95年公開のSF映画『ウォーターワールド』はなぜ失敗と言われる?先日続編ドラマの公開で話題になっている本作をネタバレ徹底解説!
当時最高の製作費に隠れた真相とは?Wケビンが挑戦した水もの映画は難所?
完全21項目で感想や評価を徹底考察します!
いざ、SFの世界へ…!
ウォーターワールドのネタバレ感想・考察・徹底解説 (Ryo)
本日は1995年のアメリカSF映画『ウォーターワールド』について徹底解説!
Wケビン映画とも呼ばれるように、ケヴィン・レイノルズ監督、主演であり製作にも入ったケビン・コスナーによるの共同出資の映画として知られています。
実はこの二人、『ファンダンゴ』(1985年)や『ロビン・フッド』(1991年)でもタッグを組んでいますが、今作では色々ありました。。。後ほど解説w
出演は、ベテラン俳優ケヴィン・コスナーはじめ、悪役俳優としても人気なデニス・ホッパー、ジーン・トリプルホーン、ティナ・マジョリーノ、マイケル・ジェッター。
さて、皆さんはどういうイメージや感想、評価でしょうか?
一般的には「失敗作」「大コケ映画」なんて言われたりしてますが、
個人的には結構好きな映画でもあります。
実はアカデミー賞では1995年度音響賞していますし、
1995年の公開作中第9位だった実績もあるのです。
Rotten Tomatoでは支持率48%。
まぁ、超駄作!と呼ばれるほどの数値ではないでしょう。
どうして失敗作と言われているのでしょうか?
僕は、結論、これはアメリカ本国で失敗しただけであり、世界的にはヒット作だったと思っています。そして、アメリカで受けなかったのには、実はある理由があったのです。
本日は、そんな映画、どうして失敗作なのか、また、今振り返ってみたときの魅力やおススメポイント、社会的メッセージ等々、感想&考察スタイルで完全21項目でネタバレ徹底解説!
- 莫大な製作費が問題?しかし、世界では予算は回収できている!
- 予算オーバーは、海の上という難所が原因?
- ジョーズ経験者のスピルバーグも忠告していた!?
- 水もの映画の影響で「水没」した製作会社もある!?
- 片道6時間で撮影へ。しかし現場はすぐに変わってしまう。
- ハリケーンで撮影ストップ。コスナーは自費2,000万ドル投入
- 製作費問題の報道…世界各国では受けた理由とは?
- 荒廃感ある世界観が魅力的。アンティーク調のこだわり?
- Nothing’s free in Waterworld。冒頭で突き付けられるこの世界
- アトールのシーンに見る「法の欠如」「ビジネス」「生殖活動」
- ミュータントは、生態系の環境変化に適応した証拠?
- マリナーはあだ名。名前が無いのは「不要」な社会だったから?
- ジェットスキー攻撃!火力勝負 VS 戦略勝負が見もののアクション
- ディーコン率いるスモーカーズ。植物貴重なのにタバコはポイ捨てw
- エノーラがドライランド出身である伏線、実は沢山あった!?
- アンチヒーロー?冷徹キャラから温和に、そしてまた孤独へ
- すぐに見つかるドライランドw オルゴールは「歌声」の伏線回収?
- 海へ旅立つラスト。”偽物”のドライランドの方が好きだった?
- 言語はバラバラであるべき、女性や黒人がもっと登場すべき
- 現代社会の環境問題も問う?しかし、メッセージは薄い!
- 続編ドラマが始動!!映画は20年後?彼らも再登場するの?
莫大な製作費が問題?しかし、世界では予算は回収できている!
さて、よく言われるのが、まずは超高額な製作費。
なんと、当時史上最高の製作費、1億7500万ドル!!!
日本円にして約190~200億円です。スゴイですよね!
実は映画『タイタニック』が公開されるまでは、一番コストがかかった作品だったらしいです。
それにも関わらず北米地域全体でも8,800万円の劇場興行収入で、予算を回収できなかったのです。
当時の海外の批評家には”Fishtar”とも呼ばれてしまいます。
これは、おそらくウォーターワールド主人公であるマリナーが「魚(fish)」っぽい点と、同じく予算を回収できずに失敗したと言われた映画『イシュタール(Ishtar)』をかけあわせた造語でしょう。興行的に大きな失敗をすると、映画としては本当に致命的ですねw
加えて、第16回ゴールデンラズベリー賞では最低助演男優賞をデニス・ホッパーが受賞。最低作品賞、最低男優賞、最低監督賞にノミネートされるという実績があるので、後世でも失敗作というイメージが定着しちゃったんですね。
しかし、実は、アメリカ地域以外の、全世界での興行収入は2億6,400万ドルを稼ぎ、その後のテレビ放映権の販売やビデオの売上によって、利益はあげているのです。
1997年には『Waterworld:Children of Leviathan』と名付けられた続編コミック全4冊も、映画の続編として登場しています。
また、映画公開から数週間後にはユニーバサルスタジオで新アトラクション『ウォーターワールド(Waterworld:A Live Sea War Spectacular)』もリリースされており、世間にも受け入れられていることが分かります。
ここで二つの疑問が生まれるはずです。
どうしてそんな当時最高のコストにまで膨れ上がってしまったのか?
そして、どうして、アメリカでは受けず、全世界では受けたのか?
予算オーバーは、海の上という難所が原因?
まずは、どうして1億7500万ドルという巨額の製作費を使い込むことになってしまったのか。
答えは簡単。
ケヴィン・コスナーの薄くなった頭皮をCGで隠したからです!
というのは、嘘でw
「海の上」という”難所”の撮影が続いたからですね。
※頭皮ネタは実際、当時この映画をこき下ろすために使われていましたw
本作は、温暖化により北極と南極の氷が溶けて海洋惑星となった地球が舞台。
海洋版『マッドマックス』とも呼ばれているように、文明破滅後の未来を描く終末ものSF映画です。Post-apocalypticとも言われるらしいです。(格好いいからいってみた)
こういった、現実逃避主義者向けの世界観を創り上げるだけでも、ディテールにこだわりはじまると多大なるリソースが割かれるので、ただでさえコストが高くなります。
そこに、「海」「水中」という強敵が舞台なので、これは大変間違いなし。
そもそも、実は海を舞台にして傑作となった作品は、本作公開の1995年当時ほぼなかったといえます。『ポセイドン・アドベンチャー』のような映画はありましたが、どちらかという船の中がメインで、海や水の中の撮影の難しさと真に直面したとはいえないでしょう。
1995年以降、『タイタニック』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』などがヒットとなり、すっかり海上ものや水中もの映画は普通になりましたが、実は当時はかなり大変だったことをまず前提に置くと、この映画の魅力が分かってきます。
ジョーズ経験者のスピルバーグも忠告していた!?
この2年前である1993年には、映画革命とも言える『ジュラシック・パーク』によるCG演出が世界を震わせていたので、CGへの期待感やその比較という意味もあったかもしれません。しかし、やはり水中や海というのをフルCGで再現というのは、簡単なことではなく、ケビン兄弟(実際の兄弟じゃないですよw)はハワイ沖を貸切って撮影を行うことを決めます。
ですので、今であればCGで表現できてしまうような映像も、この映画では実際に水を使っているので、臨場感やリアル感が個人的に一押しポイントでもあるんですよね。
ホンモノの水を使うと、波の動きや水への反射などを繊細にキャッチしますし、暗い夜でも非常に綺麗に水を演出することができ、やっぱりかなりリアリティがあります。ちなみに、撮影は『マッドマックス2』のディーン・セムラーなので、同じような意識を投入したのかもしれません。
※最近公開されたSF映画『レミニセンス』ではCGで簡単に水浸しの街を演出していましたね…
ただし、「水」における失敗ジレンマは当時かなり続いていました。
まずは、スティーブン・スピルバーグによる『ジョーズ』(1975年)ですが、自身でかなり痛い思いをしたこともあり、ケヴィンたちに「オープンウォーターでの撮影はやめたほうがいい」と告げていました。大西洋での撮影では、カメラが濡れたり、船の修理が必要だったり、予算が倍以上になったのです。『ジョーズ2』でスピルバーグが監督辞退したのは、そのせいもあるのでしょうか。
水もの映画の影響で「水没」した製作会社もある!?
また、1995年同年公開の映画に『カットスロート・アイランド』がありますが、これこそ「水もの」映画の悲劇の代名詞です。というか、「超予算オーバー映画」の代名詞かもしれませんが笑 ギネスに「最も興行赤字が大きい映画」とも。。。
なんと、この映画は1億ドル以上かけて製作したにも関わらず、興行収入はたった1千万ドルほど。
1割くらいしか回収できていないという惨憺たるありさまです。
『カットスロート・アイランド』の大失敗と『ショーガール』の不作も重なり、なんとこの製作会社だったカロルコ・ピクチャーズは倒産してしまいます(直接の原因とまでは明言されていませんが、ほぼ間違いないでしょう)。
カロルコ・ピクチャーズは、『ターミネーター2』や『ランボー』シリーズ初期3作品などでも知られ、決して小さな無名会社ではありませんでした。そんな製作会社をも「水没」させてしまう恐れがあるのが、水物映画だったのです。
実際、この後に公開されるジェームズ・キャメロン監督の『タイタニック』(1997年)では、公開前は「“海”を舞台にした映画は当たらない」とまで言われていたのです。ひどいですね。。。
キャメロンも勇者すぎます。彼は1989年に深海SF映画『アビス』をつくりますが、こちらも興行的には失敗の作品。当時は液体金属のような映像や斬新なCG技術もあり話題になりましたが、やはり製作費がかさんでしまうのです。その後に『タイタニック』で挑むって…勇敢で天才すぎるw
◆超困難な撮影現場だった!?キャメロンの深海SF映画『アビス』のネタバレ徹底考察はこちら!
片道6時間で撮影へ。しかし現場はすぐに変わってしまう。
どうして、そんな海での撮影が大変なのか?
それは、そもそも舞台がすぐに変わってしまう、すぐに壊れてしまう、キャストやスタッフも疲れてしまう、というような負のスパイラルが始まるからです。
キャメロンの『アビス』もそうでしたが、当時の海中もの映画って、もう死に物狂いで撮影をしています。実際、溺れかけたなんてケースは、『アビス』でも『ウォーターワールド』でも裏話として存在しています。
こちらの本に詳しく書いてあるようなのですが、まぁこれが大変大変。
「Making of WATERWORLD」
映画を見れば分かるように、この映画はほとんどずっと海上で物語が進みます。
ですので、当然セット(舞台)は海上にあるのですが、カメラの中に変なものが映るわけにはいきません。例えば、スタッフのプレハブがあったり、キャストの休憩場所があるのもNGなわけです。
それもあり、なんとセットまで片道6時間かけて移動するのです。
これで既に大変ですが、いざ着いたら天候が変わっていたり、波が激しくなっていたり、風が強くなっていたり。20メートル/秒の強風もあったとか。。
プロダクションのスタッフは、ジェットスキーで現場に通っていたといいます。
大変すぎる。。。
それだけではありません!
ハリケーンで撮影ストップ。コスナーは自費2,000万ドル投入
ハリケーン警報によって撮影が3度もストップしたり、
ハリケーンが海上セットを破壊してしまうこともあるのです!!!
作り直すために数百万ドルかけたり、時間もかかるので撮影ストップしたり。
色々と予算が膨らむ中、
なんと製作に入っていたケヴィン・コスナー自身が自費で2,000万ドルを投入するという事態に。
か、過酷すぎる。。!!!
まだまだ大変です !!
片道6時間の移動だけでも船酔いしそうなところを、
その後もずっと船の上で撮影なので、健康状態がすぐれないキャストやスタッフも続出。
また、撮影中に船体が沈んでしまい、
ジーン・トリプルホーンとティナ・マジョリーナが溺れかけることも。
UniversalPictures/Photofest/MediaVastJapan
想像を絶する撮影現場だったことがうかがえます。
それほどまでに大変な撮影であったからこそ、製作費も当初予定の1億円から大幅にオーバーして1億7500万ドルにまで膨れ上がってしまったわけです。
そして、これが、次なる疑問の「どうしてアメリカでは受けずに、世界では受けたのか?」という問いに対する個人的な推察に繋がってきます。
製作費問題の報道…世界各国では受けた理由とは?
当時、製作費の問題に注目が集まり、メディアもイイネタだと思って大失敗を期待するかのいうな報道。また、ケヴィン・コスナーも、有名なハリウッド俳優ではあったものの、彼の登場する映画が興行収入的にそこまで光るものがなかったのも重なり、結構アメリカ本国では、公開前や公開中から、「あまり面白くない」「冷やかしにみてやるか」という先入観が蔓延していたのではないかと思うのです。
これは、ディーコンという悪役を務めたデニス・ホッパーも公言していますが、“So over budget”をネタにした報道が、失敗を導いたのではないかと。
確かに、そう考えると諸外国では受けたことにも納得がいくんですよね。
アメリカ以外の国は、そこまでメディアが面白おかしく批評するような報道をしていなかったからでしょう。
実際、日本でも「ケヴィン・コスナーはイカしたダンディおじさん」みたいなイメージで、決して興行収入的に失敗している俳優と言うイメージやそこをネタにする批評家もすくなかったと思います。
また、製作費の問題に目をつけてこき下ろしたり、海ものだから流行らないなどといいった前告知もなかったのではないでしょうか。
むしろ、日本では「ハリウッドが大金をかけてつくった渾身のSF映画!」みたいな宣伝をすると思いますし、それをみてほとんどの人が興味持って映画館に行ったのではないでしょうか。
午後のロードショーのオープニングとしては、実はこのウォーターワールドのテーマ曲である『Escaping The Smokers』が使われています。日本では割と人気だったということもあるのではないでしょうか。ちなみにあの音楽(byジェームズ・ニュートン・ハワード)はコスナーのこだわりでようやく出来たもので、アドベンチャー感あふれる名曲だと思っています。
※序盤、なぜかマリナーが襲われている時に流れるので少し浮いてる気がしますがw
個人的には、『ウォーターワールド』がアメリカで”an ambitious misfire”なんて叩かれているのも、メディアやスタジオの不必要な「予算オーバー」発言が原因ではないのかと思うんですよね。
荒廃感ある世界観が魅力的。アンティーク調のこだわり?
ということで、映画の裏側の話が多くなりましたが、ストーリーについては実際どうだったのか?
とにかくシンプルな物語になっています。
一言で言うなら「世界観は最高だが、ストーリーは単調」といったところでしょうか。
まあ、これがハリウッド映画らしい娯楽エンターテインメント!といえばそれまでですがw
割と人気なところは、冒頭やアトールのシーンでしょう。僕も好きです。
この冒頭数十分でウォーターワールドの世界観にのめりこんでしまうんです!
かなり細部までこだわってつくったのかなぁという印象です。
未来と言えども、あまり近未来的なものではなく、すべてアンティーク調なものでつくられているのもおすすめポイント。というか、むしろ今より技術レベル低い感じがまた荒廃感の演出に拍車をかけています。
そもそも主人公の乗る舟だって、手作り感のあるボートといったイメージで、とても最先端とはいえません。船内の備品も、どこかすべて錆びてしまっている印象で、ぴかぴか光っているものや現代技術をにおわせるものは一切画面に映し出されません。
Nothing’s free in Waterworld。冒頭で突き付けられるこの世界
そのこだわりは随所にみられます。
冒頭、まずはマリナーが濾過?浄水器?みたいなもので「尿を真水にする」「水を栽培用の植物に与える」というシーンがあります。このシーン一発だけで「あ、この時代では真水が貴重なんだな」と刷り込まれ、さらに生き残るためには自分で力をつけなければならないということも伝わります。サバイバル感ってやつですね。
また、その後も、ピタゴラスイッチ的(笑)な装置もので、小さなビーズのような玉がいっぱいになると勝手に他の装置も動いていくみたいなシーンも画期的です。
そして、マリナーが潜っている間に、浮浪者にライムを盗まれてしまいます。この時代、土は貴重であり、その土からなる植物や果実は超高級品。しかし、最初は気づいていないマリナーは彼と普通に会話しているなか、男から情報を教えてもらったりするのですが、ここでまたこの世界観が一発で分かる台詞がでてきます。
それは、その浮浪者がいう“Nothing’s free in Waterworld.”という台詞。
この世界では、口頭での情報も含め、無料のものは何一つないという意味です。
そういう前提があるというの、面白いですよね。
ディストピア世界では本当にこのようになるのではないかと想像を駆り立てられてしまいます。
アトールのシーンに見る「法の欠如」「ビジネス」「生殖活動」
やっぱり人気なのは、人工島であるアトール(環礁)のシーンではないでしょうか。
スモーカーズという海賊団が襲ってきた後のアクションも面白いのですが、個人的にはその前ですね。マリナーが土を見せると全員が「土だ!!」と驚いたり、鏡(おそらく車のバックミラー)を見せると子供たちが目を丸くしてそれを見つめたり、ここでも何が高価なものなのかよく分かります。しかも、マリナーが船を離れる間は、子供たちに船を見てもらう代わりに鏡をあげるという取引まで。この世界ではすぐに誰かが盗むんですね。それはある意味で「法の欠如」のなれの果てを意味しているのかもしれません。
また、まるで原始人類のような物々交換の取引もいいですよね。
等価交換こそ、人類歴史におけるビジネスの原点ともいえるかもしれません。
一応コインのようなものがあり、それと交換することで真水を飲めるシーンがあるのですが、隣にやってきた男が「俺にも一杯くれ」といいます。
まるで、バーのようなシーンをウォーターワールド版でつくっているんですね。感激w
※ただ、真水は濾過装置でつくれるんだから、植物とか優先して取引した方がいいぞと思うが…
また、コスナーをみて謎の両親が子供を差し出して「種が欲しい」とお願いするシーンがあります。ウォーターワールドには、今ではなかなか問題になりそうなシーンがあるのですが、これもまた残酷でありながらリアルな世界を追求したのかなと思いました。あのアトールでは、彼らの子供は奴隷のような身分なので、誰も付き合ってくれる人がいない。そこで新たなやってきた男を目当てにするというわけですね。荒廃した文明社会では、このような生殖活動もありうるのかもしれません。
ミュータントは、生態系の環境変化に適応した証拠?
そんなこんなで船に戻ろうとしたとき、マリナーがミュータント(半魚人?w)であることが分かります。耳に鰓がついているので長く水に潜ることができたり、足に水かきがあるので泳ぎやすい両生人間なのです。
※X-Menみたいな展開で最初びっくりしましたよねw
ただ、彼を見つけたときの人々の反応を見ると、なぜか「嫌われている」ようです。
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かつてミュータントによる攻撃があったのでしょうか。
もしくはただ単に自分たちと違う生き物だから嫌っているのでしょうか。
この辺ははっきり明示されません。
このミュータント設定も個人的には世界観の創りこみの一つで好きです。
というのも、自然界に生きる生き物というのは、その環境に適応していくものです。
むしろ、環境に適応したものだけが生き残れるのが、生態系の世界。
この世界は、今の時代から相当先の未来でしょうから、ミュータントもその過程で生まれたのでしょう。実際、映画中盤ではマリナー自身がおとりとなっておびき寄せた「化け物」のなかに巨大な海中モンスターもいました。この滅びの世界では、生態系も大きく変化したのです。
マリナーはあだ名。名前が無いのは「不要」な社会だったから?
彼は一悶着の後に捕まってしまうのですが、ここでようやくグレゴリーというおっさんから「マリナー」と呼ばれます。それは海から来た男だったからだとおもいますが、実は、彼自身は一度も自分の名前を言っていないのです。
※ディーコンからは、魚っぽいことを皮肉られて”the gentleman guppy”と呼ばれる始末w
これもまた面白い点。
マリナーがどう生まれてきたかは分かりませんが、「社会」が存在しないならば「名前」も不要じゃないかというメッセージのように感じます。マリナーは名前ではなくて、あだ名なのです。
誰かと自分を区別するために存在するのが「名前」(=あだ名)であり、そもそもだれかと一緒に暮らすことがない世界やだれかと一緒に暮らすことがリスキーな時代では「名前」は不要なのです。彼がひたすら無口なのも、だれかと一緒に過ごしたことがないからでしょう。
※映画後半でもエノーラがディーコンたちに“He doesn’t have a name, so death can’t find him.(彼に名前は無い。だから死神も彼を殺せない)”と言っています。
そんなこんなで捕まってしまったマリナーですが、先ほどの酒場にいたヘレン(ジーン・トリプルホーン)に助けられるところから、物語は大きく動き始めます。
捕まっていたときに、緑の液体に埋没させられそうになるのですが、あれは死体をリサイクルしているようです。なるほど、この時代では、死体も立派な材料になるわけです。
ジェットスキー攻撃!火力勝負 VS 戦略勝負が見もののアクション
さて、ヘレンに助けられながらも、スモーカーズたちがアトールを襲ってきたシーケンス、この映画一番の見せ場?とも言えるアクションシーンが炸裂!
水上オートバイみたいなジェットスキーで壁を飛び越えたり、潜り込んだりと、なかなかの激しさ。
※途中からジェットスキーがちょっと楽しんでいるように見えるのはここだけの内緒w
結構な尺を使ってここのパートが描かれるのですが、セットまるごと破壊するような攻防はなかなか見ごたえあります。スモーカーズたちは機関銃や飛行機も持っているので、アトール側は手も足も出ません。とどめの一発は”KAMIKAZE”と呼ばれる特攻部隊による大爆発。
ってか、神風ってこの時代まで残っているんかいw
なんとか命からがら抜け出したマリナー、ヘレン、そして謎の少女エノーラでしたが、海賊軍団スモーカーズの攻撃が襲い掛かる!
こっちは武器ひとつないってのにぃぃいぃ!!!
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ここもかなり激しいアクション劇となっていますが、
スモーカーズとマリナーの両者の構造が浮き彫りになるところが面白いです。
スモーカーズは火力勝負で押しつぶそうとします。
それに対し、マリナーはワイヤーや波を利用した戦略勝負で立ち向かうのです。
これは映画後半のタンカーシーンも同じで、マリナーはあまり銃などを乱射してスモーカーズを倒すというより、なにか「うまい手」を使うことに長けています。
※本拠地のタンカーは、燃料へ火を突っ込まれたことでほぼ負けたといっても過言ではないですw
これは自然界でただひとり自給自足を繰り返してきた彼だからこその知略ではないでしょうか。
ディーコン率いるスモーカーズ。植物貴重なのにタバコはポイ捨てw
最後は、なんと撃ちまくっているうちに声が聞こえなくなっていたチャールズによって、
ボスであるディーコンの船を吹き飛ばしてしまいますw
これはマリナーがワイヤーでうまく機関銃を誘導したおかげもあるのですが、さすがに気づけよ!とも思ってしまう間抜けっぷりw
せめて、あのワイヤーの先端が尖っていたので、あれでチャールズを貫いて死んでおり、そのまま誘導の方が筋が通ってて良かったと思うのは僕だけ?w
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スモーカーズの親玉は、今は亡きデニス・ホッパー演じるディーコンですが、見るからに悪党キャラって感じが清々しいですw もう漫画の世界に出てきそうなラスボス感ww
ただ、途中で偽物の眼球がポロリと落ちたりするシーンがあるので、ちょっとコメディも入っているのか?w
あと、スモーカーズっていう名前ですが、これはタバコ好きだからなんですかね?
※最初、スレイバーズってのも出てきて混じったんですが、スレイバーズは奴隷所有者のことで、おそらく海賊団とは関係ないw
ただ、ちょっと矛盾っぽい点もあって、紙や植物を貴重にしている世界なのに、タバコを無駄に捨てたり、民衆にばらまいたりするシーンがあります。この辺は少し詰めが甘いのかも。
ディーコンは、ナイス悪キャラでイイのですが、最後は水上バイクで仲間とぶつかって死亡と言うあまりに雑な死に方w まぁ娯楽映画って感じもしていいんですがw
※彼とマリナーが最後に戦うタンカーのシーンは、大爆発や銃撃戦がインパクトあり見ごたえあり!
エノーラがドライランド出身である伏線、実は沢山あった!?
さて、この後はほぼ「マリナー、ヘレン、エノーラ」3人のシーンに焦点があたっていきます。というのもエノーラの背中には謎の入れ墨があるのですが、あれはどうやら幻の地である「ドライランド」へのマップではないかというのです。
ディーコンたちも少女の地図を探しているので、不覚にもマリナーたちと衝突するわけですが、ちょっとこの地図をめぐる争奪戦というプロットは、かなりありきたりな王道ストーリーではあります。まるで「お宝の地図はどこだ!」といった様子の戦いなので、非常に単純。頭からっぽにして見れますw
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ただ、ヘレンとエノーラはどうやら両親ではなさそうなのが、よく分からない。
両親ではないようなのですが、ヘレンは一体どのようにエノーラと会い、エノーラに愛着を覚えたのかがよくわかりません。
まぁ、それは良いとして、実はエノーラが「ドライランド出身」であるということは伏線が多く貼ってあります。
・エノーラが絵を描く時に馬やドライランドと思えるものを残している
・ウォーターワールドの世界なのに実は泳げない(=陸で育った)
・背中には中国語?ぽい字が書いてある(=ドライランドは標高が高い所)
また、エノーラの背中にあるタトゥーは一体だれが書いたものなのかもよくわかっていません。これは、おそらくドライランドにいた時に誰か(両親?)が、なんらかの理由でエノーラが奪われることを察して事前に残したのではないでしょうか。
もしくは、ドライランドには生き残った人類が強力な兵器を保持して島を護っており、エノーラ一家はその奴隷だったことから、背中に入れ墨を入れて、海の人間たちに売ったのかもしれません。いずれ戻ってくることを期待して。(平穏に思えたあの島、実は裏側には近未来技術を持った人間がいたりした方が、あんなでかい大陸なんだからむしろ自然では?w)
また、エノーラとマリナーは「友達」であることをお互いに思い始めます。
ディーコンにタンカーの上で問われた時も、「友達だからだ」と堂々とお返事w
ヘレンにいたったはマリナーと肉体関係を持つまでに仲良くなります。
アンチヒーロー?冷徹キャラから温和に、そしてまた孤独へ
最初は、なにがあっても自分の命を護ることに優先し、なにかとヘレンとエノーラを追い出そうとしていました。途中、エノーラを海に投げたり、ヘレンを商売人の浮浪者に売りつけようとしたり、また、ヘレンとエノーラの髪をばっさり切ると言う懲罰を行ったり、決してマリナーは彼女たちを守る気はなかったようです。
しかし、ヘレンとエノーラからずばり核心の迫った言葉を突き付けられるたびに、マリナーは少し心が動いていたのです。冷徹な態度で接していたマリナーは、いつのまにかエノーラに泳ぎを教えるまでに発展。ここまでくるともう完全にナイスダディですw
ただ、一説によれば、途中まで冷徹キャラだった彼が、途中から父親のように温かくなったのは、レイノルズとコスナーが対立したせいとも言われています。そのせいもあり、レイノルズはなんと途中で降板しています。
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これらから分かるように、マリナーは、実はこの映画では俗にいう「アンチヒーロー(Antihero)」ではないかと思うんですよね。
決して正義感溢れる優れた英雄ではなく、どこか非常識さが抜けずに、行儀も悪いキャラクター。途中で少し人間らしいところも見えてきますが、ラストでやっぱり彼は少し非常識に生きるヒーローであることも伝わってきます。
僕はあのラストは結構好きです。
すぐに見つかるドライランドw オルゴールは「歌声」の伏線回収?
ドライランドってちょっと移動しただけで見つかるのかよ!
あんな大きかったら、だれかとっくに見つけて住んでるやろ!!
というツッコミは置いておいて、どうやらエベレストの頂上らしき場所。
エノーラの背中に中国語が書いてあったのは、おそらくヒマラヤ山脈近くにいたチベット人の言葉ではないでしょうか。
※映画『2012』でも、洪水が来て逃げた先はチベット地方でしたね!
▼やっぱり到着地はチベット?エメリッヒ製作SF映画『2012』のネタバレ徹底考察はこちら!
「ドライランド」というのは「ウォーターワールド」の対比いう意味もあるのでしょう。
それだけ聞くと乾いた土地のようですが、実は新緑に満ちた大地だったのです。
ずっと海上ばかりだったので、久しぶりにみた緑や自然に、思わず感嘆!!w
(ハワイですが←)
そこには、森林の中を走り回る馬の姿や、頭上で鳴く鳥たちの声が。
まさにようやく訪れた、ユートピア世界です!
丘にある家みたいなところには、骨だけになった人間が。おそらくもう死ぬと思って男女二人が薬でも飲んで心中したのでしょうか。一体どんな滅びを見たのか、気になってしまいますねw
また、そこには、オルゴールのようなものが。
それをみて、エノーラは私の家だ、みたいなこと言いますが、あの辺で育ったのでしょうか?
そういえば、時折エノーラは鼻歌のようなものを歌ってマリナーに怒られていました。
この世界は歌や映画といったエンターテインメントは存在しないはず。彼女が口ずさんでいたのは、このオルゴールのおかげなのでしょうか。
こうして、みんなそれぞれの居場所を見つけて一件落着!
と思いきや、ラスト、マリナーは海に戻っていくのです。
海へ旅立つラスト。”偽物”のドライランドの方が好きだった?
ヘレンとエノーラ、そして気球で助けてくれたグレゴリーはじめ、一緒に暮らしていくハッピーエンドと思いきや、マリナーは自分が育った海へと旅立つ。それは、おそらく、聞いたことのない鳥の声や獣が走る音に対して、どうしても慣れなかったのでしょう。
この点については、冒頭から描かれるマリナーの一貫性を感じ取ることができます。
水は自分の尿から使いまわす自給自足、自身の名前が不要な社会、ミュータントであることから忌み嫌われる世界。そんな海の世界で生きてきた一匹狼のマリナーにとっては、陸で生活なんて考えられないのです。
今の僕らにとって、突然、これから海の上で暮らせ!と言われているような感覚でしょう。
エノーラは船酔いならぬ「陸酔い」という表現まで使って、泣いてマリナーの旅立ちを止めようとしますが、マリナーは受け入れず。ラスト、彼は海へ旅立っていくことで終わります。
そういえば、マリナーは途中で「ドライランドに行ったことがある」と言っていましたが、あれは嘘だったのでしょうか?個人的にはあれは嘘ではなく、海底にあったものを本気で「ドライランド」と呼んでいたのかなと思います。
ある意味で、マリナーにとっての「ドライランド」=「みんなが求める地」は、マリナーがずっと思い込んでいた海底の偽物「ドライランド」だったのかもしれません。
あの海底シーンはなかなか衝撃的ですよね。
まさに『デイ・アフター・トゥモロー』や『2012』のような世界になったら、
人間社会はあっという間に海の下に呑み込まれ、海洋惑星へと変貌するのでしょう。
廃れた建物がたちならぶ海底世界は、非常に神秘的な部分もあり好きです。
映画序盤では「ご先祖様がこんな世界にしてしまった」というセリフがありますので、この世界の人間たちはその歴史を知っているようですが、噂話の域を出ないのでしょう。人間は二本足で動く陸地の生き物、みたいな表現もあるので、もともとは海底にあったような世界だったことはなんとなく伝わっているのでしょう。
言語はバラバラであるべき、女性や黒人がもっと登場すべき
歴史といえば、仮に海洋世界になったとしても、なぜか登場するのは白人男性ばかりなのは、世界観の創りこみ不足ではあるかもしれません。当時の映画業界的な意味もあったかもしれませんが、黒人やアジア人だけが全滅したというのは考えづらいですよね。
むしろ、エベレストで育ったエノーラは中国系であるべきです。
※多様性と言う観点では、女性軽視と思わざるを得ないシーンも多く少し不快に感じる方もいるかもしれません。。。
また、言語もそれぞれバラバラになっているべきです。
全員英語というのは、ちょっとイージーモードですw
実際、背中のマップには漢字らしきものが書いてありますしね。
言語と言えば、途中、浮浪者が紙とヘレンの交換を依頼するシーンがあります。
実は!!
ここで実はさりげなく紙に「機内サービスの案内」という日本語が載っています!笑
飛行機が標高高いエリアで墜落して、紙だけ残っていたのでしょうか?w
あと、これは気になった点。
この紙を交換するシーンでは、マリナー自身、紙の価値を感じている一方、後で船の中にあるボックスから雑誌のようなものが出てきます。あれは、浮浪者から貰ったものの割にはかなり分厚かったので、おそらくマリナー自身が持っていたと思うのですが、そしたらなぜあんなに紙を貴重そうに眺めていたのか、整合性がつきませんw
この辺のちょっと甘かったところは、レイノルズとの対立があったコスナー自身も”It was flawed — for sure.”と認めているところでありますが、それでもしっかり1本の映画として完成まで持って行った努力も認めてあげたいところです。水もの世界は、本当に鬼門だったわけですから。
参考:『ウォーターワールド』ハリウッド映画の鬼門“水”に、誰もが“失敗作”と覚悟した海洋大作
現代社会の環境問題も問う?しかし、メッセージは薄い!
最後に、実はこの映画は「現代社会の環境問題」もテーマにしている点。
確かに海面上昇に見られる異常気象や環境問題、化石燃料に始まるエネルギー問題、温室効果ガスなども考えさせられる点ではあります。
人類がこのままなにも顧みずに進めば、いずれはこういう地球になるのかなぁ?と感じられるのはうなづけるのですが、もう少しメッセージ性があっても良かったのかなと思うんですよね。
ご先祖様がこんな世界にしてしまった、くらいしかそれらしいものがないので、あまり観ていて現代社会の在り方を問いかけられているようには感じません。
完全にエキゾチックな世界として鑑賞していて、それこそUSJのアトラクション気分。
ほかのディザスタームービーのような余韻があるかといえば、あまり無いんですよね。
この辺も多くの批評家が思うところでしょう。
ケヴィンたちは、そういったメッセージも込めているようですが、環境問題をメッセージというのはやや大げさな気もしてしまいます。(”pretentious”という海外批評も)
※ただし、海賊集団スモーカーの本拠地でディーコンが最後に死ぬシーン、これはまさにそんなメッセージを込めたパートのひとつであるといいます。それは、1989年に起きた『エクソンバルディーズ号原油流出事故』であり、監督は「地球規模の原油流出事故を忘れてはいけない」という思いを込めたらしいです。
UniversalPictures/Photofest/MediaVastJapan
続編ドラマが始動!!映画は20年後?彼らも再登場するの?
さて、そんなこんなでUSJのアトラクションにもなるほど有名な作品でもある今作、実は最近続編の発表が公開されました!!
ケヴィン・コスナー主演『ウォーターワールド』続編ドラマが始動 ─ 映画の20年後描く、主要人物も再登場
監督は「プレデター」シリーズ(1987年〜)や『10 クローバーフィールド・レーン』(2016)で有名なダン・トラクテンバーグが就任。これは期待大!!
NBCユニバーサルの自社配信サービス・Peacockにて米国配信が実施される可能性が高いとのこと。
まだ企画の初期段階のようですが、これは楽しみすぎですね!
20年後の世界が舞台設定らしいですが、
人々はドライランドに移り住むようになったのでしょうか?
マリナーとヘレンは子供を生んでいるのでしょうか。
マリナーは引き続き登場するのか、それとも老いぼれ仙人になっているのか?
気になるところは多いですが、あの世界観がまた見れると思うと楽しみですね!
しかし、実は2012年にも、ケーブルテレビ局のSyfyがテレビシリーズとして続編を検討していたこともあります。映画『スターゲイト』をTVシリーズ化して成功した例もあるテレビ局でしたが結局、実現はしなかった模様..詳しい理由は分かりませんが。
米ケーブル局のSyfy、ケヴィン・コスナー主演の映画「ウォーターワールド」をTVシリーズ化か?
なので、今回もあまり期待しすぎないほうがいいのかも?w
ということで、映画『ウォーターワールド』の徹底解説でした!
ぜひ、また久しぶりに見てみてください♪
今後の続編を楽しみにしています!
それでは、またお会いしましょう!!
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