第5作!2018年公開のSF映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』をネタバレ感想で徹底考察・解説!
ひどい?つまらない?という評判もある一方、高評価も!ブルーやモササウルス、恐竜たちのその後は?オマージュや疑問についても徹底解説します!
いざ、SFの世界へ…!
ジュラシック・ワールド/炎の王国 のネタバレ感想・考察・徹底解説 (Ryo)
本日は、2018年公開のアメリカ映画『ジュラシック・ワールド/炎の王国』のネタバレ徹底考察!
2015年公開の『ジュラシック・ワールド』の続編で、「ジュラシック・パーク」シリーズの第5作目にあたります。
▶ジュラシック・パークシリーズの総復習はこちらから!
本日も完全22項目で徹底解説!!!
- 原題の意味は…人類が支配した王国の崩壊だった?
- スピルバーグも絶賛のバヨナ監督!恐怖がメインテーマだった?
- 恐竜兵器化計画とは?お屋敷が舞台なのは賛否両論…
- かなりご高齢に…イアン・マルコム博士も登場!
- 実はジュラパシリーズは冒頭で恐竜が暴れるのがセオリー?
- 黄色いレインコート×エリマキ恐竜と言えば…
- 前作でウー博士が持ち帰った受精卵は?モササウルス野放し?
- ゲームではシボ山の設定が?マルコム博士のセリフは小説から!
- ベンジャミン・ロックウッドとハモンドはどんな関係?
- 琥珀付きの杖や肖像画はハモンドへの敬意の表れ
- 気付いた?1作目のフォード・エクスプローラーが登場!
- 燃えていくブラキオサウルスは1作目と同個体だった!
- “2,600万ドル”の意味は?唯一最初からオスのインドラプトル!
- ミルズはシリーズ最悪人物!ティラノの輸血はブルーを助けた?
- 恐竜たちを兵器利用しまくる主人公たちとクローン人間
- 歯の収集は何の意味が?インドラプトルに油断しすぎw
- なぜインジェン社の人間がいたのか?カルノタウルス初登場!
- 劣化してる?1作目ラプトルのオマージュシーンとは?
- レーザーポインター活用!アグジャケラトプスの角がトドメ!
- 人間と恐竜で恐竜を優先したメイジーとそれを止めない二人
- ブルー最後の言葉:君たちは人間は信用できないよ。
- エンドロール後の映像の意味とは?最新作にどうつながるのか?
原題の意味は…人類が支配した王国の崩壊だった?
未だ興行収入ランキング7位を維持する『ジュラシック・ワールド』の続編ということで、やはり注目の人気作品ということで、日本においては、前作では公開7日目で達成した20億円突破を公開4日目にして早くも達成。
2022年4月末の情報でも、世界歴代映画興行収入は、前作よりは劣るものの13.105億ドルで16位です。スゴイですね!
ちなみに、原題は『ジュラシック・ワールド/フォールン・キングダム』(Jurassic World: Fallen Kingdom)ですので、「炎の王国」は邦題ですね。
観た方であれば誰もが分かると思いますが、「堕ちた王国」というのはとても深い意味がありました。それは、恐竜の王国が火山によって崩壊した、という意味だけではなく、人類が生態系のトップに君臨し続けてきた王国が崩壊した、という意味もあったからですね。
ま、「炎の王国」の方が子供も沢山やってきそうで、楽しそう!っていうのを売りにしたかった商業的目的が多いのかと思いますが^^
スピルバーグも絶賛のバヨナ監督!恐怖がメインテーマだった?
監督は、前作のコリン・トレヴォロウに代わって、ホラーやダークファンタジー映画などを得意とするスペインの出身のJ・A・バヨナ監督。
実は、シリーズ生みの親であるスピルバーグも、製作のフランク・マーシャルも、そしてトレヴォロウもJ.A.バヨナ監督が良いと思って、すぐに決まったとか。色々理由はありますが、やはり彼のサスペンス的手法が高く買われていたのかと思います。
実際、スピルバーグにはその後、彼では出来なかったことをやってのけたと賞賛されるほどに。
ファンからは「ひどい」「つまらない」「ジュラパらしくない」という低評価の声もある一方、「面白い」「新しい挑戦」「ホラー的で良い」といった声も。
それでは、J・A・バヨナ監督はどんなメッセージを込めて製作したのでしょうか?
(C)Universal Pictures
ホラーがお得意ということもあり、「最後に残る感情が、恐怖であってほしい」という思いが監督にはあったらしく、たしかに言われてみると後半のお屋敷シーンはホラー映画のような展開でした。
これは『ジュラシックパーク』第1作を鑑賞したときのような「体験したことのない怖さ」を追求したという意味でもあり、初期作品へのリスペクトもあります。
また、本作のテーマとしては「恐竜と人間との関係」であるといいます。中でも、恐竜に対する人間の感情移入や、人間同士の思いやりなどが主軸であるらしいです。
確かに前作と違って、この作品は終始人間同士の争いで、シリーズの中で似ているものとしたら『ロストワールド』でしょう。人間が勝手に恐竜を創造し、勝手に恐竜を火山で殺し、勝手に恐竜を売りさばく。最初から最後まで人間の勝手な行動が招いた事件であり、また、そんな人類と恐竜の関係性を浮き彫りにするようなクライマックスとラストが描かれていました。
恐竜兵器化計画とは?お屋敷が舞台なのは賛否両論…
ちなみに、前作が出る前に「恐竜の兵士」を軸とした作品を考えているということもありましたので、今作がそういった作品になるのではという声もありましたが、これはちょっと違ったようです(インドラプトルが若干そういう意味でもあるが…)
また、前作でホスキンスと遺伝子学者のヘンリーウーが考案した「恐竜兵器化計画」、これを題材にしようという話もあがっていましたが、実現ならず。タイトルは『ジュラシック戦争』の予定だったそうです。これもこれで面白そうな気もしますが笑
監督は1作目でアラン・グラント博士が食堂で言っていたセリフ「恐竜と人類、6500万年前に隔てられた2つの種が、突然一緒になった。何が起こるか、どうやって予測できるか?」を大きんテーマとしているとも述べています。
なので、どちらかというと、人間界に恐竜がやってくるスタイルであって、島で恐竜に追われるパターンではない、ということですね。
後半はお屋敷シーンのみで、まったく「島」「自然」「壮大」というイメージとかけ離れており、ここが一部ファンからは敬遠されていますが、監督の意図を知った上で見ると、結構面白い映画だなと思います。というより、お屋敷の中で恐竜が暴れるというチャレンジングな脚本は、シリーズ5作目という意味でも非常に重要だったと思います。
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かなりご高齢に…イアン・マルコム博士も登場!
キャストは、前作からの続投で、オーウェン・グレイディ役のクリス・プラット 、クレア・ディアリング役のブライス・ダラス・ハワード 、ヘンリー・ウー役のB・D・ウォンが登場。ウー博士、なにげにジュラパとジュラワ両方に出ているしぶといキャラクターw
ちなみにクリス・プラットは現場でアイデアを出すことも多いらしく、けっこう製作に貢献しているらしいです。即興演技もうまいとか。
また、第1作目と2作目に登場したイアン・マルコム博士役のジェフ・ゴールドブラムも登場。かなりおじいちゃんになっていましたねえ。でも彼の独特な雰囲気は健在で、惨劇を目の前でみているからこそ言葉にかなりパワーを感じますよね。
メイジー演じるイザベラ・サーモンは、2,500人の子役オーディションから実力で選びぬかれた子で、ジュラパ恒例の「子供が逃げる」シーンとしてはまり役となりました。
ただし、後述しますが、クローン設定はちょっとやりすぎた感もありますね。恐竜のクローニングだけであればよかったものの、ちょっと世界観が飛び越えてしまったような印象でした。インディージョーンズで宇宙人が出てきたときのような(そこまではいかないかw
実はジュラパシリーズは冒頭で恐竜が暴れるのがセオリー?
舞台は、1作目と前作4作目と同じ、イスラ・ヌブラル島。
3年前の事件で恐竜のテーマパーク「ジュラシック・ワールド」は崩壊、その後は放置プレイ状態とのこと。
このシリーズは現実世界と一緒の時間の流れなので助かりますね。
3年後の2018年が舞台です。
冒頭から激しいシーンで始まります。
そうそう、実は『ジュラシックパーク』シリーズって、いつも冒頭に恐竜が出てきて被害者が出る、みたいなパターンなんですよね。1作目ではラプトルが運搬中に暴れ、2作目では小さなコンピーたちが少女を襲い、3作目ではプテラノドンがボートを襲います。
『ジュラシック・ワールド』ではそういった冒頭がなかったので、ワールドシリーズから切り替えたかと思いきや、今作では冒頭でしっかりやってくれます。
怪しげな小型潜水艇「ディープダイブ・サブマリン」が、前作のラグーン底で沈んだインドミナス・レックスの遺体を回収しにきた時です。前作では最後にモササウルスが食らいついたことで終わっていましたが、そのままインドミナスの骨が海底にあるのでは、ということですね。
いや、ただどう考えてもモササウルスいるんだから気をつけろや!!!
とも思ってしまいますがw
黄色いレインコート×エリマキ恐竜と言えば…
回収しにきた傭兵たちの一人が、ディロフォサウルスに見つかるところから始まります。ここはオマージュだと思いますが、黄色いレインコートのおっさんが、エリマキ恐竜のディロフォサウルスに見つかるシチュエーションといえば、1作目のネドリーですねw
そのまま逃げると、今度はティラノサウルスが現われて、追われることに。なんとかヘリの梯子に乗って一安心。。。
と思ったら、モササウルスが登場!パックンとはしごと傭兵を食いちぎってしまいます。あんな大きな巨体が食らいついたらヘリごと沈みそうですが、うまい感じに切れて良かった笑
なかなかの映像の迫力で冒頭からかなり満足満足(どこかのレビューで、ここがピークとかありましたww
しかし、ここで一つ疑問が。
実はこの時、傭兵が逃げるタイミングでゲートの開閉のための端末が落ちて壊されていたため、モササウルスが海洋に逃げ出していました。
あれ、じゃぁ、モササウルス、もう島から出てるやん!!
という話なのですw
あれからというもの、エンドロール以外で一回も登場しないモササウルス。
インドラプトルとかオークションする前に、モササウルスのニュースでざわざわするはずなのだが、どこにも現われないモササウルス。。。一体どこをほっつき歩いているんやw
前作でウー博士が持ち帰った受精卵は?モササウルス野放し?
あともう一つ謎なのは、前作でウー博士がホスキンスを置いて、インドミナスの受精卵を持ち帰っていますよね。ということは、あれを利用すれば、わざわざ物理的にインドミナスの骨を回収する必要はないのですが、ウー博士はいったいどこに忘れてしまったのでしょうか。3年間、行方をくらましてミルズに拾われた設定らしいので、その間に破棄してしまったのでしょうか。謎ですね。
ちなみに、バヨナ監督の一番のお気に入り恐竜は、T-レックスらしいです。
理由は、、、やっぱり「人間が一番恐怖を感じる恐竜」だからとのことw
ホラー要素が本当にお好きな方なんですね。
あと愛称レクシィで親しまれるT-レックスですが、この個体は1作目や前作から登場しているもの。設定上は29歳前後らしいです。実在したT-レックスの寿命は科学的に約30年と推定されているので、そう考えると実はかなりのおばあちゃんなんですね。まぁ、めちゃめちゃ元気ですけど汗
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前作でも首から肩にかけて傷跡があり、それが1作目と同個体である証拠となりましたが、今作でもその傷が見られるようです。ちゃんと細部までこだわっていますねえ!!
それにしても、あのモササウルスが海の中を自由に漂っていると思うと、怖すぎますね。。
少しくらいあやつにスポットライト当たると思ったのに最後まで出てこなかったwww
ゲームではシボ山の設定が?マルコム博士のセリフは小説から!
さて、アメリカ本土にシーンは切り替わり、クレアたちが登場し、恐竜たちがいるイスラ・ヌブラル島で火山が噴火している状況。
ゲーム『Jurassic Park: The Game』によれば、島の最高地点に活火山のシボ山があり、「ジュラシック・ワールド」はこのシボ山の地熱エネルギーを使って電力供給がされているらしいです。そして実は「ジュラシック・ワールド」のガイドマップにも火山があることが書かれています(こだわりぃ!w
「ジュラシック・ワールド」の元運用管理者クレア・ディアリングは、恐竜を商売道具としていた心を改め、恐竜保護を目的とした団体「Dinosaur Protection Group(DPG)」を設立。
イスラ・ヌブラル島の火山噴火から恐竜たちを救うべく、政府に支援を要望しますが、恐竜支援は断れることに。その代表者が、、、そう、あのイアン・マルコム博士です!
カオス理論の著者の彼いわく、「火山噴火の危機にさらされたイスラ・ヌブラル島の恐竜の運命は自然に委ねるべき」とのこと。2回も事件の当事者になっているマルコム博士の発言に、上院議員も同意したということです。人間が勝手に恐竜を創造したことを、神が正そうとしている、というわけですね。ま、恐竜たちからしたら「つくっておいて捨てるのかよ!」ってなことで、勝手な論理ですけどねw
ちなみに、ここのシーン、原作者マイケル・クライトンのセリフが多いです。小説を読んでいないと気付かないですが、なにげにリスペクトを感じるシーンです。
ベンジャミン・ロックウッドとハモンドはどんな関係?
DPGには、コンピューターオタクのシステムアナリストであるフランクリン・ウェブ(ジャスティス・スミス)と、獣医学を専攻した恐竜の生物学の専門家ジア・ロドリゲス(ダニエラ・ピネダ)がいます。ジアはまだいいんですが、フランクリンは正直観ていてちょっと情ないというかうるさいというか、そもそも必要だったんか?って思っちゃいましたw
そもそも潔癖症だし、パソコンいじるのが得意なんだから、現場行くのはもうちょっと適任の人いたんちゃうか…
そして、クレアが向かったのは、故ジョン・ハモンドの元ビジネスパートナーであったベンジャミン・ロックウッド( ジェームズ・クロムウェル )。最初ハモンドが登場するのか?!って思っちゃいますが、アッテンボローさんはその前に死去されてしまっています。できれば最新作にも出演してほしかったですなぁ。
ベンジャミン・ロックウッド、実は「ロックウッド・エステート」という広大な邸宅に実験室を建設しており、ハモンドと共に1984年から使用しています。ハモンドがインジェン社を設立した時に資金などで協力し、仕事のパートナーになったという経緯なんですね。
では、どうして彼はハモンドと一緒にジュラシック・パークの建造プロジェクトに参画しなかったのか。それは価値観の不一致があったためです。
実は、ハモンドと恐竜再生の研究をしていた時にベンジャミンじいちゃんは娘を失ってしまい、ちょうど研究していたクローニング技術で娘を再生しようと考えたのです。人間に利用することは危険と感じたハモンドは、ベンジャミンを追い出した、というわけです。
クレアたちDPGに協力しようと思ったのは、「ジュラシック・ワールド」の崩壊によって自分の過ちに気づき、恐竜たちを火山噴火から救おうと考えたためでした。
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琥珀付きの杖や肖像画はハモンドへの敬意の表れ
ハモンドの肖像画が屋敷にかざってあったり、蚊入り琥珀付きの杖を使っていたり、ハモンドへの敬意を感じるシーンがありましたね。監督の敬意も感じましたw
ちょっとややこしいのが、ロックウッド財団の経営者イーライ・ミルズ(レイフ・スポール)と、ベンジャミンじいちゃんは同じ方向を観ているようで実は違いました、という点です。一見、優しくてリッチなイケメンパパにみえるロックウッド財団の実質的運営者ミルズですが、実は頭の中はお金のことしか考えていない極悪サイコパスです。
ベンジャミンのもとで仕えながら、地下でハイブリッド恐竜の研究をしたり、オークションを開催したり、ベンジャミンの名前と資金を使って秘密裏に金儲けをたくらんでいたのです。最初はベンジャミンと同じく「恐竜たちを救う」という目的でクレアたちと協力しているように見えますが、これは嘘でした。逆にベンジャミンの方は本当に恐竜たちを救い出そうと思っていたということですね。
ヴェロキラプトルのブルーも救う必要があるので、ここでオーウェン・グレイディの登場ですね。クレアとは前作のあとによりを戻したそうですが、3年の間にまた距離を置くように担ったらしいですw
クレアは恐竜を商売道具としかみていなかった罪滅ぼしもあり、そして、オーウェンは自分が恐竜たちを手なずけたことで軍事利用された責任もあり、二人は再びあの島へ行くことを決めます。
気付いた?1作目のフォード・エクスプローラーが登場!
イスラ・ヌブラル島で傭兵のウィートリーと一緒にブルー捜索をしますが、ここでウィートリーが裏切り、本当の彼らの目的を知ります。彼らはミルズの手下となって、恐竜を兵器として高値で売りさばくことを目的にしていたのです。
ひどいことに、オーウェンに対して麻酔銃を発射するというジュラパシリーズでも稀な非道行為に出ますw
そして火山の大噴火によって溶岩がやってくるのですが、ここでなんとか逃げるシーンがちょっとコミカルというか面白いですよね。ここはクリス・プラットならではの表情というか、余裕があっていいですね。ってかあんな近い距離にマグマ来たらもう熱くて死んでいる気もするけどw
マグマが来る前に、トリケラトプスに似たシノケラトプスという草食恐竜がやってきますが、実は2010年に命名された恐竜らしく、シリーズ中に登場する恐竜の中では一番最近命名された種類らしいですよ。
また、なにげなく後ろで映っているジープですが、これは1作目『ジュラシックパーク』に登場したフォード・エクスプローラーです。サイドミラーに「OBJECTS IN MIRROR ARE CLOSER THAN APPEAR」という文字がありますが、これは1作目でマルドゥーンがT-レックスに追いかけられて観ていたサイドミラーにも書いてあったらしいので、オマージュなわけですね。
いや、細かいわw
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燃えていくブラキオサウルスは1作目と同個体だった!
クレアと泣き虫フランクリンは、大噴火の影響で溶岩が制御室に入ってくるわ、バリオニクスがトンネルの中から入ってくるわでダブルパンチ。と思いきや、溶岩が意外とバリオニクスを止めてくれて時間を稼ぐ!『ジュラシック・パーク3』で出てきたスピノサウルスみたいに口が長いので、屋上ハッチにも届きそうな感じがハラハラでした。
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ここでオーウェンと合流して、ジャイロスフィアに乗りながら逃げるのですが、ふと気付けば完全にディザスタームービーになっていますw 火山ものの映画を観ている気分ですw
『ダンデスピーク』とか『ボルケーノ』とかありますよね…
ぎりぎりで島から船に乗り込んだ3人ですが、燃え盛る島にはブラキオサウルスが悲しげにこちらを見つめて鳴いています。
ちなみにこのブラキオサウルス、1作目でグラントたちの前に現れたのと同個体という設定だと監督が明言。1作目から25年間、野生で生きてきたのかと思うとなんだか寂しいですね。特に草食恐竜ですしそのまま持って帰ってあげたい気持ちだ。。恐竜たちは何も悪くないのに…。
また、炎に包まれながら消えていく映像は、スピルバーグの生み出したあのE.T.の心臓をイメージしているらしいですよ。バヨナ監督がTwitterでツイートしていました。
“2,600万ドル”の意味は?唯一最初からオスのインドラプトル!
さて、この連れ出された恐竜たちは、ベンジャミンの屋敷「ロックウッド・エステート」の地下の施設に運ばれるわけですが、ここから舞台が「お屋敷」のみとなります。
なので、「え、島で恐竜に追われるのがジュラシックパークやん!」って方はここから非常に退屈な展開となります。自分も最初はちょっと「え、なんかジュラシックパークぽくないな…」と後半を観ていましたが、3作目に繋がる結び目の作品であること、サスペンス要素と共に新しい挑戦であることを踏まえると、これはこれで良かったのかなと思いました。今までで見られない絵もありましたしね。
それにしても地下にあんな巨大な空間があったら、さすがにベンジャミンじいちゃんも気付きそうな気がしますが…w
オークション会場に集まる金持ちたちバイヤーですが、どうやら軍事兵器として買い取りたい模様。とても飼えそうにないですからねw(飼うのかと思ったわ
そしてマッドサイエンティストのウー博士ですら駄目だと言った(お前がよく言えるなw)のに2代目ハイブリッド恐竜のインドラプトルも登場します。
新しい遺伝子組み換え恐竜なので、これはレアということで、どんどん金額が跳ねあがります。一回2,600万ドルで止まったようにみえましたが、あれは前作でマスラニ社長がインドミナス・レックスにかかった金を「2,600万もするんだぞ!」と表現していたことに揶揄しているのでしょうか。
インドラプトルは、インドミナスより小さい分、スピード特化型。巨大すぎると入りたい場所に入れなかったりしますからね。お屋敷の部屋とか(笑)
軍事用の恐竜として開発されたため、赤色レーザー信号の先にある目標物を音波信号とともに攻撃するという習性を持っています。また、実はシリーズで唯一、最初から意図的にオスとして創り出された恐竜でもあります。
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ミルズはシリーズ最悪人物!ティラノの輸血はブルーを助けた?
インドラプトルを出展しはじめたミルズ、シリーズ史上最悪と言っても過言ではないほどの悪人ですw
・マッドサイエンティスト(笑)のウー博士ですら躊躇することを実行する猛者
・悪事が発覚するとお世話になったベンジャミンを枕で窒息死させ、その後は正常を装うサイコパス
・メイジーを軟禁して貴重なクローン人間として利用しようと考える異常者
・島から脱出して来たクレアやオーウェンまでも殺害しようとする殺人鬼
う、うーん。。。www
明らかに悪者すぎるキャラですが、振り返ってみればここまで二重人格者で動くサイコパスはシリーズでいなかったのではないでしょうかw
ちなみに、わざわざクレアやオーウェンを利用してブルーの救助にこだわったのは、ブルーのDNAをゲットして新たなハイブリッドを生み出し、高値で売ろうと考えていたため。
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しかし、ジアが輸送中にティラノサウルスから輸血したことにより、この計画は破綻してしまいました(T-レックスがラプトルをまたしても救う)。さりげなく一矢報いていたジア、優秀じゃないかと思いましたが、この後なんとブルーのいる檻を開放してしまいますw
そのせいで傭兵がマシンガンを乱射して、研究室の有毒物質のシアン化水素が漏れはじめ、爆発!さすがにブルーを野放しにして「兵器」利用するのは良くないアイデアないのだろうか、獣医師さん…
恐竜たちを兵器利用しまくる主人公たちとクローン人間
オーウェンとクレアも、実は恐竜を「兵器」利用してしまいますw
隣の牢屋にいたスティギモロクの頭部に着目し、笛の音で誘導して壁を頭突きさせるのです。
愛称「スティギー」で知られるスティギモロクは小型の草食恐竜らしく、固い頭部が特徴。パキケファロサウルスの亜生体と言われているらしいです。
このスティギーが解放されたことで、オークション会場は荒らされ、死傷者多数!
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メイジーと合流することでジュラパシリーズ恒例の「疑似家族」が完成します。
ここで重大な事実(ファンにとって)が…
メイジーはベンジャミンが死亡した娘を復活させるべく再生したクローン人間だったんですね。このストーリーも、今作が一部ファンから嫌われる所以だと思います。恐竜のクローンならともかく、人間のクローンとなると別のSF映画の専門分野になってしまいます。
ベンジャミンの夢で終わっていたなら良かったのですが、現実にクローン人間がいるのかよ!って話になると、壮大な自然界の中での争いを描いてきたジュラパシリーズと大きく方向性が異なりますからね。ここは賛否が大きく分かれるポイントだったかもしれません。
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歯の収集は何の意味が?インドラプトルに油断しすぎw
オークション会場が荒れたあと、いよいよインドラプトルの暴れっぷりがみれます。
まずはロックウッド財団のミルズに雇われた傭兵であるケン・ウィートリー(テッド・レヴィン)。なぜか捕まえた恐竜の歯をコレクションしていますが、これは後に高く売るためなのでしょうか。ちゃんと明らかになることはありませんでしたけど、、、
ウィートリーはあれだけオーウェンを騙したやり手かと思いきや、なんとハイブリッド恐竜がいる檻に躊躇いなく入っていきます。そして、歯をもぎ取ろうとするのですが、歯肉が固すぎて獲れない!ある意味インドラプトルの強靭さを物語るシーンでもあります。
鎮静剤を何発も撃っているので大丈夫だろうと思っていたのか、油断していると、実は眠った芝居をしていただけのインドラプトルが起きて、右腕を食いちぎられてしまいます。某映画で眠ったふりをしていたサメさんみたいですね。そのまま惨殺されてインドラプトルは見事に脱出に成功!
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先輩のインドミナスがやっていたように、脱出においては知恵をまんべんなく発揮するところは好きですねw
次なる標的はミルズと手を組んでいる兵器密売人グンナー・エヴァーソル(トビー・ジョーンズ)。恐竜のオークションの司会を務めていたあのおじさんですね。
エレベーターで駆けこんで一安心!と思いきや、インドラプトルはエレベーターの開け方を理解しているらしく、なんと開いてしまいます。そのまま食い殺されてこちらも死亡…。これこそ、バヨナ監督らしいダークな展開といえるのではないでしょうか。スピルバーグはどちらかというとコミカルに繋げていくような印象です。
なぜインジェン社の人間がいたのか?カルノタウルス初登場!
あとこの辺のシーンで、マイケル・パパジョン演じるインジェン警備課リーダーもインドラプトルに襲われて死んでいます。彼、実は前作にも登場しているんですよ。
しかし、実はこれが疑問。
なぜインジェン社の人間があの傭兵のなかに混じっているのか?という話です。
今作ではインジェン社は無関係に進んでいく金儲けのストーリーです。マスラニとホスキンス亡き今、インジェン社の人間がここに引っ張られてきて理由は何なのか。買収でもされたのか、この辺の真実は明るみにされないままでした。うぅむ。
そして、やっと死んでくれる次の犠牲者が、ミルズ。
インドミナスの骨を大事そうに抱えて逃げますが、解放されたティラノサウルスに食いちぎられてしまいます。しかもその後はカルノタウルスに肉片を食べられ、さらにコンプソグナトゥスが群がります。やられたい放題ですねww
カルノタウルスは、『ロストワールド』小説版に登場したり、前作でインドミナスの一部遺伝子になったりしていたのですが、未登場恐竜でした。今回、ようやく初出場で嬉しいですね!
ちなみに小さなコンピーことコンプソグナトゥスは最小級の雑食恐竜と言われており、2作目『ロストワールド』でも登場しましたね。あれはあれで怖いなぁと当時思ったものです。これも2作目から野生で生きてきたのでしょう。コンピー、集まっていると怖いですけど、ちょこちょこ動いている感じはかわいいですよね。ブルーたちの子供の頃みたい。
劣化してる?1作目ラプトルのオマージュシーンとは?
インドラプトルは、なぜか(笑)メイジーを追いかけまわしたあと、オーウェンたち3人を追い始めますが、ここでクレアが足を負傷!
というか、インドラプトルってヴェロキラプトルのDNAつかって生み出されているんですよね。あれだけ嗅覚が良いラプトルの遺伝子をもらっておきながら、出血したクレアとか目と鼻の先にいるオーウェンたちに気付かないとか、色々「劣化」しているような気がするのは自分だけだろうか…。
インドミナスの時も、嗅覚で悟られないようにオーウェンが車の油を自分にかけたりしていましたからね、あんな屋敷のオブジェの裏で息を潜めているだけではバレる気がするが…
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それは良いとして、オマージュシーンもあります。
メイジーを食べようと追いかけている時、メイジーが昇降機みたいなところに入って隠れますが、これは1作目でティムとレックスが厨房でやっていた手法ですね。ただ、そのあとかなりの短時間で上まで登っているメイジー、ちょっと運動神経良すぎないか!?w
あ、クローンだから可能なのか…(おい
あと、前脚の爪で窓を開けるシーンとか、鉤爪でコツコツと床を叩くシーンとか、さりげないところでラプトルのオマージュが炸裂!
レーザーポインター活用!アグジャケラトプスの角がトドメ!
あれだけ逃げ回った後で最後はベッドの中に隠れるという、やっぱり子供(あ、クローンか)のメイジーですが、ここでオーウェンが駆けつけて銃で応戦!しかし、皮膚が硬くてまるで効かない!
これはピンチ!!
と思ったその時、ブルーがやってきて、インドラプトルに襲い掛かります。
まるでオーウェンを援護するような動きでしたね!
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その後、メイジーとオーウェンを追って天蓋ガラスの上に登ってくるインドラプトル。
しかも賢いことに、割れやすいガラス部分の上は歩かずに、金属の骨組みだけを歩くようにするのです。狡猾な性格がわかりますね。
じりじり迫ってきてマズイ!というところで、足を怪我したクレアがやってきて、銃をオーウェンの胸に向けてレーザーポインターを当てます。
軍事目的でつくられたインドラプトルはこれに反応し、そのまま音と共に突進、天井から落ちかけます。なんとか大きな爪でつかまるものの、ブルーが下へ押し倒して、そのまま落下!
展示されていたアグジャケラトプスの頭骨の角にぶっ刺さり死亡!!
ちなみにアグジャケラトプスはトリケラトプスみたいな形をしていますが、前半で登場したシノケラトプスといい、今作はトリケラトプス系統がオーウェンたちを助けるシーンが多かったですね。
人間と恐竜で恐竜を優先したメイジーとそれを止めない二人
その後、システム室に来たクレアは、ガスによって死にそうな恐竜たちがいる檻のロックを外していきます。それぞれが逃げ出そうと地下室の非常扉の前に集まりますが、最後のボタンを押すところでクレアに対してオーウェンが言います。
「よく考えろ。ここは島じゃない。それを押したら最後だ」
ごもっともなお言葉ですね。いくら目の前で生命が死ぬとは言え、もともと人間が勝手に創り出したもの。議会で火山によって死ぬと決めたのにここまで持ってきたのは人間の金儲けのためというエゴ。そんな経緯で生き残っている恐竜たちを助けたい、というのも、これまた人間たちの勝手なエゴですよね。
そのエゴを優先したら、アメリカ全土に恐竜が放たれてしまいます。
恐竜が好きなオーウェンですら止めたいと思うのは当然のことでしょう。
しかし、、!!
なんとクローン人間のメイジーが扉を開けてしまい、恐竜たちは外へ出てしまいます。
おいいいい!!!!!!!!w
「クローンだけど私と同じく生きているから」
っていうのは、たしかに彼女だからこその重い言葉ですが、その後のこと考えたら、普通に生きている人たちが死ぬことになる…ちょっと先のこと考えたら明らかによろしくないことのように感じますが、止めようとせずに見つめるオーウェンとクレアw
本音では、助けたかったんだ~♪
ラッキー☆といったところでしょうか(
ブルー最後の言葉:君たちは人間は信用できないよ。
3作目のためにもここは恐竜たちが死んでは確かに終わってしまうのですが、メイジーは恐竜と人間では恐竜の方が大事だと思ったのか。ちょっとツッコんでしまうようなラストでした。ま、彼女を再生したベンジャミンじいちゃんが悪いともいえるんだが。
オーウェンはその後、ブルーと再会し、「安全な場所へ連れて行く」と告げますが、ちょっと首をかしげるとそのままどこかへ走っていきました。一回こっちを振り向きますが、森の奥へ…。
一瞬「一緒にいてもいいよ」と思ったが「でも君たち人間は信用できないから」といった言葉が聞こえたような気がしましたね。ブルーからしたら当然の選択肢でしょう。
ブルー大活躍の前作と今作でしたが、次回作でもやはりブルーがキーになるのでしょうか。
従来の恐ろしいヴェロキラプトルもそろそろ見たいものですが、ブルーはあのままでいてほしいですしね。映像だけでしたが、小さなブルーたち四姉妹はとてもかわいかったですw
一部からは、どうも主人公と恐竜が仲良くしていることに違和感があり、ワールドシリーズになじめないという声もあります。確かにパークシリーズでは、終始「恐竜=怖い」でシンプルな構図だったので、またそのような世界観に戻って見てみたい、という気持ちありますよね。
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エンドロール後の映像の意味とは?最新作にどうつながるのか?
そして最後にイアン・マルコム博士が締めます。
恐竜たちがアメリカ全土、いや世界全体に解放されたことで、「人間は恐竜と共存していかなければならない。真のジュラシック・ワールドにようこそ」と皮肉の一言。
いや、皮肉言っている場合じゃないぞおおお!!!!!!!www
エンドロールやエンドロール後にも映像があります。
地平線にプテラノドンが飛び、サーファーたちのビーチではモササウルスが現われ、動物園ではライオンとティラノサウルスが雄たけびを上げ合う。そして、エンドロール後、ラスベガスの夜景で、3匹のプテラノドンが金色に輝く塔の上で羽を休めています。
地球全土に恐竜たちが広がり、まさに「ジュラシックなワールドになりました」というわけですね。というか、モササウルスはもっと前から関係ないところで暴れ回っていたはずなんですが、誰かもっと声を大にして叫んでくれ~!!!!
というのは冗談として、最新作は2022年6月公開。
散り散りになった恐竜たちをどう捕まえるのか、それが物語の主軸になるのでしょうか。
グラント博士やサトラ―博士、マルコム博士などパークシリーズのレジェンドも登場する最新作、公開が楽しみですね!!
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