現実世界と仮想空間で機械AIとの戦いを描くSF映画『マトリックス』のネタバレ感想・考察による徹底解説!
マトリックスの意味とは?スミスはアンチウィルス?ネオの正体って?トラウマすぎる培養シーン…レザレクションズも来月公開!
ネタバレ徹底考察します!
いざ、SFの世界へ…!
マトリックス のネタバレ感想・考察・徹底解説 (Ryo)
本日は、1999年公開のSF映画『マトリックス』についてネタバレ徹底考察!
言わずと知れた、SF映画における名作ですよね!
今年2021年には、4作目である『マトリックス レザレクションズ』も公開されるとのことで、再び注目を浴びていますね!
▶▷▶公開前!ザイオン仮想説!『レザレクションズ』のストーリー徹底予想!
『マトリックス』は1999年に公開されてから、続編が2003年に『マトリックス リローテッド』『マトリックス レヴォリューション』と続けて公開され、3部作で完結しました(と思われていました)。本コラムでは、まずは第1作の『マトリックス』におけるネタバレ徹底考察をしていきます。
※ちなみに2003年には『アニマトリックス』(原題:The Animatrix)というオムニバスアニメーションも放映されており、マトリックスブームの頂点ともいえる年でしたね!
最近見た!というかたも、元来からのファンも、これを機に一気に復習!
どういった意味があったのか、映画としてどんな意味があったのか等深いテーマも含めつつ、
小ネタやマトリックスワールドを解説していきます!
ネタバレ全開なので、まだの方は要注意!
20項目で徹底解説してきます!!!
▶続編のネタバレ徹底考察を見たい方はこちらも後で要チェック!
- 現実と仮想。人類と機械。とにかく世界観がすごすぎた!
- 攻殻、サイバーパンクSF小説、哲学書などから影響!
- 至るところにある?「マトリックス」とはどんな意味か?
- 人間は機械のエネルギーに?仮想現実をそんな風に使うとは!
- 「水槽の脳」がベース。実は結構リアリティがある…!
- ウィル・スミスは断っていた!?トレンチコートが印象的な衣装
- NEO=ONE、トーマス、モーフィアス、ザイオン、トリニティ、、
- 冒頭のコードには日本語が混じっている?その意外な理由とはw
- 「不思議の国のアリス」もテーマ?そして訪れるトラウマ…
- 寄生虫にはどんな意味が?エージェント・スミスの正体は?
- 赤のピルの意味は?人間培養槽のシーンがシリーズ1番で衝撃的w
- 人類はどうしてこんな目に?ザイオンとは何なのか?
- 預言者オラクルに会うものの…救世主じゃないのかよぉお!!
- サイファー=世界の構造に疲れ切った人間の象徴
- 悲劇!速攻で死んでいく「ネブカドネザル号」のメンバー!
- 必殺兵器EMP!機械を倒すために必要なのも機械という皮肉
- マトリックスといえばこのポーズ!バレットタイムは映像革命だった!
- カンフーアクション…しかしなぜネオはキックしないのか?
- スミス最強!最後の最後で撃ち抜かれたネオ!!
- エンドロールの曲名は「wake up」…この曲自体がマトリックス!
現実と仮想。人類と機械。とにかく世界観がすごすぎた!
この映画、なんと製作費6,300万ドルに対し、興行収入は4.63億ドルという凄まじき大ヒット映画なんですよね。
なにがそんな受けたのか、様々な考察や要素があると思いますが、まずはこの映画におけるユニークな世界観であると思います。
世界観というのは、特にSF映画といった空想上の作品では非常に大事ですよね。
勿論、空想上ではなくとも、その映画に通底する世界観やルールみたいなしっかりしていないと、観客はどこか満足しないというか腑に落ちない状態で観終わることが多いかと思いますが、SF作品というのは、それ以上に大変な作りこみが必要になると思っています。
ある意味で、新しいスポーツを創るくらいのクリエイティブとロジックが必要になるとおもいます。サッカーで「手が使えない」ルールを面白く生かすみたいなイメージですよね。
その点、『ターミネーター』(少なくとも1,2は…)、『マトリックス』シリーズ、また、『インセプション』や『テネット』といったノーラン作品は、かなりSF的に緻密に設計されていると言えます。
この映画も、「現実空間と仮想空間の転送ルール」や「人類と機械の戦争の歴史」、「プログラムとしての対応」など、ほとんどの要素が非常に洗練されて創りこまれているなぁという印象です。
その辺も、詳細に考察していこうと思います!
出典:マトリックス : 作品情報 – 映画.com
(C)1999 Warner Bros. Entertainment Inc
攻殻、サイバーパンクSF小説、哲学書などから影響!
そんな『マトリックス』の監督・脚本を手掛けたのは、ラリー&アンディ・ウォシャウスキー兄弟(今では、性転換しているので、ラナ&リリー・ウォシャウスキー姉妹)。
これはとても有名な話ですが、この姉妹は、多くの作品の影響を受けてこの映画を創り上げています。
まず、よく日本人の間で知られているのは、『攻殻機動隊』ですよね。
実際、二人は押井守監督の『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』を見せながら「こんなのを実写で作りたい」と製作会社にプレゼンしたことがあるといいます。
また、多くの設定やシーンにも通じるものがあります。
ちょうど最近4D上映で『攻殻機動隊』が上映されていたので、再見された方も多いかもしれませんが、確かに「あ、なんか似てるぞ!(笑)」と思うシーンが多いんですよね。
例えば、後頭部にプラグを挿す設定はそのままですし、銃撃戦のシーンでロビーの柱に隠れたり、柱が崩れたり、乱射しまくって弾丸が沢山落ちていくところも、似ています。また、オープニングで緑色の文字が流れていくシーンも攻殻っぽいです。
他にも、『AKIRA』や『ドラゴンボール』から影響を受けたとも言われています。特に『レヴォリューション』終盤は『ドラゴンボール』実写版ですよねwww
勿論、日本のアニメだけではなく、SF小説としての名作からも受け継いでいるものがあります。ウィリアム・ギブソンのサイバーパンクSF小説『ニューロマンサー』では、実際に「マトリックス」という電脳空間が登場し、また、聖域「ザイオン」で人工知能が自我を持っているという設定もあり、ベースはこの作品ではないかなと思います。
▼ハリウッド版『ゴースト・イン・ザ・シェル』のネタバレ考察コラムはこちら!
至るところにある?「マトリックス」とはどんな意味か?
「マトリックス」という単語といえば、ジャン・ボードリヤールというフランスの哲学者の著書である『シミュラークルとシミュレーション』の中に登場しています。「シミュレーション」という言葉が意味するように、仮想空間などをテーマにしています。
「シミュラークル」の意味は、非常に哲学的なのですが、分かりやすく言うと「現実を別の何かで置き換えたもの」という意味らしいですw
たしかに、それこそ「マトリックス」という仮想空間もそういう意味ですよね。
実際、ウォシャウスキー姉妹は、ジャン・ボードリヤールの大ファンらしく、出演者には事前に読んでおくように指示した本だとも言われています。課題図書がこれってむずすぎないかw
また、本来「matrix」という単語は、「子宮」を意味するラテン語が語源らしく、転じて「何かを生み出すもの」という意味らしいです。
数学では、行列式のことを指したり、コンピュータにおいては、座標変換の式のこと。
なにかを生みだしたり、変えたりするものといったイメージでしょうか。
作中では、モーフィアスが「マトリックスは全てだ。至る所にある」とか言い始めるので、最初かなり「?」状態なんですよねww
出典:マトリックス : 作品情報 – 映画.com
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人間は機械のエネルギーに?仮想現実をそんな風に使うとは!
さて、さりげなくネタバレしましたが、今作のなんといっても衝撃的な点は、
機械が人間を電池にしている!!!??
そして、人間に「仮想現実」を見せることでエネルギーにしている!!
という恐ろしすぎる設定です。
続編からは、この設定が分かっている上での物語なので、『ターミネーター』みたいな「人間VS機械」みたいな軸のアクション映画に近くなっていくのですが、やっぱり第1作は、この衝撃的展開が大好きです。多くの方も同じ感想だと思いますが、シリーズの中では、ピカイチに第1作目が一番面白いと思います。
キアヌ・リーヴス演じるトーマス・アンダーソンも、最初はしがない会社員からパニックに陥り、段々と「救世主」へスイッチが入っていくので、観ていて非常にリアリティと臨場感があります。
しかも、なんといっても、怖いのが、この映画は「現実にあり得るじゃないか」って点なんですよ。
脳みそは電気信号をつたって五感になっているわけですから、どこかで電気信号が送られているのかもしれない。カレー食べた時に「辛い」と感じるのは、何者かかプログラムか、その人の脳みそに「辛い」という信号を送っているだけなのかもしれません。
とか考えると、ゾクゾク、、、
※勿論、子供の頃はよくわけわからんので、アクションだけ見て感激しているのですが・w・
だがしかし!!
この話は、ただの映画の中の妄想でもないんですよね。
人間には、「顕在意識」と「潜在意識」があり、人の持つ意識のうち10%が顕在意識で、90%が潜在意識だとも言われています。まだまだ脳みそや潜在意識について分かっていないことも多いのです。
出典:マトリックス : 作品情報 – 映画.com
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「水槽の脳」がベース。実は結構リアリティがある…!
哲学の世界では、「水槽の中の脳」という仮説があります。
詳しくは、割愛しますが、「あなたが体験しているこの世界は、実は水槽に浮かんだ脳が見ている夢なのではないか」という仮説ですw
はぁぁ!!!?
って感じの仮説ですよねw
※哲学者ってすごいなほんと…
水槽の脳
↑参考(Wikipedia)
証明しろといっても証明できないですが、反証しろといってもできないのではないでしょうか。
むしろ映画『マトリックス』でも取り上げているように、幽霊や天使といったものは、この仮想空間に何らかのバグやエラーが起きたせいで生じているプログラムであるとか考えると、この世に存在する怪奇現象の謎も紐解けるわけです。
たまに特別な才能をもった人って生まれますよね。物理学者のアインシュタインや、数学者のラマヌジャンなんて、どう考えても普通の人がたどりつけないステージで神秘的に生れ落ちているとしか考えられません。前世の記憶があるという人や、数万人に一人の確率がかかる謎の病気とかも然り。
遺伝や環境で多くの人間形成は決まっていますが、明らかにその原則からズレて生れ落ちる存在があるのも周知の事実。むしろこれらの問題解決として、映画「マトリックス」や「水槽の脳」は現実味があるとも思えないでしょうか。
そして、実は映画『マトリックス』に登場するトーマス・アンダーソン(ネオ)こそ、ある意味でそういう「エラー」的な存在なわけです。ここは、続編にも繋がってくるのですが、1作目の時点では、「エラー」「不良品」という位置づけで全然OKですよね。
出典:マトリックス : 作品情報 – 映画.com
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ウィル・スミスは断っていた!?トレンチコートが印象的な衣装
キアヌ・リーヴスが演じるトーマス・アンダーソンは、メタ・コーテックスという、大手ソフトウェア会社に勤めていますが、実は天才ハッカー「ネオ」の顔も持っています。ハッカーって…結構わるいやつじゃないかって思うけど安心してください、ちゃんと良いキャラになっていきます…笑
冒頭、チンピラ?集団に極秘データみたいなものを渡していますが、そのシーンこそ「天才ハッカー」としての裏の顔ですよね。
キアヌ・リーヴスって、映画「スピード」など有名俳優になっていたものの、なかなか大ヒット映画に恵まれない頃だったといいます。しかし、このネオ役でアクション俳優として一気に有名になり、『マトリックス』シリーズの人気を不動にした立役者でもあります。
また、キアヌ・リーヴスといえば、『マトリックス』の黒いトレンチコートにサングラス!というイメージの方も多いかもしれませんねw
※ちなみに、衣装も特徴的で当時評判が良かったのですが、あのコートは、ウールに見えるようにプリントされた安価な合成繊維だったと言われていますw
しかし、実はこんな大ヒット映画の主人公、多くのハリウッド俳優が候補に挙がっていたらしいです。
中でも有名なのが、この役を断って後で「良い判断ではなかった」と後悔っぽい発言をしているウィル・スミスです。彼がネオ役をしていたら、どんな作品になったんだろうか。
人工知能と戦うという意味では『アイ,ロボット』と共通しているが、、、w
▼人工知能が人間を守る社会を創るとしたら?ネタバレ徹底考察!!
NEO=ONE、トーマス、モーフィアス、ザイオン、トリニティ、、
また、これも周知の事実ですが、ネオ(NEO)という言葉は、「救世主」を英語で意味する「The One」の「One」のアナグラムでもあります。確かに映画見ると、ネオのことを「the one」って呼んでいるシーンがあります。日本語字幕だと「救世主」なので、アナグラムなんて分かりっこないですが、海外の人はすぐに反応するんでしょうね。
この救世主という意味が示す通り、この映画シリーズでは結構宗教的なワードが多いです。プログラム系の単語が多いのでただでさえ見慣れない横文字が多いのですが、宗教的な少し難しい言葉も出てくるので、ちょっと難解、分かりづらいという印象のレビューが多いのも頷けますよね。
人類が生き残っている「ザイオン」も、「シオニズム(Zionism)」に由来していると言われ、一部の国では批判があったとか。
ついでに、トーマス・アンダーソンの「トーマス」は、キリストの復活を疑っていた使徒の一人と同じ名前。ネオも「君は救世主だ」と言われ最初は疑っていたものの、物語が進むにつれて確信していく工程があり、明らかに意図していると言えるでしょう。
出典:マトリックス : 作品情報 – 映画.com
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アンダーソンも、ギリシャ語の「andro(manの意味)」と「son」で、「神の子」という意味があるらしく、これもまたキリスト的価値観ですよね。
ついでについでに、他の主人公も説明すると、ヒロインであるトリニティ(キャリー=アン・モス)は、「三位一体」という意味です。これはもう映画冒頭から「トリニティ!」とか言っているので、分かる人はすぐに「え、三位一体!?!?って名前なん!??」という感じ間違いなし。
ローレンス・フィッシュバーン演じるモーフィアスは、ギリシャ神話に登場する「モルペウス」の英語読み。夢をつかさどる神様だといいます。
グロリア・フォスターが演じるオラクルも、「預言者」という意味。これは、まあ、字幕では、ネオたちも直接「預言者」と呼んでいることから、むしろ「オラクルって名前だったのかw」って感じかもしれませんがw
※データベースのオラクル社ではないですよ※
冒頭のコードには日本語が混じっている?その意外な理由とはw
さて、前置きが長くなりましたが、早速物語の振り返ってみます。
まずは冒頭。
早速小ネタですが、、、
モニターにはなぜか縦に流れおちるコードが表示されていますが、実はこの中には日本語のカタカナが混じっているといいます。
これは、日本では、プログラムは縦に書かれているという謎の噂が原因だと言われていますw 小説など日本語は一般的には縦書きであることから、混合しちゃったのか?!
縦に書くとか、ワードとかメールでもやったことないぞwww
※まぁ、中南米ではまだ日本人はちょんまげつけていると思っている人もいるって聞いたことあるから、だいぶマシか…(
日本語が混ざっているのは、前述した攻殻の影響もあると思いますが、他にもあります。
それは、視覚効果スーパーバイザーのサイモン・ホワイトリーが、妻の日本語料理本からスキャンした文字と数字を裏返しにしたものという衝撃的事実w
なるほど、日本語の料理本でマトリックスはつくられていたのか。。。w
「不思議の国のアリス」もテーマ?そして訪れるトラウマ…
そして、コンピュータの画面には、「起きろ、ネオ(Wake up, Neo.)」「マトリックスが見ている(The Matrix has you.)」「白ウサギについて行け(Follow the white rabbit.)」などなど。
この「白ウサギ」も第1作目では大事なテーマ要素になっています。
というのも、これは、「不思議の国のアリス」のアリスも白兎を追いかけて穴に入ってしまい、現実世界と違う体験をすることに由来していきます。
モーフィアスも、ネオと初対面した際に「『不思議の国のアリス』の気分だろう?」と言っているあたり、これは意図して監督がオマージュとして取り入れたといえるでしょう。
その後、トリニティと遭遇し、なにか現実世界に違和感を感じているネオ。
そんなある日、会社にエージェントたちがやってきてネオを確保してしまいます。
出典:マトリックス : 作品情報 – 映画.com
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この後のシーン、結構トラウマになった方も多いのかと思うのですが、なんとエージェントたちは、ネオの口をふさぐと同時に、体の中に寄生虫のようなものを埋め込みます。
口が開かない、そして腕を固定された状態で、へそのなかに虫がぁあー!!!!!!!
うおおおおおお;;
想像するだけではき気がするww
後にベッドから目覚めて、夢だったのかと一安心。いやぁ、ワイも安心安心。
しかし!!
後にトリニティが寄生虫を取り除くシーンがあり、「これはリアルだったのかよ!」とネオが嘆く。
ワイもや!!!ww(失神)
寄生虫にはどんな意味が?エージェント・スミスの正体は?
なんでエージェントたちがあんなことをしたのか?そしてなんでエージェントたちはネオをみすみす逃がしたのか?というと、あれは探知機だったんですよね。
モーフィアスたちがネオを探していることにエージェントたちは気付いており、エージェントたちからすれば、不良品が目覚める「チャンス」です。このチャンスを利用して、モーフィアスたちが現実世界でネオを救出してくれるので、そのままザイオンに行ってくれれば、ザイオンの居場所が分かるぞ、っていう話なわけです。
スミスからすれば、ネオこそ「白うさぎ」みたいなもんですね。
作中の世界観を借りるなら、エージェント・スミス(ヒューゴ・ウィーヴィング)は、言ってしまえば「アンチウィルス・プログラム」なので、こういったバグを追跡し、最終的にバグの集まりであるザイオンを突き止めるという風にプログラムされています。なので、「ネオの捕獲=ザイオンを突き止めるチャンス」という思考回路(電気回路?w)になるわけですよね。
出典:マトリックス : 作品情報 – 映画.com
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そんなトラウマ現象ばかりに追われる可哀そうなネオですが、モーフィアスとご対面した際に衝撃的な事実を知らされます。
それは、「あなたが生きているこの世界は、コンピュータによって作られた仮想現実だ」というびっくり仰天なお言葉。最初はまったく信じずに動揺するネオですが、このままで良いか、それとも本当の世界に行くか、みたいな問いをされて、ネオは後者を選びます。
※モーフィアス、悪役っぽい雰囲気出してるから、最初どっちかよくわからないですよねw
▶続編のネタバレ徹底考察を見たい方はこちらから総復習!
赤のピルの意味は?人間培養槽のシーンがシリーズ1番で衝撃的w
これこそ、有名な「赤と青のピル」を選択するシーン。
「選択」も『マトリックス』シリーズでは重要なキーワード。
※特に3部作ラストでは「選択」により大きく命運がわかれます
ネオがあのピルを選んだ時点で「救世主に違いない」と、モーフィアスたちは信じ始めるのです。
※「信じる」も割と大事なキーワード…(多いわ
ちなみに、あのピルは飲んでなんか意味あるの?って話ですが、
赤いピルは、現実世界の居場所を特定するプログラムだったと想定できます。
なぜなら、培養槽のようなカプセルの中で目覚めたネオをすぐに見つけた機械に対し、これまたすぐに場所を特定したのはモーフィアスたちだからです。
彼らは、赤いピルのおかげで、どの用水路からネオが流れ落ちてくるかを知ることができた。そう考えると、あれは追跡プログラムとして利用していたということですよね。
それにしても、あの培養槽から目覚め、あたり一体すべてカプセルまみれのシーンも、トラウマ展開すぎますw
うげぇええ。。。
今見ても色あせないCG技術だなと思います。地上が見えないほどに高層建築物の中に無造作に並んだ人間培養槽。どのカプセルの人間たちも無数のチューブに繋がれたまま目覚めることはなく、死ぬまで仮想現実を見ているのです。機械様のために。そして、時々、その建築物の中で電気のようなものが迸っている。これは明らかになにかのエネルギー源にされているという証拠です。
個人的に、『マトリックス』シリーズで一番の見どころはココですww
怖すぎるやろ!!!!!!!!!!!!
出典:マトリックス – 作品 – Yahoo!映画
WarnerBros./Photofest/MediaVastJapan
人類はどうしてこんな目に?ザイオンとは何なのか?
1作目ではあまり登場しないですが、ここでさっくりセンチネル君が登場。
目が左右非対称に複数点在し、タコのように多くの手で物色していくスタイルは、機械のようでなにか得体のしれない怪物のような感じです。ちょっと昆虫っぽい感じがするのも良いデザインですよね。
さて、この後、モーフィアスによる「ゆっくり解説」がされるのですが、どうして、人間たちはこんな目にあっているのか?
そもそも、現実世界は、2199年という設定(続編公開の「救世主」によるある事実により、この設定すらモーフィアスの幻想ではないかという議論の余地はありますが)。
そして、随分前に、人類はコンピュータの反乱によってほぼ滅亡状態になっています。
この辺は『アニマトリックス』というオムニバスアニメーションで詳しく描かれているようですが、人間たちは、機械たちと全面戦争に入った際、当時機械が太陽光をエネルギー源にしていたことから、太陽光を遮ることで彼らの動力源を切る作戦を実行。しかし、皮肉にも、それにより、機械たちは、人間をエネルギー源とする方法を生み出したのです。
ひえーなんてこった、結局人間たちの自業自得で滅んでしまったのか。。。
しかし、そんな未来でも生き残っている人類がおり、彼らは「ザイオン」と呼ばれる場所に集まっています。機械側は、その場所を特定するのに暗証コードがいるので、どうにも突き止められないという状態が続いています。(これも続編で別の意味がありますがw)
ネオを救ったモーフィアスたちも、現実世界で生き残っている人類。
マトリックスに侵入しては、救世主みたいな存在を取り除こうとしたり、マトリックスの破壊を考える彼らは、機械側からすれば「ウィルス」です。これはエージェント・スミスも終盤でモーフィアスに告げており、「他の哺乳類たちは、バランスを保とうとするのに、君たちは崩そうとする」「ウィルスに似ている」みたいな発言をしていますよね。
つまり、コンピュータ・ウィルス(モーフィアス・ネオ・トリニティ)とそのウィルス駆除プログラム(エージェント・スミス)による戦いが、マトリックスという仮想空間での出来事になるわけです。
出典:マトリックス : 作品情報 – 映画.com
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預言者オラクルに会うものの…救世主じゃないのかよぉお!!
ネオを救世主だと信じているモーフィアスにより、柔術などをプログラムとして教わったネオは、マトリックスの中にいる預言者「オラクル」に会いに行き、自分が救世主かどうかを訊ねます。
ここでは、違うと言われ、少し落胆するネオ。
「モーフィアスの命か、自分の命か」という選択を迫られる時が来るともいわれ、なんとも怪しい期限フラグたっぷりのままその場を後にします。
さて、このオラクルのお告げも何気に好きなシーンです。
というのも、初見では「ここでネオが救世主って言われるんだな!?」って身構えて見ているわけですが、なんかパッとしない回答のわけですよw
あれれ!?違うのかよ!?
ってなりますよね。
預言者とまで言っちゃっているのですから、彼女が違うといえば、それは違うということなのか。。。と、見ているこちらまで落胆w
『ターミネーター』のジョン・コナー的存在なんじゃないのか?
とこちらとしては見ているので、ここで一つ裏切られるんですよね。
出典:ターミネーター2 – 作品 – Yahoo!映画
TriStar/Photofest/MediaVastJapan
そうそう、『マトリックス』第1作の良い点は、この「裏切り」展開が非常にうまく埋め込まれている点だと思います。
前述した「人間がエネルギー源でした」「仮想空間でした」も勿論、この預言者での反応も然り。そして、この後に訪れるサイファーの背徳行為も見ものです。
あっという間に世界観に引きずり込まれたと思ったら、思うようにいかないことが立て続けに起きて、良い意味で裏切り続けられる。しかも、その裏切りは結構意外な点にあるので、一つの映画として非常に楽しめるんですよね。
サイファー=世界の構造に疲れ切った人間の象徴
サイファー、個人的には大きな魅力を放つキャラクターです。
というのも、彼は「この世界の構造に疲れ切ってしまった」人物の代表になっているんです。
彼がいるおかげで、どれだけ現実空間も生きるのが大変なのかが分かります。
工作船「ネブカドネザル号」のメンバーである彼は、「青いピル飲んでいたらな、、」みたいな発言もしており、マトリックス世界で何も知らぬまま生きていたかったのです。
彼の気持ちも分かるんですよね~www
ネオは進んでこの世界に来たものの、どこかで「知らないままの方が幸せだった」とも思えますよね。人類が培養として扱われているなんて事実知らなくても、マトリックス世界で楽しく生きることができればそれでイイじゃないかとも思える。
だって、知ったところで、絶望の世界で、常に機械との戦争状態。
救世主がいるかもと何度も疑っては、失敗し、、、もう生きる意味なんてないじゃないか!
そんな風に思ったサイファーは、エージェント・スミスと交渉します。
それは、ザイオンへのアクセスコードを持っているであろうモーフィアスを売り渡すことで、自分はマトリックス世界に戻るという取引です。
出典:マトリックス : 作品情報 – 映画.com
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マトリックス世界に戻れば、現実世界にいた記憶も無くしてくれるようなので、サイファーからしたら万々歳、幸福な人生に戻れるわけです。戻れる、というか、過去の本当の記憶がなくなるので、生まれ変わるという定義になるのですがw
実際問題、このような仮想現実がもし誕生したら、こういった懸念も生まれると思うんですよね。なかなかに倫理学的な観点からも攻めてくるこの映画、にくいですね~W
悲劇!速攻で死んでいく「ネブカドネザル号」のメンバー!
こいつのおかげで、物語は飽きない展開になります。
というのも、「ネブカドネザル号」のメンバーのプラグが、サイファーによって次々とぶち抜かれていくからです。現実世界とマトリックス世界では、心と肉体には一体なので、現実世界で死んでしまえば、マトリックス世界でも死亡。対抗しようもなく、あまりにも残酷な殺し方です><
ネオのプラグも引き抜かれる、、、
という寸でのところで、なんとか生きていたタンクがサイファーをぶち殺す!!
ネオたちは危機一髪を乗り越え、モーフィアスを救出しに行きます。
このヘリコプター使って救出するシーンもなかなか凄いw
※あんだけ撃ち込んでいたら、モーフィアスに一発くらい当たってそうだがwww
ところで、現実世界へ戻るときに使われる、旧式のダイヤル電話で呼ぶという設定もなかなかイケてますよね。旧式のアナログ回線なのは、エージェントに盗聴されないため、という理由なのですが、あの電話の音が特徴的なので、作中で鳴るたびに「はよ戻らんと!!」みたいな焦燥感に駆り立てられます。音による演出も凝ってますよね。
必殺兵器EMP!機械を倒すために必要なのも機械という皮肉
オペレーターのタンクも、結構すごい仕事していますよねw
その頃、オペレーター側の現実世界では、工作船が見つかってしまったため、センチネルたちが向かってきています。ここで、EMPという電磁パルスを使えば奴らを機能停止に持っていけるのですが、使ってしまえばネオがマトリックスから抜け出せなくなるので、「使うのかどうする!?」というせめぎあいが生じます。
これもまた、マトリックス世界観でうまく作られている点だなと思えるゆえんです。
電流をエネルギーとして利用している機械ですが、その機械を倒すためにも、電流を使ってしまっている。なので、敵を倒そうという時にこそ、主人公と引き換えになってしまうのかと困惑してしまうという展開は、かなり緊迫感が増して最高なクライマックスになるわけですよね。
いやはや、さすがすぎる!!
そして、マトリックス世界では、ヘリコプターから降りたネオと、エージェント・スミスとが屋上で戦闘するシーンに。
出典:マトリックス : 作品情報 – 映画.com
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マトリックスといえばこのポーズ!バレットタイムは映像革命だった!
そう、お待たせしました!!
これは、なんとも有名になりすぎた、上半身を反らせて飛んでくる銃弾を交わすという、あの伝説的ポーズのお出まし!!!
当時、このリンボーダンスみたいなのが、マトリックスを知らない人にまで普及するという流行り具合でしたよね。子供たちなんかもあのエビぞりポーズで「マトリックス!」なんていうくらいに人気w
これは、「バレットタイム」と呼ばれる撮影技法に挑戦したことが起因しています。被写体はスローモーションで動くのですが、その周囲をカメラが高速で移動することで、このような映像をつくりだすことができます。当時最先端のVFX技術と相まって、この技法は後世の映画業界に大きな影響を与えることになります。ある意味で、映像革命ですよね。
撮影という意味では、「マトリックス」では、ほかにも大事な要素があります。
それは、香港風のカンフーアクション。
VFXとカンフーの組み合わせによるこのアクション劇も、大きな人気を呼んだ一つの要因です。香港カンフーアクションの巨匠ユエン・ウーピンが監修して武術指導をしているのみならず、ブルース・リーやジェット・リーまで参考にしているといいます。しかも、数か月間キアヌ・リーヴスも特訓したとのことで、どうりで動きがホンモノ級にすごいわけです。
出典:マトリックス – 作品 – Yahoo!映画
WarnerBros./Photofest/MediaVastJapan
カンフーアクション…しかしなぜネオはキックしないのか?
特に最初モーフィアスとプログラム上でやりあうところも、激しいカンフーアクションですし、エージェント・スミスたちをさばいて(笑)いくようなシーンもかなり見もの。ワイヤーアクションもありますが、まさにネオたちが超人になったかのような動きには目を見張るものがありました。
ちなみに、カンフーアクションとはいえ、ネオがキックをしない理由があるといいます。
それは、この撮影期間中、キアヌ・リーヴスは怪我により首の手術をした後で、まだ回復期間中だったというのです。。ってか、逆によくそんな状態であんなに頑張れるな…とも思ってしまいますが、ここはさすがハリウッド俳優!w
出典:マトリックス : 作品情報 – 映画.com
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トリニティも、側転しながら銃をぶっ放すというアクロバティックな芸当を見せていますが、これもスゴイw
ってか、そこで側転する意味あるのか?とか、ちょっとツッコミたくなってしまいますが、もはやあれはアートなのでOKっす!!www(
そんなこんなで、筋書きのみならず、視覚効果もすごかった本作は、2000年のアカデミー賞では、編集賞、音響賞、音響効果編集賞、視覚効果賞と、ノミネートされたすべての部門で受賞!!!!
やばすぎっるw!!!
さて、激しい戦闘の末、モーフィアスを救い、ネオも帰るぞ!!
というところで、、、
スミス最強!最後の最後で撃ち抜かれたネオ!!
最後の最後で、
なんとネオは、部屋に待ち構えていたエージェント・スミスに撃たれてしまいます!!
NOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!!!
生きてるんやないのか!?
と思いつつ、完全に撃ち抜かれている模様。
始末できたと結論づけたエージェント・スミスたちは、廊下へ過ぎ去っていく。。。
終わりなのか!?
と思いきや、トリニティからのキスで目覚めるネオ!!
出典:マトリックス : 作品情報 – 映画.com
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まさに「救世主」となって、エージェント・スミスたちへ究極攻撃を開始!
何か知らんが、エージェントの体に入り込んだと思ったら爆発させるという攻撃をかまして、全員死亡!!!
なぜキスで目覚めたのか、詳しい言及はされていませんが、ネオはトリニティの愛によって導かれた救世主なので、そこになにか特別なプログラムが施されていた、ということなのでしょう。
※オラクルさんに続編で聞いてみよう!
エンドロールの曲名は「wake up」…この曲自体がマトリックス!
なんとか現実世界に戻った彼らを見て、映画は閉幕。
この時点で、続編は意識していたんでしょうね。
オラクルも、ザイオンも、なんだかちょっと取り残された伏線があった気がしますからね。。
そして、エンドロールでは、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの『wake up』。
そう、「wake up」とは、冒頭でネオの家のモニターに表示されていた言葉でもありますし、この物語全体が「起きろ!」というテーマでもあることを意味しているのでしょう。
ちなみに、ウォシャウスキー姉妹は、この曲を聴きながら、ほとんどの脚本を書き上げたらしいですw 完全にマトリックス世界に染まりたかったんでしょうか。。。笑
ということで、マトリックスの考察は以上になりますが、
なんといっても第1作目の「ここも”現実世界”じゃないのかも」というメッセージが痛烈な作品でした。
実際、科学の研究分野でさえ、まだまだ分からないことは多いこの世界。
宇宙の謎や量子論、オーパーツやUFOの類など、きりがないほど出てきます。
これらがすべて「バグ」や「ウィルス」と考えた場合、
とても極論ですが、すべて辻褄があってしまいます。
「マトリックス」の本当の怖さはここにあるのでは。
今日最近もそんなことを思う日々ですw
続きの『リローテッド』と『レボリューション』はまとめて別途、考察コラムとしたいと思います!
12月公開の『レザレクションズ』も楽しみですね!!!
それではまた!!
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