本日は火山系ディザスター『ダンテズピーク』のネタバレ感想で徹底考察・解説!実在する場所?モチーフの実話がある?同年公開の『ボルケーノ』との違いは?トラウマシーンやおばあちゃんの死、TOYOTA…007×サラコナーという最強キャスト!解説します!
いざ、SFの世界へ…!
ダンテズピーク のネタバレ感想・考察・徹底解説 (Ryo)
本日は、火山ディザスタームービーの代表格!『ダンテズピーク』についてネタバレ徹底解説します!
1997年公開のパニックもの映画ですが、この2か月後に『ボルケーノ』という同じく火山災害の映画が公開されているので、この二つは比較されることも多いかと思います。当時最先端のSFXを駆使した、パニック・スペクタルですね。今みてもかなり迫力あります!
今回は、実在した噴火災害を参考にしていることから実は大きな学びがあること、007×サラコナーは強すぎるのではないか、温泉トラウマシーン(笑)やおばあちゃんの死(実はもう一人死ぬべき人が?!)、溶岩の上でも走れる日本車…などなど、感想もたっぷり交えながら、20年以上経過する現代から、10項目で徹底解説していきます!
ジェームズ・ボンドとサラコナーが共演したディザスター!
さて、97年といえば、『ターミネーター2』や『ジュラシックパーク』の公開からもやや時が経ち、CG技術が発達し始めたころです。ノストラダムスの大予言も近いことから、70年代に流行ったディザスタームービーが再び盛り上がった時期ですね。
監督は、ロジャー・ドナルドソン。有名作品としては、1995年のSFホラー『スピーシーズ/種の起源』 でしょうか。SFやディザスター以外も多く、結構幅広いジャンルを手掛けている印象です。
キャストとしては、007のピアース・ブロスナンと、ターミネーターのリンダ・ハミルトンが共演しました。『ボルケーノ』がトーミリージョーンズ英雄の物語に対して、こちらは超大物俳優を2人も使って人間ドラマを盛り上げたので、どちらかといえばリアリティ重視の方はこっちのが好きなイメージですね。
地質学者のハリー・ダルトン(ピアース・ブロスナン)と町長のレイチェル・ワンダ(リンダ・ハミルトン)。素晴らしいコンビだと思うのですが、終始見ていて思うのは、どちらも本職忘れるくらい勇敢すぎww
地質学者って言ってるのに、
もう途中からジェームズ・ボンドにしか見えないっすwww
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リンダ・ハミルトンは、サラコナーに見えるとまではいかないにしても、町長らしい仕事をしているシーンはないですし、なぜかカフェオーナーやっていたり、ちょっとこの辺はもう主人公補正がスゴイですね笑
ちなみに、ハミルトンと、製作のゲイル・アン・ハードは、ジェームズ・キャメロンの新嫁と元嫁という、なんとも微妙な関係の二人が揃っている。。なんで同じ映画で関わることなったんよw
ボルケーノと比較!リアル向けか娯楽向けか?
『ボルケーノ』の話があったので、個人的に、先に比較しておくと、
・ボルケーノ=インパクト重視、科学考証は適当
・ダンテズピーク=人間ドラマ重視、火山学は結構真面目
といった印象ですね。
なんといっても、『ボルケーノ』は序盤からマグマがでてきたりで、終始わーわー盛り上がっているのですが、『ダンデズピーク』は、最初噴火まで長いんですよ。1時間くらい?ありますよね。
なので、テリー脱出シーンとかあるんですが「お、ここで噴火か!?」「やったきたか!?」と思いきや、なにも起きないみたいなシーンが多く、ハリウッド映画の刺激に慣れている人からしたら序盤は物足りないでしょうね。なので「リアル」路線が好きな方には好まれるんじゃないでしょうか。
当然、その長い序盤では、火山学的にしっかりと追求した描写が多いです。地質調査にはじまり、実際に現地に行ったり、火山噴火前のどんなことが起こるのか、噴火したらどんな災害が続けて起きるのか、等はつくりこまれているといえます。
対して『ボルケーノ』では、マグマの映像は印象的ですが、目と鼻の先にあっても熱い感じがありませんw 「そんな近づいた時点でもう燃えるやろ!!」って思っても、普通に大丈夫なシーンとか、ここは娯楽にフォーカスしたのだろうと思わせるシーンが多いです。
しかし、『アルマゲドン』と『ディープインパクト』みたいなもんか、こういうのはだいたい娯楽向けが勝つでしょ、と思っていたら、実は興行収入的に勝ったのは『ダンデズピーク』でした。1億7千万ドルに対し、『ボルケーノ』は1億2千万ドルですからね。(まぁ僅差だけどw)
やっぱり、007とサラコナーのブランド力がものを言ったようですねw
このコンビが大噴火に立ち向かう、それだけでも相当なパンチがありますからね笑
ちょうど、ピアース・ブロスナンは007シリーズの間で絶好調の頃ですし!
実在する場所?ダンテズピークはセント・ヘレンズ山がモチーフ?
さて、よく言われる「これ実在するの?」という問いですが、ダンテズピークという場所は実在はしません。
ただし、モチーフにした事例はあるようです。
いくつかあると思われるのですが、一番はアメリカ・ワシントン州スカマニア郡にある大型活火山、セント・へレンズ山の大噴火です。アメリカ本土では、1914年にラッセン・ピークが噴火して以来、大きなものはありませんでしたが、1980年にセント・ヘレンズ山が噴火。戦後最大です。
今までは 「アメリカの富士山」(Fujiyama of America)と呼ばれるくらい美しい風貌だったみたいです。
※先住民族からは「煙と火の山」と呼ばれていたようです
9時間にわたって噴火し続け、周囲の森林は壊滅。
その他、多くのインフラが大被害を受け、57人が死亡しました。
こちらをモチーフにしていますが、実は、この映画の一つの重要要素である「噴火する街という風評被害を避けるために、避難の指示が出なかった」という点について、モチーフにしたものがあるのです。
人災という意味では、20世最大のプレー火山災害か?
一つ目は、20世紀最大の火山災害と言われているプレー火山です。
こちらは、カリブ海の西インド諸島にあるマルティニーク島の活火山です。
ナポレオンの最初の妻ジョセフィーヌの生まれ故郷でもあるみたいです。
1902年の大噴火は大変悲惨なものであったらしく、当時の県庁所在地だったサン・ピエールは全滅。死亡者は2万4千人~4万人とも言われています。4万人ってすごいですよね。東日本大震災でも死者1万5899人と言われていますので、数字からその尋常ではない災害の悲惨さが伝わります。
なんと生存者は、たった2名。警察の地下牢にいた死刑囚と、地下倉庫に隠れていた靴屋さんだけみたいです。生き残ったのが囚人というのは、なんとも皮肉なものですよね。
※島の外ではありますが、船底の船員が、50度を超す船内で飲まず食わずのまま3日間生き延びたという事例もあるようです
しかし、実はこれだけ被害が多いので、噴火規模がすごかったんだろう!って思いますが、実はそれは世界史的に見ても規模は大きくないのです。なんでこんなに被害が出たかというと、熱雲の関係もありますが、実は人災が大きな要因でもあるのです。
それが、『ダンテズピーク』にも描かれているような、「街は安全。避難の必要はないだろう」というまったく根拠のないトップの判断です。というのも、実は選挙前だったので、市から避難されるのを避けるために過小評価し、軍隊により住民の退去を強制的に阻止していたのです。出たくても出られなかったとおもうと、これはなかなか酷いです…><
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実話?冒頭のコロンビア火山= ネバド・デル・ルイス活火山 ?
また、冒頭で、コロンビアでの火山弾によってハリーの婚約者のマリアンが死亡してしまうシーンがありますが、「コロンビアの火山」「原因は噴火だけではない」という共通点という意味では、これもモチーフらしいものがあります。それは、1985年、「眠れる獅子」とも呼ばれていた、コロンビア・カルダス県のネバド・デル・ルイス活火山。死者は23,000人という災害規模で、また、とある都市では、人口28,700人の約4分の3にあたる21,000人が死亡してしまったらしいです。
ちなみに、20世紀の火山噴火での被害者数は、先ほどのプレー火山が第1位、そしてこのネバド・デル・ルイス活火山が第2位。悲しいことに、どちらもただ単に「噴火がすごかった」だけではないのです。こう考えると、今回の『ダンテズピーク』は、映画の中の話ではなく、結構リアリティ追求した上で警鐘を鳴らしているとも言えないでしょうか。
さて、そんな今作、ハリーはどんな点から事前察知していたのでしょうか。
そして、彼は今作では実在した災害被害のようにならないよう、どのような工夫をして人々を動かしたのでしょうか?こうして観ると、また視点が違って面白い映画でもあります笑
俺は帰る!→やっぱ俺は残る!(町長いるから…❤)
まず、ハリーは、上司のポール・ドレイファス(チャールズ・ハラハン)から、ダンテズピークで奇妙な記録が観測されたと聞いたことから、地質調査に向かいます。
※ちなみに、チャールズ・ハラハンは、SFホラーの金字塔『遊星からの物体X(原題: THE THING)』の地球物理学者ヴァンス・ノリス役ですw
ダンテズピークは、「人口20,000人以下で全米で最も住みやすい街」第二位にも選ばれて、お祭り騒ぎの状態。町長のレイチェルもここで登場。そして、大手企業から支社建設の候補地にも選ばれ、一言で言えば人気爆発中(火山もので爆発は不謹慎かw
なおさら、「噴火するかも」なんてことはニュースにできないわけですよね。
企業も住民も逃げてしまって、信用失墜、一気に経済が破綻してしまうリスクがありますから。
ハリーは、火口湖に着くと、調査を開始します。
そして以下の点から、「あれれ~これはおかしいぞオ~」って思い始めます。
・湖水の酸性度の数値が高いこと
・湖周辺の木々が枯れていること
・2匹のリスの死体があったこと
・沸騰した温泉で男女の遺体があったこと(ここちょっとトラウマシーンw)
ハリーは、重役会議をセッティングさせてすぐに避難を提案しますが、皆まったく相手にしません。
これに怒るハリー。まぁ、パニックものあるある展開ですね。
しかし、実際に調査開始するも、決定的な証拠はつかめずに撤収へ。
会議では怒っていたハリーですが、このころになると、レイチェル町長と仲良くなっており、先程の会話などどこふく風、学者魂よりレイチェルへの愛が高まっています笑
※早く逃げろよ!!w
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蛇口から茶褐色に澱んだ液体が出たことで、これはもう動かぬ証拠みっけ!
やばいぞ、、、遂に来る。。。
と思ったら来ました!
大噴火!!!
映像は今みても結構スゴイ!!!迫力満点!!
孫を守るおばあちゃんと右手サイボーグ説の007
ということで、町長も利用して(笑)、住民に避難を促していきます。
結果論的にいえば、ハリーは「町長と仲良くなることで、住民を動かす」ことに成功したとも捉えることができますw
さて、自分たちも、、、と思ったら、なんとレイチェルの子供たちローレンとグレアムがいない!
さきほど山に残ると電話で話していたルースおばあちゃんのもとへ車で向かって行ってしまったのです。子役たちいい感じに演技してくれますね!
え、もう運転できるのかよ!!アメリカンやっちゃってるな!という衝撃と、
え、明らかに逃げないと危ないと思うけど、、、という衝撃。
しかも、ちゃんと到着したという衝撃!!w
それは良いとして、この後、ハリーたちも合流して、ルースと一緒にボートで逃げ始めますが、湖水は既に酸性化しており、ボートを溶かしていきます。
ここで、ルースおばあちゃん死亡!泣
重くなったら皆死んでしまうので、孫たちのために自分の死を選択!
という感動的なシーンではあるのですが、その前に待った。。。
007がやってはいけないことをしておりますよ。
なぜか、ハリーは、右手で湖に手をつっ込んでオールかいているのです!!!
おいぃぃぃぃぃぃ!!!!ww
まぁ、いちおう布切れで右手を巻いてますが、どう考えてもそれではガードできないw
おばあちゃんだって服着ていたんだから、布でカバーできるんだったら、助かっているはずでしょw
ここはもうさすがジェームズ・ボンド!あっぱれ!と拳を握るべきシーンなのでしょうが、
ふと気付くんですよね。
あれ、今回、ジェームズ・ボンドじゃないじゃん(汗)
ELFとは…!?溶岩の上を走るのはTOYOTA!!
と、それは良いとして、その後はなんと溶岩の上も車で走ってしまう!!!
がっつりTOYOTAってあるから、日本受けを考えてくれたのか分かりませんが、それは通れないだろう!というところも、ボンドが叫べば大丈夫!(
※脱出した調査チームの一人は、車ごと川に流されてしまったのに。。。
街に着いた後も大パニックの連続!
住人も州兵も退去している状況。ハリーはNASAの発信機ELF(低周波発信機)だけ車に積み込むと出発!
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と、そこでまたも大爆発来ましたー!!!!!!!!!
火砕流がものすごい勢いで飛んでくるわ、
火山灰がヘリのエンジンに入り込んで墜落するわ、
溶岩の影響で溶けた雪が洪水になるわ、
洪水の影響でダムが決壊するわ!!
火砕流・火山灰・溶岩・洪水・決壊…圧巻の映像集!
ここの映像はかなりインパクトがあります!
尺もつかっていて、ここでかなりお腹いっぱい。
これだけで鑑賞の満足感はありますね!
スゴイ!!!
特にダム決壊シーンは、映画の一部とは思えないクオリティの恐ろしさで、一番のお気に入りです。
撮影に4か月を要したとか言われています。
ちなみに、今回のVFXは、デジタル・ドメイン社。
この会社は、特殊効果スタッフのスタン・ウィンストンが、映画監督のジェームズ・キャメロンと共に設立した会社です。SF映画やディザスタームービーも結構おおく手掛けており、『アポロ13』、『タイタニック』、『アルマゲドン』、『デイ・アフター・トゥモロー』、『アイ,ロボット』、『2012』、『オブリビオン』などなど。
しかも97年は、『タイタニック』と『フィフス・エレメント』で人手が割かれていたころで結構大変だったみたいですね。当時の映像技術ですが、今見ても色あせないところは本当にすごいです。日本映画も追いつけるか。。。!?
ハリウッド王道のエンディングで気分爽快!これで良い!笑
さて、最後は、廃坑に車が突っ込むことでなんとか助かりますが、その後閉じ込められてしまいます。こんなパニック時でも、子供たちを落ち着かせるあたりの安心感あるハリー、すごすぎ。絶対にただの地質学者ではないw ジェーム、、(
そして、なんとか最後にNASAの発信機を作動させて、仲間が助けに来てくれます。
※蹴とばして作動するというところも、アメリカンでいいですねー!!
最後はみんなで祝福!というハッピーエンド。
王道ではありますが、映画はこういったものの方がシンプルで面白いところはありますよね。あまり複雑に考えるシーンもないですし、すごい哲学的メッセージがあるわけでもないと思います。ただ、最後は仲間と大切な人とハグ!という、とてもハリウッド感あるエンディング。まぁ、これで良いじゃないか、と潔く思えるシーンです笑
MCA/UniversalPictures/Photofest/ゲッティイメージズ
ただ、冒頭にも記述した通り、実際の火山災害というのは人災も伴っていることが多いのは事実です。こういった映画を少しでも見ておくで、常日頃意識できるところもあるのかもしれませんね。日本の富士山もいつ噴火するか分からないぞ、、、!?
ということで、今回は以上で!!
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