年の『エイリアン』の卓越した映像センスが人気となりましたが、この時のデザインは、H.R.ギーガー

そして、今回そのポジションにいたのは、ビジュアル・フューチャリストと呼ばれるシド・ミードでした。彼は、フォード社で「未来の車」をデザインしており、そこで画力がついたと言われています。本来は車両や小道具のために契約されたのですが、彼の得意とする「工業製品」的なデザインに惹かれたリドリー・スコットが、大抜擢。

シド・ミードは、「工業製品は、それが使用される状況や環境とセットでデザインされなければならない」という考えを持っていたと言われています。なので、車だけ書くつもりが、周囲の街並みも描いてしまい、それが監督の眼にとまったわけですね。

そして、そのポリシーから生まれたのが、『ブレードランナー』を更に人気とさせたフューチャーカー、スピナー(飛行車)、ポリススピナー、ブラスター(ブラックホール・ガンは劇的効果がなく冒頭のみ=デッカード・ブラスター)といった数々の近未来アイテム。

特に、飛行車としては、SF映画で登場したのはかなり初期なのではないでしょうか。

BTFシリーズ、『フィフス・エレメントなどでも登場しますが、それらよりずっと前ですからね!

※ちなみに、奇しくも、シド・ミードは『ブレードランナー』の時代設定である「2019年11月」の翌月に亡くなっています。ロイを演じたルトガー・ハウアーも2019年に亡くなっているのは、偶然とはいえ、ちょっと悲しいものがありますよね。

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出典:ブレードランナー – 作品 – Yahoo!映画
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ということで…続きはどうなるのか!?

ということで、以上が『ブレードランナー』の徹底解説コラムでした。

特に「デッカードはレプリカントなの?」を考察した方は多いのではないでしょうか。

この謎を巧妙に使った続編『ブレードランナー 2049』は、結構好評の印象なので、ぜひそちらもご覧ください。

▼意味が分からない!?ブレードランナー 2049』のネタバレはこちら!

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それではまた!!!

 

 

 

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