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【銀河英雄伝説】戦艦から読み解く、両国の国内情勢

SFコラム
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Japan Sci-Fi プラネタリ TA-KA より

ネタバレあり
今回は、現在NHKで放映されている「銀河英雄伝説 Die Neue These」で登場する戦艦から、両国の国内情勢を読み解く。君主制と民主制の徹底比較や第1世代~第3世代を見てわかる国内情勢という切り口から考察。 いざ、SFの世界へ…!!

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両国の戦艦から双方の国内情勢を考察 (TA-KA)

こんにちは。コラムを投稿させて頂きますTA-KAです。よろしくお願いします。

さて、今回は現在NHKで放映されている「銀河英雄伝説 Die Neue These」で登場する戦艦から、両国の国内情勢を読み解きたいと思います。

え?なんで戦艦から国内情勢が解るの?
となるかもしれませんが、銀河帝国自由惑星同盟の戦艦形状が大きく異なる事は皆さんもお気付きだと思いますが、ではそれは何故でしょう。

兵器開発や一般的な製品開発において鑑みる必要がある重要な要素が幾つかあるのですが、今回は大きく二つのポイントに絞り考察していきたいと思います。

考察ポイント

まず一つ目の重要なポイントが「重視ポイント」です。
兵器は求められる作戦行動により重視ポイントも変化してゆき、多くの場合は性能人命保護(ユーザビリティも含む)、コストなどが重要視される傾向にあるかと考えられます。
しかし、これら重視ポイントはその達成目標の高さ故に、高い技術力が求められる領域であり、その為、研究開発能力の水準が現れる要素でもあります。

例えば、近代であれば近年台頭してきているイージス艦を見てみると、その装備の違いで各国の思惑の違いが見て取れ、その国の技術水準を伺う事ができ、またイージス艦を持てない国々はコストも含め、その技術を持ち得ていない事が伺えます。

このように最新鋭艦からその国の研究開発能力とおおよその国力が伺え、独自の物なのか発展型なのか、調達型なのかでその国の考え方が顕在化し、独自開発が多い場合、広く知恵を活かすオープンイノベーション型の社会システムを構築している事を察する事が出来ます。

また、もう一つの重要な要素として「政治思想」が挙げられます。
この政治思想がモノ造りのプロセスを大きく左右し、トップダウンなのか、オープンイノベーションなのかで結果が異なってきます。

これは「物事を決める権利を誰が持っているか」という事で、銀河帝国の場合は「君主制」、自由惑星同盟は「民主制」ですので、銀河帝国は「君主」、自由惑星同盟は「国民」が物事を決める権利を持っている事となります。

従って、専制君主制の銀河帝国の場合、縦割りのトップダウンで物事が決まってゆき、横の連携はほぼ無いに等しいと推測されます。

また民主制の自由惑星同盟は国民に決める権利がある為、良好な社会情勢であればオープンな議論が交わされ、豊かなイノベーションを育む事が出来る可能性があります。

では、実際に双方の戦艦にそれらは反映されているのか見てみると、答えは真逆です

トップダウンと思われる銀河帝国の方が、流体金属を使うなどイノベーティブで、形状も既存の常識から逸脱しており、
オープンイノベーションだと思われた、自由惑星同盟の方が、その質素でシステマチックな船体から、閉鎖的な印象を受けます。

では、なぜこのように真逆の結果が現れているのか、これらを紐解くと、その結果に至った過程から、その国の内情が垣間見え、戦争の大局を見出す事が出来ます。

それらを紐解く鍵が、先の二つのポイントであり、「高度な技術」を「どのように扱うか」で、モノ造りの方向性が変化してゆきます。

両国の技術進化を紐解く

まず第一に第一世代艦から、双方の考え方を紐解いてゆきます。

第一世代の戦艦は、双方ともに「質素」だった

両国の第一世代と言われる戦艦は、長方形の箱型をし、唯一後部のスラスターと船体に塗装された色で判別できる程度の違いであり、
これらから伺えるのは、両国共に兵器としての「性能」と量産性の「コスト」を重視している事が伺えます。

帝国軍からすれば、戦争に行くのは民衆であり、必要最低限の性能であれば良く、自由惑星同盟軍であってもそれは同じで、唯一違う点は「国民を考えた設計」が考慮され、メンテナンス性に優れたユニット工法を採用している点です。

第二世代以降で現れた違い

第二世代になると、帝国軍艦艇のデザインに大きな変化が見られ、複雑な凹凸を持った船体形状とスラントノーズを持つ戦艦が建造され、流体金属を船体に採用するなど、技術イノベーションの進化の激しさが伺えます。
ところが、自由惑星同盟では第一世代のコンセプトを踏襲し、それは終戦まで続く事となります。

ではなぜ、この第二世代でこのような差が生まれたのか、それが先に述べた「高度な技術」を「どのように扱うか」が深く関わってきます。

この当時の大きな技術イノベーション、それは イゼルローン要塞です。

流体金属を持つこの人工惑星は、帝国領土を守ると共に、トールハンマーと言われる巨砲で侵攻する敵艦隊を殲滅する巨大な軍事拠点であり、自由惑星同盟に先んじて帝国軍がそれを開発し運用してきた事に、双方の政治体制の違いが深く関わっていると思われます。

イゼルローン要塞はその巨大さ故に、投じられる費用は国家予算を逼迫するほどの巨額の費用が必要であり、その巨費の可否を決めるのが、

帝国軍は「君主」であり、自由惑星同盟は「国民」です。

その為、答えは明白で、いかに軍事戦略上の要所であってランニングコストを抑える見込みがあったとして、自由惑星同盟では国民の賛成を得る事は困難であり、現政権の崩壊を招く恐れがあるこの事案は、否決されたか先送りされたと考えられますが、
君主が決める事が出来る銀河帝国では、貴族達にそれなりの保証と利権を与える事で、建造は可能であったと推測されます。

余談ですが、多分その利権の一つが、ガイエスブルク要塞や、レンテンベルク要塞等の軍事要塞を自治領主単独で所有する事が許された事だと考えられます。

このように、イゼルローン要塞を実現した銀河帝国軍は、要塞技術と液体金属を手に入れ、それらを開発した技術科学本部では、その応用技術も加速化させ、液体金属を戦艦に転用したと推察され、その際に課題となったコスト抑制の対策として、既存の造船技術の見直しを行い、あの凹凸のある形状が生まれてきたと考えられます。

それが未来の造船技術である3Dプリント製法とジェネレーティブデザインであり、
この時代の造船技術や、宇宙空間でのモノ作りは、現在のモールド製法から、3Dプリント製法へと進化し、無重力を活かした様々な角度からアプローチできる3Dプリント技術が確立されていったと考えられ、
それに伴い、設計は人ではなくAIが行うジェネレーティブデザインが支流となり、必要な要件を満たした最適な構造体を得る事が可能となり、その形状は自然界の形状に近く、箱型などのジオメトリックスな形状とは異なり、複雑な造形が生成されてゆきます。

このジェネレーティブデザインが第二世代の帝国軍艦艇の形状の基礎となり、複雑で凹凸のある形状の戦艦が生まれたと推察されます。

しかし、この造船技術は自由惑星同盟であっても同じようなテクノロジーを使用しているはずですが、彼らはそのテクノロジーを応用する事は最後まで無かった事になります。

それはなぜか、これも先の政治体制に関係をしてくるのですが、やはり大幅なコストアップにつながる技術の導入には国民の賛成を得る事は困難であったと考えられ、その為、彼らは数万隻の艦艇の建造、修復には共通の部材を使用し、建造コストと修復コスト、在庫コストを抑える施策を講じていた為、ユニット構造を主体としたシンプルな戦艦形状が採用され続けたと推察されます。

このように、自由でありながら不自由な選択をするしか無かったのが自由惑星同盟であり、その様な体制に陥ったのも、そもそも技術イノベーションを誘発し、銀河帝国を打倒する事の意味を理解している人間が殆んどいなかったからではないかと考えられます。

第三世代で更なる進化を遂げる帝国軍

帝国軍の第三世代になると、流麗で華麗なブリュンヒルトや、バルバロッサが登場し、流体金属も全面に使用され、個性あふれる船体が権威と抑止力を兼ね備えてゆきます。

しかし、その様なオーダーメイドの艦艇を建造し財政は大丈夫なのかと気になりますが、多分彼らは在庫を持つ事を止めたのではないかと考えます。例えば数万隻の30%の在庫を抱える事は、戦う事の無い+30%の艦艇がいる事と同じで、管理コストを含めると、その場で建造し、その船体は贅肉を極限まで絞ったコストを抑えた造船方法が採用され、その方が得策だと彼らは判断したはずです。

このように銀河帝国ではトップダウンの縦割りでありながら、それぞれの部門がプロフェッショナリズムを発揮し、その仕事に邁進していた事が推察されます。

まとめ ~戦艦から読み解く、両国の国内情勢~

・銀河帝国は、君主による圧制は見受けられるが、新しい技術を貪欲に導入し、また民衆もその先鋭化されたプロフェッショナリズムと君主の判断力が優れている国家なのではないかと推察されます。

・自由惑星同盟は、国民の権利を守るために、システマチックに進化したあらゆるインフラが停滞を招き、あるべき姿を見失った国家なのではないかと考えられます。

今回は、少し長めでしたが、両国の戦艦から彼らの守っている国家の姿を感じて頂けたら、銀河英雄伝説の物語に少し色取りが加えられるかもしれませんね。

ありがとうございました。

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コメント

  1. Sazabi888 より:

    こんな考え方があったんですね・・・
    確かに帝国デザインの先鋭さと、同盟軍の保守的なデザインは
    明確な違いがありますよね

    新作旧作、両方でもうなずける考察です!

  2. TA-KA より:

    毎度、コメントありがとうございます!
    文面が少々、早足でしたがお楽しみ頂けたのでしたら幸いです。

    銀英伝は新旧共に、深読みが出来るのが面白いですよね。

    ありがとうございました!

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