本日は、大人気SF大作映画『インターステラー』。「彼ら」が伝えたいこととは…!? 科学・倫理・愛…沢山の要素が盛り込まれた本作品を、様々な視点から徹底考察。SFや映画好きな方、ぜひこの映画を感想聞かせてください!! いざ、SFの世界へ…!!
インターステラーのネタバレ感想・考察・徹底解説 (Ryo)
インターステラーのあらすじ
こんばんは!!本日は!
遂に、『インターステラー』を考察します!!
「遂に」というのは、3時間の超大作ということ、科学・探検・倫理・道徳・愛などボリュームたっぷり詰め込まれた本作になかなか手をつけられなかったからです笑
ここ10年でもトップ5くらいに入る人気SF映画ではないでしょうか。
最近もIMAX上映されていますよね!
クリストファー・ノーラン監督による2014年公開のSF映画で、有名な作品には『メメント』、『インセプション』、『ダークナイト』シリーズ、そして今公開中の『テネット』などがあるでしょうか。どれも一般のファミリー向け映画とは一味違う作風と展開で、ボクは結構彼の作品が好きですね。特に『メメント』の初回鑑賞時の衝撃はものすごいです。わりと解釈が自由なエンディングを持ってきたりするので、シンプルな構造を描くディズニー映画のような展開が好きな人には好まれないタイプな気がします。
ノーラン監督の弟さんであるジョナサン・ノーランがオリジナル脚本を執筆しています。主演も、マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ、ジェシカ・チャステイン、マット・デイモン、マイケル・ケインなどと、これまた非常に豪華キャスト陣でございます。
さて、舞台は近未来。
異常気象により、未曾有の食糧問題に直面した人類は滅亡の危機に晒されています。今はトウモロコシ農場を営む元宇宙飛行士のクーパー(マシュー・マコノヒー)は、自宅で起きるポルターガイスト現象のようなものを追求しているうちに、今や秘密地下組織に成りはてたNASAにたどり着き、そこにかつての仕事仲間であるブランド教授(マイケル・ケイン)と再会します。そこで、この食糧問題から地球人類を救うための「ラザロ計画」を知らされます。
巨大なスペース・コロニーに地上の人類を送り、「彼ら」とされる謎の存在が創ったワームホールを通過して人類の次なる地球を探すプランAと、人類の受精卵のみを移住して人工培養で種としての繁栄のみを優先するプランBを聞き、クーパーはプランA実現のために有人惑星間航行(インターステラー)するチームに加わります。プランAを推奨する主人公たちは、新しい候補惑星を宇宙船エンデュランス号で探していくクーパーやアメリア(アン・ハサウェイ)達と、地球で重力解析を行うブラント博士とで分かれ、それぞれ人類繁栄のために全力を尽くしていく物語です。
彼らは、無事に第二の地球を探し出すことができるのか?
ということで、
本作の徹底考察を下記3点の見どころに絞って解説していきます。
①ハイクオリティな科学的考証
②ハイリスクな道徳的選択
③科学的なSFが伝えたい普遍なる非科学とは!?
ここからはネタバレあるので要注意です~(^^)/
ハイクオリティな科学的考証
よくあるタイムトラベルSF映画なのですが、なにがすごいかというとアメリカの理論物理学者キップ・ソーンの理論に基づいおり、彼にコンサルタントまでしてもらっているので、非常に「科学的」です。ブラックホールの中や「事象の地平線」など実際に目で直接見た人がいない描写は、さすがにフィクションではありますが、ワームホール、重力や次元の話は非常に科学的かつ論理的で、観ていていい意味で「SF感」がありません。
沢山の方々が考察されていますが、一番わかりやすいなと思った記事はこちらです!!
ぜひ観てみたがよくわからなかった方はみてみてください↓↓↓
【ネタバレ】『インターステラー』をできるだけ分かりやすく解説・考察してみた
ボクも宇宙が好きなはしくれとして、少しだけ相対性理論や量子論、未解決の量子重力理論を調べたことがありますが、初心者には結構難しいんですよね。。。ただ、この記事に記載されている通り、本作品では非常にわかりやすくまとめています。こういう意味ではかなりファミリー層にも受けがいいと思います。
特に、「へえーそうなのかぁ!!(>_<)」と思った点として、クーパーたちが「ガルガンチュア」と呼ばれるブラックホールに近い惑星に、ミラー飛行士がいるということで降り立つのですが、重力の影響で「その惑星での1時間が地球時間の7年間」という設定になっていることが挙げられます。そこで、ガルガンチュアの影響で海水が引っ張られて津波に襲われたクーパーたちは、23年分も時間を無駄にしてしまうわけです。このシナリオが非常に面白いですよね。重力が強い空間では、時間の進みが遅くなるというのは、相対性理論の通りであって、ブラックホールに近い惑星では実際にこうなることがリアルに描かれています。
また、終盤で登場する四次元空間、これも極めてうまく演出したなぁと思います。
クーパーが自らガルガンチュアの中へ飛び込み、4次元超立方体のテラサクトと呼ばれる空間にたどり着くシーンがあります。ここの映像がまた好きなんですよね~~。過去、現在、未来が繋がっている空間であり、ここでクーパーが重力波を使って伝えていたことが、実は冒頭のポルターガイスト現象だったわけです。
そして、そのブラックホール内部で収集した特異点のデータを発信することで、ブランド教授でさえ解けなかった「重力方程式」が解けるようになったんですね。この謎が解き明かされたことで、人類全員が地球と同じような環境(重力)のもとで暮らすことのできる巨大なスペースコロニーを築くことに成功します。実際、物語のラストでは、映画『エリジウム』で出てきたような地平線が球形になっている世界が描かれています。
この4次元空間ですが、次元というのは非常に不思議な話でこれまた好きなのです。ボクたちが住んでいる空間は3次元であって、今のボクたちからしたら「3次元以外になにがあるんだよ?」という感じです。しかし、ボクたちが見えないところで別の次元があるのではないか、という議論が今物理学の世界では真剣に行われています。それは、一部の物理学者からしたら「スピリチュアルだ」とも言われかねない量子論によるものが大きいです。
量子論の考えでは、ミクロな物理世界では、マクロな物理世界や相対性理論では起こりえないことが起きてしまっているのです。それが「別の次元」があるということで整合性がつく理論があるわけですね。
今の物理学で最大のキーは「重力」といっても過言ではないでしょう。4つの力のうち、一番不思議な存在なのですが、地球規模の重力じゃ確かめようにもなかなか限られているので、ブラックホールのような大質量のものでいろいろな実験ができればその謎が解明できるかもしれないのです。
この重力のエネルギーが実は別の次元に飛んでいるのではないか、という理論はそう考えると辻褄が合う部分もあるわけですね。その別の次元とやらは、ボクたちの目では見えないわけです。
え?どういうこと?って感じですよね笑
わかりやすく言ってしまえば、14世紀以前のヨーロッパ人に「アメリカ大陸があるんだ」といってもまったく伝わらないのと似ているのではないでしょうか。
今のボクたちからしたら当然「アメリカ大陸という次元がある」ことはわかっていますが、14世紀の人たちに語り掛けても「そんな世界あるわけない」としか考えません。彼らにとっての「世界」「次元」に、アメリカ大陸は存在していないからです。
まったく同様で、未来の人類(=4次元を自由に扱える5次元人)が4次元に行けるようになった時、21世紀のボクらに「4次元という世界がある」と語りかけても、ボクたちは「そんな世界あるわけない」としか考えません。この映画はまさにそんな未来の人類がワームホールを創って、クーパーに自然に4次元に向かわせて、そこで重力のデータを回収させて、スペースコロニーを創らせるという筋書きのわけです。まるでボクらが14世紀にタイムスリップしてアメリカ大陸の行き方を教えてあげるようなものです。
そう考えると、非常に面白くないですか?
これはBack To the Futureのような従来のタイムトラベル映画とはわけが違うSF作品です。量子論の謎や重力の不思議な点、物理学者が提唱している高次元の理論まで多数の科学を織り交ぜながら、タイムトラベルを謳っているわけです。
まあ、本当の物理学者からしたらツッコミどころがあるのかもしれませんが。。。そこらへんはむしろ魅力だと思って③にて解説します笑
ハイリスクな道徳的選択
本映画の魅力の一つに、倫理や道徳に直面するシーンが盛り込まれていることがあるといえます。
例えば、先程の「1時間が地球時間の7年間」の惑星で問題になった倫理的争点は「公私混同」といえます。
インターステラーとしての任務を遂行するためであれば、この20数年間はどうということはないでしょう。第二の地球捜索のために必要なプロセスであり、地球にとって「達成感」「喜び」「希望」です。ただし、一人の父親や恋人として考えたときはどうでしょうか。これは圧倒的なまでの「罪悪感」「後悔」「絶望」に変化します。自分のひとつの判断によって、大切な人が一瞬のうちに年老いたり、死んだりしてしまうわけです。それは「間接的な殺人」ともいえませんか?あまりにも残虐的すぎる数時間です。
クリストファー・ノーランの世界 メイキング・オブ・インターステラー BEYOND TIME AND SPACE
この映画では常にこういった道徳的な駆け引きが出てきます。なので、おそらくSFとして観ながらも現実世界の自分を倫理的に投影してしまい、リアリティが強い印象です。
自分や自分の息子や娘だけを助けたいなら、早く地球に帰ればいいわけです。
しかし、地球人類の存続を考えたとき、そうはいきません。何年、何十年経っても、第二の地球を見つけて地球に戻ってくる必要があります。
特に、クーパーが娘のマーフィが数十年成長しているのに自分は数時間しか経ってない状態で、ビデオ通信が来たときのやり取りは泣けるものがあります。。。サイエンスとヒューマニズムの融合バランスが実に絶妙なのです。
さて、映画の世界なので他人事として観れますが、これは非常に道徳的なトピックだとボクは思います。
人なんてせいぜい2-3世帯先のことを考えるので精一杯ではないでしょうか。
本気で地球人類の百年後まで考える人なんて、いるのでしょうか。口ではなんとでもいえますが、いざ命が掛かっていれば、人なんて自分の目先と周囲のことだけしか考えないように思えます。ボクはこの映画からはそんな「究極の選択」についても学べると思いました。
※エンデュランス号にて、23年間ずっとブラックホールの分析をしていたっぽいロミリーがあまり老けていないように見えるのはここだけの話です※
次に、この「水の惑星」がダメだった後の話です。燃料が少ないなか、もう二つの候補惑星のうちどちらかを選ばなければいけないというシーンがあります。一つは、生存信号を発信し続けているマン博士(マット・デイモン)の惑星、もう一つは、生存信号は停止しているが良い条件だとアメリアが言うエドマンズ飛行士の惑星。
ただし、クーパーは、アメリアがエドマンズの恋人であることを見抜き、それこそ「人類のため」ではなく「自分のため」の選択ではないかと迫ります。これもまた深い倫理的争点です。
アメリアが途中から「愛は観察可能な力」「時間も空間も超える」「高次元につながる力」と語り始めるので、まさかクーパーが「そうだな、愛がすべてだ!!!」といってエドマンズの方を選ぶのかなと思いましたが…ここでは生存信号が来ているマン博士の惑星を選択します。ここで、クーパーがアメリアの意思を尊重したら間違いなくB級映画だったでしょう。インターステラーの魅力は、こういった鬼気迫る人類の選択に、視聴者も揺り動かされてしまうほどの「迷い」を演出している点にあると思えます。
果たして、生存信号はなくとも自分の恋人がいるとされる惑星が目の前にあった時、あなたはそれでもその他地球人類のために別の惑星に行くことができるでしょうか?
そして、お次はの倫理的争点は・・・マン博士ですよね、やっぱりw
いやぁー、彼の存氏が本当にこの映画では光っています。。。めちゃめちゃいいスパイスになっているんですね。大好きですww マット・デイモンがくそ悪い奴だったのでまじでびっくりしましたが、よく考えてみたら「普通」なのかもしれません。
結論、彼は本当は「第二の地球」になりえない惑星だったのに、そこで孤独なまま死ぬのが怖くて、あたかも地球人類が移住可能なように捏造したデータと生存信号を送り続けていたのです。いつか誰かが助けに来ることを見込んで、自分はスーパースリープ(冬眠状態)へ…まさに「一回死んだ」わけです。そして助けに来てくれたクーパーたちを不意打ちし、自分だけ逃げようとしますが、エンデュランス号との手動ドッキングと強制ハッチで爆発して死亡してしまいます。
SF映画の定石といえる「人類の内輪もめ」をここで持ってきたかー!と感嘆してしまいました。争うとしたらクーパーたちインターステラ―の中で公私混同についてかと思いきや、まさかの候補惑星で生き延びていた博士が裏切る展開!!
マン博士がクーパーたちと仲良く地球に帰らずに暴挙に出た理由は、プランBをブラント教授から任されていたことも関係しているようですが、ここはおそらく解釈が分かれるところでしょう。
①プランBを遂行したい(=地球人類の種を残したい)
「私の任務には~」などと発言していることから、ブラント教授の意思を尊重し、本気でプランBを実行に移そうとしていた、とも考えられます。人は結局自分の家族や友人のためなら献身的になれるが、それ以上のことはしない…それが人間の進化の限界だ!的なことを言います。だから最初から「種の保存」をゴールとしたプランBを目指した方がいいという見解なわけです。実はブラント教授もそれをわかっていたので、公表せずにいました。ただ、その話をしても大半の人類は自分の家族や友人を助けたいので、「まだプランAの可能性があるはずだ!!」を考えて反対されることを予測していた博士は、最初からクーパーたちを置き去りにしようとしていた、という筋書きです。
②自分だけ助かりたい
プランBなど実現しようという意思はなく、ただすべてクーパーたちをうまくだまし込むための言葉だったという可能性もあり得ます。その場合、単純に孤独に死ぬのが怖くて、そして捏造データでクーパーたちを呼び込んだ事実が地球にばれるのが怖くて、クーパーたちを殺そうとしたという筋書きになります。
どちらにせよ、これは人間の本質を暴いています。
マン博士のフルネームは「ヒュー・マン」。そういうことなのです。
いや~…
ふ、深すぎるぞ!!!!
上記どちらにせよ、マン博士にも少し同情してしまうので、この映画においていい味を出しています。
マン博士は、地球人類が生存不可能であろう氷の惑星に到着した時点でゲームオーバーでした。このミッションを任されている時点で死ぬ覚悟はあったとしても、孤独に死ぬ運命をすぐに受け入れることはできませんでした。ただし、思いつくわけです。一つだけ助かる方法がある。地球まで帰るだけの燃料を保持した次なるインターステラ―たちの宇宙船を奪って帰ればいいのです。そこで彼は捏造データを送ってクーパーたちを誘い込んだのです。
しかし、、、これは、本当に罪な行為なのでしょうか?倫理を無視したくそ悪い奴でしょうか?
もしボクが博士と同じく孤独に死ぬ運命だったとして、マン博士の行為を鼻で笑って「そんなことするかよバーカ」といえる自信はありません。なぜなら、ボクも助かりたいからです。あそこまで強引にやらなくとも、ボクも地球へ帰る手段を模索すると思います。
果たして人間はそんなすぐに死を真正面から受け入れることができるでしょうか?それも、全人類の為に第二の地球を探しにきてあげたのに、自分は孤独な惑星で一人残されて「こっちは来なくていい。他の候補惑星に行ってくれ」なんて言葉がすぐに出るのでしょうか?
たとえるなら、海で溺れかけていた人を救ってボートに乗せてあげたのに、ボートが定員いっぱいになったからって「すまんおれは置いていってくれ、おれはここで死ぬことにするよ」なんてすんなり決断できるでしょうか?泳いで別の岸へ行くのか、木の切れ端だけ欲しいというのか、別のボートが来そうな場所へ行くのか、なんとか自分も助かる方法を模索するのがある意味「普通」ではないでしょうか。
他人の為にすんなり死ぬことが選べる人などそうそういないと思います。
それができるのはタイタニック号のディカプリオくらいです(←いるじゃん)
ここのパートでは、生命のしぶとさというか、ある意味で「罪と罰」のような人類の本質を語り掛けてくれます。
いや~、実に深い、味のあるパートでした、マット・デイモン!!
※オデッセイといい、マット・デイモンはいつもww・・・おっと失礼
そしてそして、最後遂にクーパーとアメリアだけになった時のシーンです。
「スイングバイ」と呼ばれる現象によってエンデュランス号を、最後の候補惑星エドマンズ飛行士のもとへ飛ばすのですが、重量が重くて失敗の可能性(運動の第三法則)も浮上します。そこで、クーパーは自らが乗るレインジャー号を切り離して、アメリア乗るエンデュランス号に命運を授け、ブラックホールの特異点へと吸い込まれてしまいます。
この展開は主人公の命を捨てたインターステラ―としての「任務」を遂行しているシーンなのですが、それまでクーパーも私情を挟んでしまった経緯があることから、彼はこの航行中に成長して任務遂行へと決意したことが分かります。ここに、人類の進化が垣間見えたとボクは思います。クーパーだって娘と会いたいと思っているはずですが、地球人類のために命を投げ出したのです。価値判断を「個人の領域」から「人類の領域」へ動かしたといえるでしょう。
結果的にブラックホールの重力の謎の解くことになった(解くように未来の人類が仕組んでいた)わけですが、それが分からないままそこで自分だけ切り離すというのはかなりの勇気がいるでしょう…実際、映画で観ていてもどこにいってしまうだ~!とかなりハラハラしながらあの静かな空間を凝視してしまいました。
科学的なSFが伝えたい普遍なる非科学とは!?
このように、この映画は多くの倫理や哲学のテーマを提起していきつつ、ロジカルにSF世界を深めていく非常に味のある映画なわけです。
しかし、本映画はこれでも終わりません。更に更に、最後に「愛」を語るのです。
な、なんとボリューム満点な映画なこったー!!!
結局、数十年前にワームホールを創ったとされる「彼ら」は未来の人類だったわけです。未来の人類は、クーパーに重力のデータを回収させるために、テラサクトへお誘いするわけですが、一つ問題があります。
クーパーがテラサクトに来たはいいものの、重力データを送信しなかったらどうするのでしょうか。または、「ええーもうやる気ないわ」という放心状態だったら、どうするのでしょうか。重力のデータが回収できずにスペースコロニーを築くことができなければ、未来の人類はむしろ存在しなくなってしまうかもしれません(ここらへんのタイムパラドックス問題がどうなのか明示はありませんが)。
しかし、これらの問題を解決したのが「愛」だったのです。
お?SF考証の入った映画といいつつ、愛なのか最後は!と思う方々も多いことでしょう。ボクも最初はそう思いましたが、実はよく深く考察してみるとこの「愛」こそが「未来の人類」が持ちえない唯一の伝達手段だったのです。
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どういうことかというと、まず、遥か未来の人類は今の3次元人から5次元人に進化しており、4次元を自由に扱えるほどの圧倒的技術をもった存在になっています。ガルガンチュアに吸い込まれたクーパーはラストで気が付いたらスペース・コロニーにいますが、これはご都合主義とも解釈できる一方、「彼ら(未来の人類)」が為した超技術とも言えます。
そんな彼らなら、彼ら自身が戻ってきて「ワームホール創ったからおいで」とでもいえばいいのではないか…と思いがちですが、それはできないのです。彼らは未来と過去をつなぐワームホールを創り出すことができても、直接物理的に戻ってきたりはできません(というか既に肉体というものを持っていないかもしれません)。そこで、ワームホールを創って、あとはクーパーたちが自分で自分の未来を変えるように仕組んだのです。その仕組みの根幹が何かというと「愛」なのです。クーパーが放心状態にならずにいたのも、「愛」のおかげだったのです。
超技術をもった5次元人は、クーパーと娘の間にある愛を「利用」して、クーパー自身に冒頭の自宅での本棚の幽霊現象を起こさせ、NASAへ向かわせ、インターステラ―チームに加わることになります。作中実はずっと散りばめられているメッセ―ジなのですが、「愛」は物理法則の中で一つの特別な存在なわけです。観測不可能な動力源であり、かつ、時間や空間を無視してどこまでも伝わることができる。これってよく考えたら物理法則の中で奇妙な力を持っていることになります。作中、アメリアも愛について語っていますよね。
未来の5次元人たちは、この点に着眼したのです。
愛を利用してクーパーは無事に重力のデータを娘に伝えることができた――すべての物理原則を覆す力が愛にはある、という科学的な考え方を示唆しているのがこの映画の更なる奥深い理由ですよね。
最後の、100歳になってしまった後のクーパーと娘さんが出会うシーンは、、、
涙腺崩壊間違いなし!!!
さて、ボリューム感あるこの映画の考察も以上になりますが、実にうまく創られた映画だなと思います。特に知識のない一般の方やファミリー層にもわかりやすく、ハードSFが好きな人たちも嬉しい内容なのです。同時に、サイエンスとヒューマニズムの融合がうまい感じにされていて、飽きさせないハラハラな展開なわけですね。
これ、よく言われますが『2001年宇宙の旅』にも類似した映画だといえます。
当時にとっての「宇宙とは!?」を映画館で観れたのがあの映画だとした場合、現代の「宇宙とは!?」を描いたのが本作ではないでしょうか。HALと似たTARSやCASEが出てくるし、ところどころ解釈が分かれたり、普遍なる哲学や倫理、人類の本質を描いたり。そもそも生命って何なの?って余韻に浸ったり。単調なBGMだがなぜかものがすごく緊迫感があったり、宇宙空間という静かゆえの「虚無感」に襲われる点もそっくりです。
さて、超技術を持つ「彼ら」とされる未来の人類がいまのボクらに伝えたいこととは、いったい何なのでしょうか。ボクはどこかで未来の人類からそう語りかけられているような気がします。
ということで、以上が大人気SF映画『インターステラー』の考察でした!!
久しぶりの長文投稿でした…ではまたお会いしましょう(^^)/
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コメント
[…] ただ、「エリジウム」の世界観は結構好きです。映画『インターステラー』に出てたような球形の形をした世界が描かれています。どうやら宇宙空間にスペースコロニーを建設するとなればこういった形になるのは、世間一般になっているようですね笑 […]