政治や外交、あらゆる切り口から超大人世界に迫った傑作SF怪獣映画「シン・ゴジラ」。オリジナルゴジラの「原爆の教訓」を受け継ぎ、「災害の教訓」にある――!? SFやゴジラ、映画好きな方、コメント等お待ちしております!! いざ、SFの世界へ…!!
シン・ゴジラのネタバレ感想・考察・徹底解説 (Ryo)
シン・ゴジラのあらすじ
さて、本日のコラムは!!
2016年公開の日本映画「シン・ゴジラ」です。
この作品、かなりの方がご存じではないでしょうか?
一時、かなり話題になりましたよね!!
ゴジラファンなら当然、それ以外の幅広い年代層に受ける要素が盛り込まれている怪獣パニック映画です。特に前作までの作品を知らなくても楽しめる作品で、むしろまったく世界観が刷新されているゴジラ映画ですね。よく考えたなと思いました~!!
総監督・脚本は庵野秀明は、『トップをねらえ!』『エヴァンゲリヲン』でも監督を務めた庵野秀明氏で、監督・特技監督は『日本沈没』『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』等で有名な樋口真嗣氏です。
渡辺謙出演のハリウッド版ゴジラなど色々と話題を呼びましたが、日本が製作するものとしては実に12年ぶりで、ファンからの期待の眼差しが強い、非常にハードルの高い作品であったに違いありません。その目線もあったのか、政治家にまで話を伺って製作されているようです。キャスト陣もわき役から主役まで実に超豪華な顔ぶれで出来上がっています。
突如、東京湾で現れた巨大不明生物ゴジラ。日本国政府や各国家機関が大規模災害を予測して様々な対応を模索するSF映画です。会議と戦闘を巧みに切り替えて惜しみなく「恐怖」を伝えてくれます。従来のゴジラよりスペックもかなり高く、その強さはまさに「神」と形容されるほどの生態系でしょう。日本が国を賭けて戦いを挑む本作のみどころに迫ります。
見どころは、
①政治や外交を含めた超大人世界のゴジラ
②本作オリジナルの「シン」ゴジラとは!?
③日本はどういう国なのかがわかる…?!
の3点にしようと思います。
政治や外交を含めた超大人世界のゴジラ
この映画の一番の魅力はここでしょう。
というのも、製作陣はプロットの時点でかなり苦労されたのではないでしょうか。
リメイク作品のようではきっと受けは弱いでしょうし、かといって[怪獣VS怪獣]ではなにか焼き直しのような脚本構成になってしまう。いっそアメリカ映画のように、一般的なゴジラとは違う生物にしてもいいが、日本を捨ててハリウッドをぱくったとも言われかねない・・・。
ともかく、期待値が高い分、非常にハードルの高い作品であったに違いません。
そこで、この作品は[日本VSゴジラ]という構造に揺り戻す「ついで」に、日本が総力を挙げたらどんな国になるのかを描くことにスポットを当てたように思えます。ここが非常に秀逸な描き方だなと思います。単に自衛隊や国の軍事機関がゴジラと戦い、そして主人公が愛する家族と地球の為に戦うというSF王道パターンに走るのでもなく、はたまた新たな第三者が現れてゴジラと戦ってくれるわけでもない、まったく新しい路線に振り切ったわけです。
しかも、これ、かなりリアルに描かれているので大満足になってしまいます笑
特に物語前半は、政治的決定の弱さを露呈するコメディシーンのオンパレードです笑笑
いいのかわるいのか、ハリウッド映画にはできない映画要素を魅せています。
かつて、日本映画でここまで日本政府をコミカルにそしてシニカルに描いた作品があったでしょうか笑
思わず笑ってしまうような大人の政治の世界が、まぎれもなくこの作品の魅力なのです。
ただ、ただ笑えるだけでなく、現実味をもって非常によく作り込まれているのが大前提です。
撮影協力に政治家の名前があることからも、かなり念入りに「舞台背景」を創り込んだに違いありません。役職、組織体系や指揮系統、米国や安保理への対応、それぞれの利害関係、政治的決定の脆さ、などなどとにかく日本の国民性がよく描かれています。
アメリカ人やほかの国の人が見たら、もしかしたら日本人とは違った感想かもしれません。それくらい日本人にとっては冷ややかに笑ってしまうツボなシーン連発なのです。
特に、ボクはアメリカとの関係性がツボでした。
米国の言うことならなんでも従う、米国の決断が最優先、といったシーンが多く、これはまさに今の日本をリアルに描いていると思いました。
このセリフは、米国政府高官より石原さとみ演じるカヨコ・アン・パタースンに発せられますが、これがまた面白いですよね。思わずニヤリと笑ってしまいました。日本が諸外国からどう見られているのかが一発で分かる言葉でありながら、逆にそれが変わるにはこのくらいの危機が必要なのかと思わせるメッセージが込められています。まるで、第二次世界大戦で核兵器を撃たれないと目が覚めなかった日本を、揶揄しているようにも聞こえます。
また、アメリカ人が「人類の叡智の炎を使うしか救いの道は無い …」というシーンがあります。これは核兵器使用のことを言及していますが、「待ってくれ、それはないだろう」の一言くらいあってもいいはずが、まったく無抵抗です笑
安保理に委ねられているとはいえ、総理大臣が感情的に「東京を核爆発させるのか!?待てよ!!」となってもおかしくないと思いますが、彼らはまったくアメリカ人に対して異議を申し立てる素振りすらみせません笑
これが大人の世界だ、といえばそれまでですが、現実になっても政治家たちはおとなしく受け入れるのでしょうか。面白いところです。
他にも小さな「日本らしさ」を仕込んでいるのが極めて巧みです。
官僚?なのか、必ず素早くメモ出しする人がいたり、国民に発表する際に総理が原稿を作ってくれといったり。日本らしい「責任者像」を表しています。
また、「前例がないことだ」「想定外だ」「マニュアルがないんだ」とやらでまったく動きが遅いこの政府の対応もリアルですよね。必死にフォルダの紙をめくりまくっていますが、前例らしいものを見つけたところでどうするのでしょうか笑
というか、なんでまだ紙なんだ!と思ってしまうでしょう。ハリウッド映画では巧みにコンピューターを使って格好良く効率良く調べているところを・・・。
ツッコミどころ満載なこの「共感ポイント」がおそらく日本国民全員を画面から離しません。
この切り口からゴジラを攻めるなんて、ほんとうにこの監督すごすぎる!!!!
指揮系統もまたツッコミどころあって良いんですよね~笑
「それどこの役所に言ったんですか?」とか・・・笑
また、ゴジラに攻撃しようとするときに総理の許可がいちいち必要になるシーンも、この国の意思決定の遅さを見事に演出しています。
途中、民間人(おじいちゃんとおばあちゃん)が2人見つかったところで「攻撃中止!」というシーンがあります。総理は悪者になりたくないので中止命令を出しますが、さて、アメリカ映画でこんなシーンはあるのでしょうか。アメリカでは現実でもこんなことが起こりうるのでしょうか。面白い考察ポイントを示してくれます笑
インディペンデンス・デイなどこれまで観てきたアメリカのSF作品は、いずれも大統領は格好良くて決断も早い印象です。映画にこの国民性をうまく出したのは、なんとも素晴らしい着眼点だなと思います。ここで日本の総理大臣が、「前例のない」有事なのにばかすか命令を出していたらおそらく不自然極まりないので、敢えてこういったスピード感のない「皮肉」に映る対応を描いているのは非常にリアリティがあって好きです。
本作オリジナルの「シン」ゴジラとは!?
S.H.モンスターアーツ シン・ゴジラ ゴジラ (2016) 約180mm PVC製 塗装済み可動フィギュア
さて、皆様大好きなゴジラですが、本作オリジナルな点に驚いた方は多いかと思います。
この「シン」には「新」「真」「神」など様々な意味が込められているようですが、たしかにどれをとっても従来のゴジラとは違うのでゴジラファンも飽きない展開になっています。
そもそも、第一形態から進化していくゴジラにびっくりした方は多いのではないでしょうか。子供のころからゴジラといえば恐竜のような姿であり、そして従来作品でもずっとそうだったと思います。
※這って進む第二形態のゴジラ(通称:蒲田くん)、なんか目がくりくりしていてかわいいなと思うのはボクだけでしょうか…あのまま進化しなければ、巨大な動物園でもつくって飼育したら結構人気でそうです笑
シン・ゴジラ 第2形態 メガジャンボぬいぐるみ (プライズ)
そして!!なんといってもそのスペックじゃないでしょうか。
なんと!!!!
口からレーザー光線!!!
超激造シリーズ シン・ゴジラ覚醒Ver. 完成品フィギュア(プレミアムバンダイ、マルピー商店限定)
背びれから同時発射のレーザー光線!!!
強すぎる!!!
増殖もできる!!?!
ええ!?完全すぎる!!!
しかも・・・
尻尾からもレーザー!やべええぇえええええ(発狂)
そして・・・
ラストシーンでは、
なぜか人の形をした無数の生命体が分裂!!!
これは・・・ゴジラの次なる形態なのかぁ!?!?
とまぁ、おそらくかなり興奮しますよね。
さて、このオリジナルのゴジラはどのような設定なのでしょうか。
作中で述べられているのは、東京湾海底に生存していた古代生物が、不法廃棄された放射性廃棄物(核物質)を捕食して進化したのがゴジラだ、とのことです。
設定では、第8形態まであるとかないとか・・・。
いずれにせよ、このハイスペックゴジラを映画として観れるのは非常にうれしいですよね。
凝固剤をつかったゴジラの倒し方は、これまた東日本大震災のオマージュのようにも思えますし、いろいろと賛否はわかれるようですが、ラストシーンに「謎の人型の生命体が現れる」を残すことによって、視聴者に判断をゆだねるあたり非常に良かったなぁと個人的には思っています。
また、安保理決議による核兵器攻撃のカウントダウンからなんとかしようとするところは、なかなか面白いバトルだなぁと思い、この辺は大好きですね。葛藤が日本映画らしくない規模です。
日本がどういう国なのかがわかる…?!
よく言われているのが、この映画は「東日本大震災」と重ねたのではないか、という話です。
初代ゴジラが原爆から生まれたゆえに「戦争の教訓」を物語っていたメッセージを受け継いだのか、本作では放射能で乱れる「災害の教訓」を物語っています。
そもそも放射能汚染による災害パニックは、東日本大震災と舞台が酷似しており、また、日本政府がもたもた決断を渋っている間に避難が遅れて被害が拡大するなんて展開もそっくりです。
この「前例のないパニック」に対して政府がどう対応すべきなのかが非常によく分かる映画です。災害に遭われた方々からすると、笑うどころか腹立たしい要素もあるかもしれません。
最後に、作中での名言を。
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今後も日本のSFを盛り上げていきます!!!
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