2021/10/15公開の『デューン/砂の惑星』はひどい?いや、大作では?
固有名詞や気になる点をネタバレ感想で考察し、徹底解説!
映画化リメイクの地雷原?SWやナウシカに影響?
原作比較、皇帝の目的、ポールとメランジの関係、ハルコンネン家とは?
いざ、SFの世界へ…!
デューン/砂の惑星 のネタバレ感想・考察・徹底解説 (Ryo)
さて、本日は2021/10/15公開のSF映画『デューン/砂の惑星』についてネタバレ徹底考察!
SFファンなら誰しも期待していた話題作だったのでは!?
本作は、難解?駄作?という評判がある一方、圧倒的な映像美や世界観の創りこみでの高評価も多く、現在、Rotten Tomatoでは支持率89%!
批評家からのコメントも結構良いものが多く、名作ともいえる熱さになっていますね!
個人的には、スターウォーズ的に言うと、
『エピソード4みたいにやればよかったけど、エピソード1を先にやりました』
って感じですかね。
分かりやすさや楽しさよりも、凝った世界観を先に説明してるっていう印象でした♪
ということで、
早速、IMAX上映で観てきましたので、
ビジュアル・映画的な面白さから、
分からない固有名詞の解説、気になるポイントや、原作との比較を含め、
22項目でネタバレ感想&徹底解説していきます!!!
- スターウォーズにも影響!超有名SF小説の映画化!?
- 今回で5回目。ファンタジー映画の地雷原!?
- ①1970年代・アレハンドロ・ホドロフスキーの未完作品
- 製作中止の話がドキュメンタリー映画になっちゃうレベルw
- ②1984年・ディビッド・リンチ映画版は超失敗作?
- ③④2000年代・テレビシリーズは、まぁまぁヒット!!
- ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の挑戦!実はデューン愛好家!
- 美少年 ティモシー・シャラメ が大人気!?
- 重低音の劇伴がヤバい!音楽が神過ぎる!!!
- 前半はやや冗長的?ただ、映像は圧巻!!IMAX必見!
- メカファンに人気なオーニソプター、怪物好きはサンドワーム
- 1万後の世界には意味がある?コンピュータがない理由とは?
- 皇帝の目的は?なぜハルコンネン家はアラキスから追い出された?
- 先住民フレメンとは?メランジはドラゴンボール的な最強の存在!
- ド迫力のVSサンドワーム!!メランジ採掘は命懸け!
- 予知夢を見るのはなぜ?『ベネ・ゲセリット』教母は何をした?
- クイサッツ・ハデラックって?修道会の目的は何?
- ハルコンネン男爵の夜の奇襲攻撃!皇帝の親衛隊もいた理由は?
- 読真師とは?ポールとジェシカだけ連れ去られた理由、そして…
- 覚醒したヴォイス!ただし、ちょっと共感しにくいのが低評価?
- 未来が見えた!ジャミスを倒し、フレメンの救世主へ?!
- 気になる続編のカギは「予知夢」?ポールは未来を変えられるのか?
スターウォーズにも影響!超有名SF小説の映画化!?
まず、本作は、1965年に出版されたフランク・ハーバートの代表的なSFファンタジー小説が原作となっています。こちらの作品はSFファンであれば誰もが知る小説であり、ヒューゴー賞とネビュラ賞 長編小説部門のダブル受賞のみならず、日本では星雲賞長編部門も受賞。爆発的な人気ゆえにシリーズ化され、『砂漠の救世主』『砂丘の子供たち』『砂漠の神皇帝』『砂漠の異端者』『砂丘の大聖堂』と5部にわたって出版されています。
フランク・ハーバートが亡くなってからも、その息子のブライアン・ハーバートとケヴィン・J・アンダーソン(スターウォーズなどのノベライズで知られる)による共著で『砂の惑星』に至るまでの過去譚シリーズも2000年以降に出版され、再び話題を呼びました。
今回の映画も、そんなSF大河小説『デューン』の映画化作品です。
ただし、原作は濃厚&再現が難しい為、
今作は2部作構想の第1弾であるらしく、原作の前半部分をほぼ網羅する形となっています。
※新約版文庫本3巻の約半分
SF小説として有名っていうけど、実際、どれくらい有名なの?
という話ですが、なんと、あの『スターウォーズ』の生みの親であるジョージ・ルーカスも『デューン』に影響されたとのこと。旧三部作、たしかに共通するところが多いですよね。
例えば、砂の惑星っていうシチュエーション自体、タトゥイーンに似ていますし、そこに登場するサンドワームも、ジャバズハットのシーンに出てくる怪物サルラックに似ています。皇帝が宇宙を統一している点、ギルドといった通商団体が力を持っている点、フォースのような超能力「ヴォイス」がある点など、どこまで影響されたかは定かではありませんが、思い当たるところは結構あります。
今回で5回目。ファンタジー映画の地雷原!?
その他にも、ジブリ作品である『風の谷のナウシカ』のオウムもサンドワームに触発されていたり、キャメロン映画『アバター』にも影響を与えたとも。
SF小説の巨匠アーサー・C・クラークも、”I know nothing comparable to it except Lord of the Rings.”とのことで、『ロード・オブ・ザ・リング』以外に比較しようがないというほど、壮大な物語であることがわかります。
『スターウォーズ」や『ロード・オブ・ザ・リング』に匹敵する人気世界を構築したこちらの作品。
なぜ、今まで映画化されてなかったの!?
って話ですが、実は、過去に何度もチャレンジしては失敗しているのです。
押井守監督も『ファンタジー映画の地雷原』『難攻不落の要塞』とコメントしているあたり、映像化において実はかなりの鬼門であったのです。
だからこそ、今回の映画化は、多くのファンやメディアが前々から騒いでいるわけですね。
去年公開予定だった今作、
コロナの影響で今年10月となりましたが、
『デューン』の映画化・リメイク作品としては、通算5度目!!
それでは、『デューン』の映像化への歴史を振り返ってみましょう!
①1970年代・アレハンドロ・ホドロフスキーの未完作品
まずは、1970年代。
71年、『猿の惑星』シリーズで有名なプロデューサーのアーサー・P・ジェイコブスが映画化権を取得し、デヴィッド・リーン監督で予定していましたが、ジェイコブスが制作開始前に亡くなってしまっため中止。
その後、1975年に、チリの巨匠であるアレハンドロ・ホドロフスキーにより、映画化が進みます。こちらが、『デューン』の映画化の歴史の中で一番のキーになります。
というのも、かなりの主要キャスト・スタッフを集めて製作に取り掛かっており、その多くが後のSF作品で大きな功績をつくっていることから、「映画化されなかったが、SFにおいては大事な未完作品」みたいな位置付けなんですね。
後に『エイリアン』シリーズで有名になるキャラクターデザインのH・R・ギーガー。
音楽にピンク・フロイドですし、主役の少年は自分の息子のため武術を徹底的に叩き込む。
脚本は『スターウォーズ 新たなる希望』のダン・オバノン。
実は後世の映画界に多大なる影響を及ぼしているんですよね。
しかし、なぜこの作品も頓挫してしまったのか?
それは、あまりの「長さ」と「コスト」でしょう。
まず、映画は12時間になると当時ホドロフスキーは伝えていたようです。
12時間ですよ。。
これは確かに無理ゲーですw
製作中止の話がドキュメンタリー映画になっちゃうレベルw
映画館で12時間のものなんて、いくら原作が有名だからってヒットするわけがないですよね。ホドロフスキー自身のこだわりは感じますが、商業的な意味ではほぼ実現不可能でしょう。ってか、長さ的にはテレビドラマ化できるレベルですが。
あまりに長い映画化構想、コストもバカにならなかったみたいです。
原作を忠実に再現しようとすれば、それは当時の技術ではなおさら時間もお金も膨大に大きくなる一方でしょう。
最終的に断念せざるを得なくなりましたが、あまりに後の映画に貢献しているとして、実はこの制作中止になった物語がドキュメンタリー映画『ホドロフスキーのDUNE』として2013年に公開。
制作が頓挫したストーリーがドキュメンタリー映画になっちゃうって。。。
レベル高すぎ!!!!!
②1984年・ディビッド・リンチ映画版は超失敗作?
お次のチャレンジャーは、1984年に映画化した(しちゃった)デイヴィッド・リンチ。
元々は、『エイリアン』『ブレードランナー』などで知られるリドリー・スコットが監督に内定したようですが、制作が思うように進まずに、デイヴィッド・リンチに。
※リドリー・スコット版、みてみたかったなぁ!!!!!
なんとか映画化できたこの作品、しかし、かなりの不評作品で、どこからも「失敗作」とお呼ばれてしまいます。その言われようはひどく(笑)、SFファン、原作ファン、そして原作者にも不評w なんとこれをつくった監督自身も「最終決定権が監督自身になかったことから、大変悔しい思いをしたし、残念な結果を迎えた」とのこと。。。
4,000万ドルの制作費に対して、興行収入も3,000万ドルで、かなりコケていることがわかります。
うーむ、手を出してはいけないところに手を出してしまった、というところでしょうか。
もはや「パンドラの箱」扱いw
③④2000年代・テレビシリーズは、まぁまぁヒット!!
ホドロフスキーもデイヴィッド・リンチも、失敗に終わった『デューン』映画化。
お次のチャレンジはジョン・ハリソン監督。
こちらの監督は、テレビドラマでミニシリーズとして制作をします。
2000年に『デューン/砂の惑星I』、2003年には『デューン/砂の惑星II』を公開し、こちらは1984年版よりは原作に忠実だったとのことで、ファンからの評判はだいぶましだったようです。ただし、当時の技術+ドラマクオリティということで、映画ほどの迫力はなかったらしいですね。
そんなこんなで、その後も、多くの映画監督が映画化を試みますが、どれも不発。
そんな中、映画化を見事完遂させたのが、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督です!!
※過去の映画化ドラマの時点でヤバさがわかるのに、そこに挑戦するドュニ半端ないっす!
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の挑戦!実はデューン愛好家!
こちらの監督は、『メッセ―ジ』や『ブレードランナー』の続編を制作したことで有名だと思いますが、なんと子供のころから『DUNE』の愛読者であり、映画製作におけるバイブルであったらしいです。つまり、作品愛は尋常ないほどあるわけですね!
▼ドュニ監督のSF映画といえばこれ!斬新な点から宇宙人を描く本作をネタバレ感想・解説!
監督は今作を「ダークな世界観ではありながらも、娯楽に満ちた作品」「自分がこの原作に出会ったのは14歳頃だったので、同じような世代の子どもたちに見てもらえるような作品になるよう意識して作った」とのことで、多くの方に響く世界観の構築に努めたようです。
今回の映画化に伴い、レジェンダリー・テレビジョンはスピンオフシリーズ『Dune: The Sisterhood』を製作し、HBO Maxで配信することも決まっています。
ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督のおかげで、もしかすると『スターウォーズ』や『ロード・オブ・ザ・リング』レベルの人気シリーズになるかもしれませんね!
美少年 ティモシー・シャラメ が大人気!?
キャスト陣ですが、まずは迷える主人公ポール・アトレイデス役であるティモシー・シャラメ。こちら、まさに「美少年」といったイメージがぴったりな、魅惑的なキャラクターです。
それこそ『ロード・オブ・ザ・リング』の主人公のような、どこか不運な社会のなかで希望を掲げる若者といった印象がぴったりです。フランスの血もあるみたいでほりが深く、特徴的なイケメン俳優という感じですね。
※実は『インターステラー』ではトム・クーパーの幼少期を演じていますw
(C)2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
そして、その母親役ジェシカを演じるのがレベッカ・ファーガソン。
この第1弾は、ほぼ母と子のストーリーですので、二人がメインキャラクターとなります。
レベッカ・ファーガソン、ついこの前どっかで見たと思ったら、1か月前の9月公開映画『レミニセンス』のメイ役でしたねw
また、ディズニー製作の続三部作『スターウォーズ』シリーズに登場するポー・ダメロン役オスカー・アイザックが、父親のレト・アトレイデス公爵として登場しています。
※髭ぼーぼーすぎて、全然わからんかったとですw
重低音の劇伴がヤバい!音楽が神過ぎる!!!
そして、スタッフ陣といえば、なんといっても、音楽が超!!!特徴的です。
IMAXで観るとより実感しますが、非常に独特な重低音の劇伴が流れるんですよね。
これは、ハンス・ジマーというベテラン作曲家が担当をしているからですね。
彼は、『ザ・ロック』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』『ブレードランナー2049』で有名です。
ちなみに、実はクリストファー・ノーラン『TENET テネット』への参加依頼もあったようですが、そちらを蹴って今作に参加しています。というのも、実は彼も『デューン』愛好家だったのです。こうして考えるだけでも、非常に多くの方がファンであることがわかりますね。
それにしても、彼の音楽は、凄かったですね!!
どこか不気味な不協和音を思わせます。重低音で流れる感じは『メッセージ』との宇宙人コンタクトシーンにも似ていますね。宗教的・運命論的な雰囲気を感じさせる彼の音楽は、物語の深みを演出するのに大きく寄与していたと思います。
(C)2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
前半はやや冗長的?ただ、映像は圧巻!!IMAX必見!
さて、前置きが長くなりましたが、この映画、なんと2時間35分もあるんです。。
これが、ちょっと長い!!ww
なので、一言で言うと、
「SFファン的には嬉しいビジュアルとストーリー。けど、、、長すぎてちょい退屈!!!」
という感じですw
特に前半は、大きなアクションシーンがあまりなく、領家の関係性や歴史、背後関係の説明となるシーンが多く、それで今作の前半部分くらいが占められているので、正直テンポはよくないですよね。途中から横文字の固有名詞が多くなったり、原作ファンしか分からないようなパートも多くなるので、ちょっと分かりづらいというレビューが多いのも頷けます。それでいて、ラストもちょっと中途半端な形で終わるので、あまりカタルシスや爽快感はない映画かもしれません。
※あくまで二部構成の一部目、なので、、、ご容赦をといったところか
しかし、映像は本当に圧巻でした!!!
(IMAXだから?)
砂の惑星なので、終始砂が飛んでいて、ちょっと薄汚い感じはあるのですが、それでも砂漠のシーンなんて非常に綺麗です。戦闘シーンも、巨大な宇宙船が舞い降りてきたり、レーザー光線のようなもので基地を破壊したり、シールド発生装置のようなもので体や船体を守ったり。
これはぜひ、IMAX劇場で見てほしいと思いますね。おススメです!
(C)2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
メカファンに人気なオーニソプター、怪物好きはサンドワーム
そして、SFファンや批評家の間でとにかく人気があるのが、羽ばたき機、通称『オーニソプター』ですね。監督自身も一番お気に入りのメカであるらしく、ファンも「あれに乗りたい」「プラモデル欲しい」といった声が多数w
どこかトンボや虫のように羽を羽ばたかせて飛ぶこのマシンは、重厚感ある機械で構成されており、非常にデューンの世界観とマッチしています。まるでヘリコプターのように段々と回転速度をあげたり、砂ぼこりを発生させて飛んでいくシーンや羽や足をたたんでツッコんでいくシーンなど、メカ好きなら興奮間違いなしでしょう笑
あと、映像的に、技術的にスゴイなと思ったのが、サンドワーム(砂蟲)ですね。
※フレメンには「シャイ・フルド」と呼ばれています
(C)2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
なかなか不気味ですよね~!
針のように尖ってはえている無数の歯。
波のように砂が波打って押し寄せてくる恐怖。
全長400メートルを超える巨大個体の戦慄。
最初すぐに正体を明かさずに、中盤で出てくるのも一押しポイント。
砂の中に隠れて、現われたと思ったら、口だけ、みたいな焦らしプレイがまたいいですねw
デザインいいなぁ~と思いましたが、なんと1年を費やしてデザインするほどの徹底ぶり。
スゴっ!!!
ドュニーーーーーー!!!!!!!
1万後の世界には意味がある?コンピュータがない理由とは?
さて、ストーリーの考察に入っていきましょう。
全体観として、こちらの作品は、ハルコンネン家とアトレイデス家という二つの大きな領家による派閥争いが主軸となっています。その攻防戦に、政治団体や皇帝の思惑も絡んでくるので、人間同士の醜い権力闘争がメインメッセージのような気がしますよね。
近いところでいえば、『ゲーム・オブ・スローンズ』でしょうか。
物語の舞台は、今から約1万年後の世界。
ん!?1万年後!?!?!?
映画ではカットされていたと思いますが、原作では、この1万年後にも意味があるようです。
(C)2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
実は、技術進化を発展させてきた人類は、「バトラーの聖戦」と呼ばれる、人工知能の反乱に対する聖戦を行います。結果、人類は人工知能から解放され、それ以降、コンピュータのようなものを生み出すことを禁止します。
なるほど、どうりで1万年後とか未来といいつつ、そういった技術が出てこないわけですね。未だにスプーンを使って食事したり、刀のようなもので戦っていたり、デジタル画面ではなく紙で署名しているのに納得です。
※飛行機や重機はだいぶガッツリパワーアップしていますが^^
また、そういった経緯があるため、「メンタート」と呼ばれる、高度な演算能力・推論能力を持つ人間がおり、彼らがコンピュータの代わりとなっているようですね。
皇帝の目的は?なぜハルコンネン家はアラキスから追い出された?
そんな10191年のある日、宇宙の皇帝シャッダム4世はハルコンネン男爵を砂の惑星(デューン)であるアラキスの統治者から解任し、残虐的なハルコンネン家とは対照的に慈悲深く人民に寄り添うアトレイデス家の公爵を新たに抜擢。これを起点に、物語は始まります。
(C)2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
●アトレイデス家
・赤い鷹の紋章
・豊かな海洋を持つ惑星カラダンを統治する公家
・統治者レトは正義感が強く慈悲深い性格(イケメン髭ずら)
●ハルコンネン家
・牛の紋章
・工業地域が多い惑星ジエディ・プライムを故郷とする公家
・ウラディーミル・ハルコンネン男爵は利己的で残忍な性格(ハゲのデブ)
※そういえば『アフターアース』で登場する人類の移住先は「ノヴァ・プライム」でなんか「ジエディ・プライム」と名前似ているけど、これは偶然?w
ネタバレを先にすると、なぜ、皇帝は統治者の変更をしたかというと、一見「ハルコンネンが悪いことしているから」という理由に見えて、実は「ハルコンネンとアトレイデスを仲たがいさせて戦力をお互いに消耗させてやる!結果、アラキスも俺のものにしてやる!」という陰謀があったのです。
この大いなる陰謀に巻き込まれたのが、アトレイデス家の公爵の息子であるポールであった、という話なんですね。
(C)2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
さて、皇帝がハルコンネンをアラキス統治から外した言い分としては、ハルコンネンの悪しき政治体制がありました。彼らは80年近くアラキスを統治してましたが、以下の点が問題となっていました。
・アラキス先住民であるフレメンへの残忍な統治・搾取を行っていた
・メランジという超貴重なスパイスを高値で販売し、巨万の富を築いていた
さて「フレメン」と「メランジ」という聞きなれないワードが出てきましたね。
先住民フレメンとは?メランジはドラゴンボール的な最強の存在!
フレメンというのは、アラキスに住む先住民族です。何千年もかけて砂漠で生きる術や知識を蓄えているので、砂漠では彼らが最強といえるでしょう。目が青いのが特徴ですが、これは大気中を舞うスパイスの影響だと言われています。
水を最重要視する彼らは、救世主『Lisan al Gaib(リサーン・アル゠ガイブ)』がいつか現われることを信じています。それは〈外世界からの声〉〈水の贈り主〉とも呼ばれ、惑星外からの預言者ともされています。
(C)2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
そして「メランジ」というのが、デューンの世界ではキーワードです。
というより、ほとんどこれが原因で戦争が起きているので、「ドラゴンボール」並みに皆が欲しい存在ですね、いっそタイトルは「メランジ」の方が良かったのではと思っちゃいます笑
このメランジ、「香料の中の香料」「スパイスを制する者は宇宙を制す」と言われるくらいなのですが、なにがスゴイかというと、以下のような点になります。
・砂の惑星アラキスでしか獲れない
・不老長寿や意識覚醒の効果がある(神聖な麻薬とされる)
・ベネ・ゲセリットの超能力などはメランジに依存する
・宇宙各地で高値で取引される
・旅行の燃料になる
「スパイス」なんてきくとただの調味料のようですが、そんなんではありませんw
スターウォーズでいえば、フォースが使えるようになる調味料みたいなイメージでしょうか。とにかく、これがあれば不老不死にもなれるし、リッチにもなれるし、うまいことだらけなんですね。これを独占してしまっているハルコンネン家に、それは皇帝も気に食わないわけです。
早速、新しく統治を任されたアトレイデス家のレト公爵は息子のポールや戦士ダンカンと共に、メランジ収穫現場に同行します。これだけ貴重なスパイス、実は森の中で優雅で積めるかと思えば大間違い!砂の惑星の「砂漠」でしか収穫できないののです。
ド迫力のVSサンドワーム!!メランジ採掘は命懸け!
メランジの採掘が難しいのは、それだけではありません!
その砂漠には、前述のオウムことサンドワームが潜んでいます。
スパイスゲットしたって、食べられてしまえば、人生終わり!
命懸けのスパイス収穫作業、ですねw
先住民フレメンに率いられてやってきた、メランジ収穫の社会見学…と思いきや、
早速サンドワームが向こうからやってくるじゃんか!!!
えぇえーーー!!!
こえええ!!!!!!!!!!!!!!
そんな怪物が常に隣り合わせなんか!って思ってしまいますが、
それほど過酷な状況で獲れるものなんですよね。貴重さの度合いが分かります。
採掘機のような重機でスパイスを収穫していますが、何百メートル先からか、津波のごとく砂の中から迫り寄ってくるので、重機ごと持ち上げようと別部隊が上から接着作業を始めます。。。
と思いきや!!
なんとアームが一つうまく重機をつかむことができず、持ち上げられない事態に!!
ハルコンネンが置いていったものは、使い物にならなかったのです!
ここの緊迫シーンは非常に見ごたえがありますね!!
うおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!
(C)2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
予知夢を見るのはなぜ?『ベネ・ゲセリット』教母は何をした?
正直、序盤は領家の政治関係みたいな説明が多いのでちょっと退屈なんですが、
このあたりから一気に映像とストーリーに引き込まれていきます!
ものすごい勢いで押し寄せてくるサンドワーム。
うまくアームで救出できなかった採掘作業部隊。
そこに、さすがは新統治者!アトレイデス家公爵は、すぐに、オーニソプターへ作業員を数人ずつ乗せて助けようと提案します。
ポールも協力するために、砂漠に降り立って作業員の誘導を始めますが、メランジの砂をかぶったポールに、なにやら異変。予知夢を見るのです。
実はポールは、夜ごと謎の予知夢に襲われていました。
そこには「少女」が登場するのですが、この砂漠でみた予知夢にも「少女」が出てきます。
(C)2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
メランジの力のひとつに「意識の覚醒」がありましたが、まさにそれに触れたためといえます。
しかし、もう一つ大事なことがあります。それは、ポールがアラキスへ行く少し前に、女子修道会『ベネ・ゲセリット』の教母から”儀式”が行われたのです。
ポールはその儀式で苦痛に耐えます。これにより、本来は女性にしか伝授してはならないと言われている「ヴォイス(繰り声)」という能力を母親はポールに習得させようとしていたことが発覚します。
序盤、この辺の説明が次々と出てくるのが、ちょっと難しさを助長させているんですが、そもそも『ベネ・ゲセリット』とはなにかというと、精神と肉体の鍛練が目的の修道会(教育機関)です。なぜ、精神と肉体を鍛えているかと言うと、思考機械が破壊された後にそれらが大事だとされたからですね。つまり、とても古い歴史を持つ修道会なのです。
※映画ではほとんど説明ないけど。。。笑
クイサッツ・ハデラックって?修道会の目的は何?
メランジは、超能力を覚醒させるスパイスでもあるので、それによって代々ベネ・ゲセリットの魔女たちは、驚異的な知覚能力を持っていたり、ずば抜けた身体能力を持っていたりします。この設定も終盤で活かされるので、大事な要素となっています。
そして、この修道会のトップである教母の目的は、世界を一変させる超能力者『クイサッツ・ハデラック』を誕生させることです。これまた長ったらしい横文字が続くのですが、第1弾ではそこまで詳細に考える必要はないです。
※「クサイッス、ハゲバッカ」と読み間違えた方はいますか?
超能力者の誕生って、なんだ、謎の宗教家が唱えているだけのカルト団体?と思えますが、実はそうではありません。修道会が女子だけというのも理由があるんですよね。これは、長年の人類の交配を握るのがまず女性だからです。そして、修道会は、そこで培った経験値とメランジの力があれば、「先祖の記憶を保持し、未来を予見できる超能力者」の誕生は可能だと考えているのです。ちなみに「クイサッツ・ハデラック」の意味は「道の短縮」を意味するようです。
なかなか凝った設定で良いですよね。
こういうSF世界というかファンタジー世界?が好きな方はドはまりするでしょう。
(C)2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
ハルコンネン男爵の夜の奇襲攻撃!皇帝の親衛隊もいた理由は?
さて、長くなりましたが、そんな予知夢に襲われたポール、砂漠で父親レトになんとか救われます。あっと一歩のところでサンドワームに食われてしまう!というところで、無事にオーニソプターで脱出。なかなかハラハラする緊迫感が続きましたね。
しかし、アトレイデス家にアラキスを奪われたままのハルコンネン家ではありませんでした。一同が眠りについていたある日、ハルコンネン男爵は、アトレイデス家を奇襲攻撃を開始。そして、この計画には皇帝の親衛隊とも言われる『サルダウカー』も参画しています。
この親衛隊は、帝王皇帝に仕えるだけあって、超エリート兵士。11歳に達するまでに、13人中6人までもが命を落とすといいます。そんな最強助っ人がハルコンネン家を協力している時点で、アトレイデス家公爵は気づきます。
ハメられた!!!
ハルコンネン家と皇帝は、組んでいたのか、、、と。
公爵レトは、ハルコンネン男爵に捕らわれてしまいます。
この辺の、闇夜から舞い降りる宇宙船の乱射シーンも何回も見たくなるほどクオリティ高いです。
(C)2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
また、予知夢に悩まされていたポールは、ユニ医師に処方してもらった薬でぐっすり眠っていたので、こちらもやすやすと捕まってしまいます。
このユニ医師(チャン・チェン)、アジアンイケメン俳優なのですが、実は裏切者で、妻をハルコンネン男爵に捕らわれていたことから、妻の解放を条件に、今回の背徳行為に出ました。
ただし、実際は男爵に都合の良いように使われていただけで、妻と一緒にさせてやるよ!とのことで、よるあるフレーズと共に首を切られてしまいます。
ぬぉーー!!むごったらしいぜよ!!!!
読真師とは?ポールとジェシカだけ連れ去られた理由、そして…
教母からポールとジェシカには手を出さないようにと約束されていたため、ハルコンネン軍隊は二人を砂漠に突き落とそうとします。
ん?どうせ殺すなら同じじゃないのか?って思うかもしれませんが、このヘリの中の会話で「読真師」ってワードが出てきます。この読真師は、皇帝につかえる教母で、人の不実や虚偽を見抜く能力を持っています。なので、ヘリの銃撃や刀でばっしり殺害するのではなく、わざわざ内部に潜入して彼らだけ捕獲していたんですね。間違えて殺してしまえば、皇帝に怒られてしまいますから(嘘いったらバレれてしまう)。
しかし!!
ここでポールがフォース!!ではなく、ヴォイスに覚醒し、ジェシカの協力あってハルコンネン軍隊たちを薙ぎ払うことができますので、彼らは生き延びることになります。
まさにタトゥイーンの生き残りジェダイ。。。
このヴォイス、新訳の原作では「繰り声」とも言われていますのでその通りなのですが、声の調子を自在に選ぶことで、意のままに他人を操ることができる力のようです。コナンの蝶ネクタイ型変声機みたいな感じでしょうか(おい)
(C)2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
覚醒したヴォイス!ただし、ちょっと共感しにくいのが低評価?
実は、冒頭寝起きのポールがジェシカに「水をくれ」というシーンでも、ヴォイスを試されているシーンがあります。この時からポールは日々鍛えられていることがわかりますね。ヘリの中でも、最初何回かやってもうまくいかず、あとでジェシカに怒られてしまいます。なるほど、なかなか使いこなすには時間がいるわけですね。
ただし、ちょっとこの辺がポールに感情移入しづらい点でもあります。彼がヴォイスをどうして身につけたいのか、そもそも彼はヴォイスをどう捉えているのか、誰から身を守るためなのか、などが明確にはなっていないんですよね。
序盤の冗長的な説明パートに加え、前半はポールもなにがしたいかよくわからず、どこか共感しきれない部分が長い気はします。その点、例えばルーク・スカイウォーカーはジェダイの騎士なるべくフォースを学ぼうとするので、割と行動が共感しやすいのですが、ポールは魅惑的な表情が続いていまいちなにがしたいのかわかりづらい点があると思います。
(C)2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
ジェシカも、母親でありながら教母のくだりで息子になにか秘密にしているようなので、最初どう彼女の行動を理解したらいいかもわからず、結論「誰に共感したらいいの?」状態が続いてしまいます。
特に原作を知らない人からすると、ただでさえ慣れない横文字が次々登場し、領家や各団体の前後関係に振り回される長編前半パート、もう少しシンプルにしてもよかったのかなぁとも思います。
※僕も途中理解が追いつけなかったですww
まぁ、このちょっとダークかつストレートではない感じが、現代版『スターウォーズ』としてヒットするのかもしれませんが。
未来が見えた!ジャミスを倒し、フレメンの救世主へ?!
さて、砂漠をさまようなか、基地襲撃のなかで生き残っていたダンカンと合流しますが、迫ってきた追手と勇敢に戦い、命を落としてしまいます。格好いい死に方!!
そして、サンドワームから逃げつつも、なんとかフレメンに救われたジェシカとポール。
そこで、フレメン部族長であるスティルガ―と会い、「自力で生きられないだろう」と言われてしまいます。それは、彼らがサンドワームに食べられそうになっていたのを観ていたからでしょう。
しかし、なんとか助けてほしい二人。
ジェシカは、ベネ・ゲセリットで習得した格闘技によって部隊長を倒す。
(C)2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
夢に現われていた少女チャニから神聖な結晶質ナイフ(クリスナイフ)をもらったポールは、ジャミスとの決闘に挑みます。母親が心配そうに見つめる中、未来が見えたことで決闘相手のジャミスを倒すことに成功!
こうして、二人はフレメンと共に砂漠を生きることになるのですが、物語はここで終わってしまいます。いかにもチャニがなにか今後の未来を握っているような意味深なラスト。
フレメンは、彼らを「救世主」とみなしたのでしょうか。
続編では、フレメンとポールが、宇宙皇帝に挑む戦いなのでしょうか。
気になる続編のカギは「予知夢」?ポールは未来を変えられるのか?
続編はどんな感じになるのでしょうか。
おそらく、ポールの「予知夢」が関係してきます。
ただし、これは「予知」であって、そのまま未来になるようなターミネーター的世界観ではないようですね。実際、ジャミスを倒すときは、見えた未来では殺されていることからそれを逆手にとって行動しています。
つまり、ポールが劇中でなんどか観た予知夢(フレメンとなったポールが戦闘するシーン、チャニと二人で指導者?らしく立っているシーン等)のような未来になるのか、それともまた変わった未来なのか、それが第2弾の焦点になるでしょう。
(C)2020 Legendary and Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved
第1弾が「母子の物語(親子愛)」だったので、今度は「若者2人の物語(恋愛)」にもなりそうです。
まずは次回作の公開が楽しみですね。
今回が「part one」と堂々と映画冒頭で告げている以上、次回作があるのは間違いないでしょうし、そもそも2部あってようやく一つの物語です。その為の「序章」という意味では、少し退屈するシーンもありますが、観ておいた方が良い作品でしょう。
しかし、2時間半の長編スペクタクルはさすが製作にも時間をかけているだけあって、世界観の構築は良いなぁと思います。ヘリの銃撃があるのに、刀使っているのか?などの気になる点(銃だとシールドで防がれるとか設定があるのかも)は少しあるにしても、砂漠やそこに住む先住民族、スパイス、領家の生存戦争みたいなところは、非常にうまくつくりこんでいるなと思います。
原作ファンも、初見さんも、デューンの世界観にのめりこむのではないでしょうか。
何度も製作を試みては失敗してきた『デューン/砂の惑星』。
今回こそ大成功する!と期待して次回作を待ちましょう!
それではまた!!
※動画視聴なら、U-NEXTがお勧め! 今なら1,000円割引で見れる!!
☑見放題作品が31日間無料で視聴可能! (期間中の解約なら無料!)
☑600円分のポイントプレゼント!毎月1,200ポイントがチャージ!
☑23万本以上の動画を配信中!(他VODにはないもの多数!)
☑映画館チケットもお得に!最新作はレンタル配信も!!
※無料視聴なら、Amazon Prime Videoがお勧め!『ホドロフスキーのDUNE』や『メッセージ』なども配信中!
メッセージ (字幕版)
※2021/10/17の配信状況です♪
☑月額500円!定額制プランの料金が安い!(年額プランなら月額408円!)
☑オリジナル作品あり!(SF映画でいえば『トゥモロー・ウォー』が公開!)
☑他のプライム特典も利用可能!(配送料無料、音楽・書籍のサービスも!)
☑1ヶ月の無料体験もあるので安心!(期間中の解約なら無料!)
☆★☆Japan Sci-Fi登録はこちらから☆★☆
コメント