本日は、SFスリラー映画『オブリビオン』について。圧倒的に美しいSF的なビジュアル世界が人気ですよね。賛否わかれる本作品のラストについて徹底考察します。SFや映画好きな方、ぜひこの映画の感想も聞かせてください! いざ、SFの世界へ…!!
オブリビオンのネタバレ感想・考察・徹底解説 (Ryo)
オブリビオンのあらすじ
本日のコラムは、2013年公開のSFスリラー映画「オブリビオン」です!!
みんな大好き世界のヒーロートム・クルーズ主演のSF映画『宇宙戦争』『マイノリティ・リポート』『オール・ユー・ニード・イズ・キル』など多数ありますが、本作品も人気SF映画だと思います。
人気SF映画、といいましたが、SF好きからすると少し物足りないストーリー展開なのかもしれません。監督も言っていたように「SFを見ない人のためのSFかも知れない」という位置づけでしょうか。
とはいえ、ボクは非常に面白い作品だと思ったので、考察していきます。
時は、西暦2077年。
地球は異星人「スカヴ」に侵略され、その戦いに勝ったものの、地球は放射能で汚染され退避を余儀なくされます。そこで、生き残った人類は、土星の月「タイタン」への移住に先立つ人類の仮住まいとして宇宙管制センター「テット」を建設します。
トム・クルーズ演じるジャックとそのチームパートナーのヴィカは、「テット」と連携を取りながら、スカヴ残党が採水プラントを破壊しないようにドローンでパトロールするミッションを負っている、という設定です。
本映画はそのジャックがいつものようにパトロールしていたある日、宇宙から舞い降りてきたある謎の女性ジュリアと出会うところから大きく展開していきます。
(C)2013 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
さて、今回も見どころを3つにします。
①圧倒的に美しいビジュアル世界
②「自分は宇宙人、相手は地球人」を逆から描く
③敵の技術のハッピーエンド利用!?
それではまいりましょう~!
ここからはネタバレもあるので閲覧注意です☆
圧倒的に美しいビジュアル世界
いやー、この映画の一番の満足感はここではないでしょうか。
とにかく美しいのです!!!!
ジャックたちの本拠地である天空に聳えるスカイ・タワーなるもの、ものすごいスピードと武器を持つドローン、トム・クルーズ演じるジャックが操縦するバブル・シップ。どれも非常に格好いいのです!!(あの天空のプール、一度入ってみたくないですか?笑)
(C)2013 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
そして、舞台設定がまた素敵です。
異星人との戦争に利用した核兵器により、地球は退廃してしまったという設定なので、どこもボロボロです。朽ち果てたビル群もあれば、見覚えのある建物など(エンパイアステートビルやスーパーボウルのスタジアムなど…)、世界が壊滅的な状態で映し出されていきます。
特に、この格好いいバブルシップでその荒廃した地球を飛ぶさまは新鮮な格好良さがあります。
しかも、登場するドローンがめっちゃめちゃ強い笑
くるくる回転したり、一瞬でスキャンニングしたり、スピードもめちゃ早い・・・!!
※手に汗握る迫力満点な[ドローン VS バブルシップ]のシーンは、どこかスターウォーズ・エピソード1のポットレースのような・・・
これはまたぜひ映画館の中で出会いたい!!
(C)2013 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
流れる映像は終始新鮮ゆえに、SF的に「美しい」シーンの続出というわけです。
なので映像的に大満足には違いありません。
「自分は宇宙人、相手は地球人」を逆から描く
さて、本作はモーガン・フリーマン演じるマルコムがジャックに「この世界の本当の話」を打ち明けたところから、大きく動いていきます。
なんと!
地球人類を滅ぼしたとされいてたスカヴなる異星人は、最初から存在していなかったのです…
(C)2013 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
そして、
本当に地球人類を滅ぼしたのは、今暫定的に人類が住んでいるテット自身だというのです。
なぬ~!!!!
そんなのありか~!!
更に更にジャックへ追い打ちです。
なんと、そのテットに駒のように利用されて残りの地球人類を殺しているのは、ほかならぬジャックだったのです。
どういうことかというと、ジャックは60年前に突如宇宙に現れたテットへ進入して、そこで敵の技術によりクローンとして複製されてしまいます。
テットはその後、ジャックの記憶を操作して地球でレジスタンスとして残っているマルコムたちの鎮圧パトロール隊として各地のスカイ・タワーに派遣したわけです。
(C)2013 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
しかし、いくら記憶操作されていても、地球人が同じ地球人を殺したら不自然に思われて、テットの正体がばれるではないか。
そこで、テットは残存地球人を「スカヴ」という異星人であるとジャックの記憶に植え付けてしまいます。ちょうど残存地球人はステルス機能がついているマスクをつけていることから、見かけは怪しい宇宙人にもみえます。ジャックは素直に彼らが地球を滅ぼした「スカヴ」の残党だと信じ込んでしまい、5年間ずっとドローンと一緒にパトロールしていたわけです。
何人もの自分と同じ顔をしたクローンたちが別の区域で同じことをしていることも、夢にも思わずに。
この展開、非常に面白いですよね。
最初から宇宙人という立ち位置で地球人を滅ぼす、という構図でも十分面白いですが、これは物語中盤から立ち位置が逆転するという描き方なので、主人公も読者と一緒に騙されるという面白い構成になっています。主人公に裏切られる系の映画ですね(あれとかあれに似ていますね笑)。
見返すと、確かにそういう表現や描写が伏線として張られており、繋がっていきます。
(C)2013 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
敵の技術の設定のハッピーエンド利用?!
消えていた記憶の中に、もう一つ重要なことがありました。
それは、宇宙から舞い降りてきた謎の女性ジュリアは、ジャックの妻だった、ということです。
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ジャックは、60年前のテット進入時、危機を察知し、同乗していた数名のクルーを避難させるべく、彼らを冬眠状態のまま睡眠室を切り離していました。その中に、ジャックの妻ジュリアもいたのです。それが60年後になんと地球へ降ってきた――クローン化されて記憶も消されているジャックは、当然ジュリアが妻だったこともわからないのですが、夢に出てくる女性と似ていることを思い出し、かつての妻だったことを思い出します。
ここらへんが、おそらくこの映画の不評ポイントかもしれません。
記憶改ざん・仮想現実系の映画作品は『トータル・リコール』や『月に囚われた男』『メメント』、『マトリックス』、『攻殻機動隊』など多数ありますが、SF好きからするとかなりの「大逆転劇」「大どんでん返し」を期待してしまうのです。
そもそも映画の題名が「Oblivion(=忘却)」であり、そして物語冒頭からジャックが「記憶を消され~」と自分で発言していることから、
「おいおい、最初からそんな妙な発言させるってことは・・・これはかなり入り組んだストーリーに間違いない・・・」
とSF心が勝手に騒いでしまいます。
※勝手に、です
ひょっとしたら最初から偽の記憶なのかな?とか、
途中出てきた他のクローンといつのまにか主人公が入れ替わっているんじゃないか?とか、
そもそも映画すべてがテットなる敵のエネルギー源のためではないのか?とか、
物語終盤で大どんでん返しがあるのではないか、と期待値を上げてみてしまう傾向にあるわけです。
とまあ、ジャックは記憶が消されたことが分かり、マルコムたちとテットにうまく進入し、ドローンたちの監視を騙してテット爆発に成功します。
※テット進入シーンは、どこか「インディペンデンス・デイ」の敵母艦への進入時と似ている!?
(C)2013 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
ちなみに。
テットに心拍数が上がっているなど警告を受けて、ここに来た本当の目的を言いなさいと言われた時のジャックの言葉、非常にうまいです。
「人類を存続させたい」
これ、記憶復活したジャック自身の本当の気持ちでありながら、
テットが記憶操作したクローンのジャックとしての気持ちとしても正しいわけです。
なので、テットは進入を許可するのです。
とっさに出た言葉にしては、すごすぎるぞ!!
これぞ、トム・クルーズ!!!
(C)2013 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
しかし、そのあと、ラストで別のクローンがジュリアとその子供に再会するシーンがあります。映画でずっと描かれていたジャックはテット爆発で死んでしまったので、別のクローンがジュリアとこれからも仲良く・・・というハッピーエンドなわけですが・・・視聴者からしたら
「え、別のジャックやん!!そいつ、ジュリアとの記憶ないで!笑」
と思ってしまうのも否めません。
確かに、なんだかクローン設定をうまくご都合主義に転換させてしまったようなエンディングです。個人的には、ジャックは死亡してしまい、救われた残存地球人の中で神格化される英雄であってもいいと思います。クローン設定は敵の技術なのであくまでダークサイドな要素であって、ハッピーエンドのために使われるべきではないのかな、とボクも思ってしまった節があります。
ただし、エンディングでは、ジャックがジュリアを見つめて
で終わりですので、解釈は複数可能かもしれません。
・テットが爆発して記憶が全員蘇ったのかもしれません。
・ほかのクローンたちを見て事態を理解した唯一のクローンが、ジュリアに会いに来たのかもしれません。
・まだ、何のことかよくわかっていないが「かすかな記憶」を頼りに、我が家に戻った気分であるのかもしれません。
などなど・・・。
そもそも、ずっと見ていたジャックとチームタッグを組んでいたヴィカはどうなったのだろうか?彼女が暴れだしてほかのジャックを奪ったりしないのかな・・・?
はたまた、ほかのクローンたちとジュリアの奪い合いにはならないのか・・・?
など、ほかにも考えてしまうような気になる要素が残っていますが、ここは「忘却」しておきましょうか。
(C)2013 Universal Studios. ALL RIGHTS RESERVED.
さて、クローン設定のハッピーエンド利用問題はあるにせよ、個人的には好きな映画ですね。
物語として「逆転」するプロットも圧倒的に美しいビジュアル世界も、かなりの満足感があります。
皆様は、この映画どのようにお考えですか?!
ぜひ感想を聞かせてください!!
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今後も日本のSFを盛り上げていきます!!!
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