「トカゲ」の異名を持つアメリカ版ゴジラ「エメゴジ」をネタバレ徹底解説!批難が多い一方、結構面白いSFモンスターパニック映画でもある今作を徹底考察!後世でマグロ食う奴認定、原子怪獣リメイクの噂、ギャレゴジ監督からの批判などなど!興味ある方はぜひ!いざ、SFの世界へ!
GODZILLAのネタバレ感想・考察・徹底解説 (Ryo)
どうも、お久しぶりです。本日は、1998年公開のアメリカの特撮映画『GODZILLA』について解説してまいります。アメリカンゴジラ、エメゴジ、なんてよく言われる、ローランド・エメリッヒ監督のハリウッド版ゴジラです!
ブルックリン大橋の上で黄色いタクシーを追うゴジラのシーンは、皆さんも非常に印象深いのではないでしょうか。
日本では「トカゲ」の誇り高き異名をもち、「あんなのゴジラじゃない!(悲鳴)」という声が多いハリウッド版初のゴジラ映画ですが、ひとつのモンスター映画としては実は最高品質だったりして?世界4億ドル売上というブロックバスターの実績もあるんです。そんな魅力的な部分もある「マグロトカゲ」君について本日はネタバレ徹底解説!
ということで、本日はこのような形でいきます!
日本人には、なぜしっくりこなかったのか
まずはこれですよね笑
とにかく、まあ、公開当時から酷評の嵐だったらしく。
当時、僕はまだ小学校低学年でしたので、「日本のゴジラと違うトカゲだ!クソだ!」なんて気持ちはまったくなく、「天下のハリウッド様がつくったゴジラがあれなら、あれなんだ!」「あれが世界のハリウッド版ゴジラなんだ!」という純粋無垢な気持ちで観てました(笑)
しかし、日本の従来のゴジラとはそもそもルックスが全然異なります。
第1の反感は間違いなくここです、外見w
トカゲじゃないか!
と言われても仕方がないルックス。
ザ・爬虫類の顔つきと肌。
日本のゴジラの原型もない(雄たけびは似ている…のか)姿なので、一部ファンから「日本ゴジラへの冒涜だ」と思われても仕方がないですね。
ゴジラお約束の放射熱線も吐きません。
その代わりなのか、パワーブレスなるもの(酸素爆発の誘発?)をたまに使います。
また、時速480kmというとてもない移動スピードで、逃げ足は日本ゴジラとは比べ物になりません。ゴジラがこんな早く動くなんて不自然だ!と思った方も多いはずです。
スペックにも大きな相違点があるのは、間違いなく反対意見を増やした要因でしょう。
次に、トカゲ君の設定・背景です。
イグアナの巨大化生物という背景があるので、日本のゴジラ特有の「神話的要素」がなく、あくまで生物学上の進化の一形態なのです。
これがまた、反感を買った理由なのは言うまでもないです。
しかも、なんと赤ちゃんまで産む。
無性生殖という発想は個人的に面白かったですが、ゴジラが繁殖するというのも、
根強いゴジラファンからはあり得ないという感じだったに違いありません。
ゴジラ 1998/USA エメゴジ/ソフビ/フィギュア/エクスプラス/X-PLUS 少年リック
とまぁ、いろいろあり、
海外での呼び名「GINO(ジーノ、”Godzilla In Name Only”=”ゴジラとは名ばかりなり”の意味)」
スピルバーグ監督
ギャレゴジ監督
日本のファイナルウォーズ※秒殺
などなど、業界からも不人気の極み。
ちなみに、1953年のアメリカ映画『原子怪獣現わる』のリメイクという側面があったから、「リドサウルスに寄せて恐竜に近いものになった」みたいな話や、「予算が下りなかったらゴジラの名前を使った」みたいな噂が、一時期話題になったようですが、これはデマかジョークじゃないかと言われています。
プロデューサーのディーン・デブリンも2018年に反省文を公表しています。
1998年ハリウッド版『GODZILLA』脚本家が当時を大反省 ― 「あれはゴジラじゃない」
とはいいつつも、4億ドルのパニックSF映画!
しかし!!!
ボロクソと思われるこの映画も、実は世界では4億ドル儲けており、映画としては大成功です。
実際、日本国内でも2016年のシンゴジラが塗り替えるまで、平成ゴジラ映画の中ではトップの動員数(360万人)を誇っていたのです。
日本とじゃ予算規模が違うという側面もありますが、
要は、これ、モンスターパニック映画としては非常に面白かったのは事実です。
実は、エメリッヒは当時こんなこと言っています。
エメリッヒは分かっていたんですね。
というのも、彼は
とのことで、東宝からの細かい指示にも嫌気がさしている中だったので、
ある意味仕方なくゴジラ映画をつくったらしい、という背景があります。
また、思い切ってデザインを変えたほうが、本家に失礼に当たらないとも考えたと言われています。
(ちなみに、デザインのもとは、恐竜でもイグアナでもなく、ワニらしいですね笑)
こういった背景を踏まえても、
おそらくエメリッヒは「ゴジラへの愛」より「SFとしての愛」に熱意があっただけなのです。
実際、「インデペンデンス・デイ」や「デイ・アフター・トゥモロー」のように、彼はSF映画としては申し分ない実力を持っていたと思います。
(敢えて過去形にしているのは”この頃”という意味もあったりして)
この視点から本映画を見てみると、非常にクオリティの高いSFパニック映画だということが浮き彫りになってきます。
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モンスターパニックや怪獣映画あるあるですが、
最初は顔が見えずに、徐々に姿を現してくるゾクゾク要素。
冒頭で巨大生物に襲われる日本漁船。
そこで生き残った者が言う「ゴジラ」という名前。
(※実はこの船の名前は「小林丸」らしいです。スタートレックに登場する宇宙艦と同じなのは偶然!?)
特に、釣りをしているおじさんの眼の前で波が高くなっていくシーンは見もの。
エメゴジが動くと車がドシンドシンと揺れたり、地割れが起きたり、ビルの倒壊が見えても顔は見えなかったり。
その他、カメラマンの男が動画を撮っているが、全部は映らない、など、煽り方や工夫は神演出です!!
空軍、海軍、陸軍など、アメリカの全戦力を使ってゴジラを打ち倒そうとするものの、逃げ足が早かったり、待ち伏せされたりでうまくいかない。このへんの高知能な生命体というのは、さらに絶望させる要素で、「どうやって勝つんだ!?」という好奇心で目が画面にもっていかれます。
熱探知?でも反応がなく、赤外線誘導ミサイルにも感知されない。
なんということだ!
(先日の横浜のニシキヘビ事件を思い出しますね。どちらも変温動物の爬虫類。。。)
大好物の魚(マグロ!?w)を餌にしておびき出したり、
しかし、それが罠だと分かった敵と繰り広げられる頭脳戦。
特に、ニューヨークの街中をヘリで追撃するシーンは今見ても結構な迫力があり、好きなシーンです。
さすがはハリウッド、おそらく日本の映画予算では相当先になる技術でしょう。。。
ニューヨーク中を破壊されたが(厳密に言えばアメリカ軍の破壊だが)、
ようやく魚雷2発で死んだぞ!!!!
でかしたぞ海軍!!ガッツポーズ!
やった!!!!
と思ったら、
卵200個が孵化して、
今度はミニゴジラが人間を襲う!!!
これがまた意外と手強いんだわ。
ジュラシックパークのヴェロキラプトル並みのすばしっこさ(パクリと叩かれてもしょうがないw)と、
ベイビーとは思えない獰猛さ(ベイビーだからこそ分別がつかないのか?)。
卵がパキパキと割れてベイビーゴジラが誕生していくシーンは、なかなかの恐怖感でしたね。
ただ、パカってひび割れから「おはよっ」みたいに顔を出すゴジラは、なんかちょっと愛らしいと思うのは僕だけか。
謎のフランス人助っ人ジャン・レノ(フランス人へのステレオタイプがすごいがなにげにかっこいい!)と共に、
スリリングなマディソン・スクエア・ガーデンでの逃亡劇ののち、
ミサイル攻撃によって卵は掃滅され、無事に一件落着。。。
◆そっくりな恐竜出現?人気1作目『ジュラシック・パーク』ネタバレ徹底考察コラムはこちら!
ちょうど2時間くらい。
ふー。
これで映画終了を思わせる主人公たち&僕の安堵の息…!
と思いきや、でかいゴジラが生きていた!!!!
魚雷だけで死ぬのもなぁ~なんて思っていたが、まさかの大復活!
一難去ってまた一難がスゴイw
怒り狂ったゴジラがタクシーを追うシーンは、一番印象深い部分に間違いないでしょう。
潰されそう、食われてしまいそう、爆風で吹き飛ばされそう、燃やされそう、
などど手に汗握る展開の後、ミサイル攻撃によってようやく死ぬゴジラ。。。
という展開は、観ていて飽きないですし、
むしろ常にスリリングでエキサイティングで最高です笑
全然20年前の映画技術とは思えない、ド迫力と臨場感があります。
恐竜でもなく、得体の知れない宇宙人でもなく、
巨大化したイグアナがニューヨークを襲う映画、として観たとき、
この映画は満足のいく面白さだと思うんですね。
そう、「ゴジラ」と名前をつけなければ、すべて解決だったのです。。
※ただし、ゴジラと名前がついているからこそ映画館に行った人が多く、結果人気になった、という見解もありますので、鶏と卵みたいな話になりますが…。
まあ、あとはファンの間でよくいわれるのは、最後の死に方ですかね。
ブルックリン大橋のケーブルにからまって、ミサイル12発で死んでしまうのは、意外とあっさり死にすぎかな、とも思いますが、まあゴジラでなければいいと思えば、十分に楽しめます!!その前に魚雷も食らってますしね!(開き直り)
GODZILLA:(C) 1998 TriStar Pictures, Inc., TOHO CO., LTD.
エメゴジ、死んだときに、ちょっと主人公と目が合ってますよね。
これはなかなか興味深いシーンではないでしょうか。
ただの巨大生物との戦いを描く映画というより、
ここになにか日本ゴジラにおける「神秘性」へのリスペクトみたいなものを感じます。
個人的には打ち切りになってしまった続編も見てみたかったですね。
『ゴジラ・ザ・シリーズ』というアニメ作品で続編は描かれていますが、
やっぱりハリウッドクオリティの熱線やゴジラVS怪獣シーンも見てみたかったものです。。。
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ゴジラ抜きにして考えてみる。
ということで、ここからは「ゴジラ」要素を加味せずに、ひとつの映画として考察。
モンスターとしてのストーリーは重複するので、登場人物を見てみます。
まず、僕が面白いなと思うのは、選挙中のニューヨーク市長とその側近のやり取りです笑
「ゴジラを倒したら選挙で使える!」「裏目に出ますよ」とか、
終盤で米軍に対して「誰が許可した?」と言ったら大佐に「止めてみろ!」などと言われたりとか。
また、街を破壊しているのはゴジラではなく、軍部じゃないか、と市長が発言するあたり、おっしゃる通りで真実そのものです。
※日本のウルトラマンも街を破壊しまくっているので、市長から注意喚起が必要です
この大佐、なかなか正義感があって格好良いので、市長との対比が素晴らしいです。
市長は全体的にこの映画でコミカル要素として機能しており、彼のおかげで結構笑える部分も多くなっていると思います。
ここらへんのテンポといいますか、パニックもののなかにうまく落とし込むところは、さすがエメリッヒというかハリウッドですね!
GODZILLA:(C) 1998 TriStar Pictures, Inc., TOHO CO., LTD.
あと、ヒロインがちょっとひどいのが気になるんですよねw
この女優、マリア・ピティロといいますが、なんとこの映画でゴールデンラズベリー賞最低主演女優賞を受賞しています。
まあ、この賞は一概に「演技が下手」とかが基準ではないので、なんともいえませんが、個人的には、キャラ設定があまりよろしくないです。
学生時代に付き合っていた恋人のタトプロス博士(主人公)に出会って、感動!
自分から戦略練って念願の再会!!
想いが現実になった瞬間!!
というところで、自分のリポーター特ダネで使うために、
彼からゴジラについての極秘テープをこっそり盗んで、勝手に全世界公開!!!
これは、さすがに人道的にNGですよ笑
ひどすぎる!!!
ってか、よくそんなことできるな!!
せめて、「夢をかなえたい」って相談すればええやん!
そんなんだから別れたんやろ。。。
って思ってしまいますよね。
おかげさまで、主人公は対ゴジラ部隊から除隊。
かわいそすぎる。。。
まさに、それでも僕はやってない。。。
ヒロイン、正直性格がひんまがっているとしか言いようがない。
ここは、ひとつの映画として僕が思う大きな欠点です。
SF映画で出てくる(元)恋人で、敵のモンスターをこんな手口で利用した人は、ほかにいるのでしょうか。。。大体、生きるか死ぬかの世界のところで、自分の名声気にするってどんだけなんだ。
しかし、こんな声も飛んできそうです。
「ミニゴジラとの攻防の時に、彼女のリポーター経験があったからこそ、あの建物から世界にその恐怖を知らせることができたのも事実。結果それでミサイル攻撃できたんだから、まぁいいじゃないか。そこまで言わんくても(まぁ綺麗だし)」と思った、そこのアナタ!!
そもそも、ミニゴジラのことは、生物学者である主人公は当に感づいていて、
これから捜査開始しよう!って時に、彼女のせいで除隊されているんですよ!!
つまり、彼女の窃盗事件がなければ、ミニゴジラは生まれる前に掃滅できていたかもしれません。
そう考えると、どこまでも罪深い女です。。。
(いや、敢えて恐怖体験を共有するという吊り橋効果を狙っていたのか…!?)
GODZILLA:(C) 1998 TriStar Pictures, Inc., TOHO CO., LTD.
そして、主人公の博士ですが、まぁ、キャラ的には悪くないって僕は思いますね。
少なくともギャレゴジのセリザワ教授よりは、ゴジラ博士って感じがしますし、
どこか弱そうな、さえない一面がある一方、探究心や正義心に駆り立てられる様子はギャップがあって良いなと思います。
(あまり主人公に対してはコメントがない笑)
ジャン・レノも、ちょっとミステリアスな保険屋さん(どうみても主役感、というか本当は諜報員です感が漏れているが)として脇役登場ですが、なにげにかっこいいおじさんです。最後にさらっとテープ盗んで消えるあたり、一貫して謎要素を醸し出していましたね。
コーヒーがアメリカとフランスじゃ違う、とか、いろいろフランスへのステレオタイプも入っているように思いますが、まあそこは(アメリカ)映画なのでご愛敬。
ミニゴジラとの戦いの時も、彼の存在が映画として面白いチームワークを演出しており、個人的にはナイスキャラだったと思います。
そんなこんなで、
ゴジラ映画としてみるか、SF映画としてみるか。
その視点によって大きく賛否が分かれる作品ですが、結果、
世界で大成功した映画であるように、個人的には面白いSFだと思います。
※ゴジラとして見ると「マグロトカゲ」になってしまうので、要注意です。
それでは、またお会いしましょう!
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