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【未知との遭遇】ラストの意味、ロイのその後は?ネタバレ考察解説!

SF映画 考察・解説
ネタバレあり

SF映画の金字塔!スピルバーグ『未知との遭遇』をネタバレ感想・評価で徹底考察&解説!
ラストの意味は?ロイのその後は?レミドドソの音楽はどうやって…?
なぜつまらないと言われる?特別編などバージョンごとの違いは?
宇宙人の目的も含めて解説!

いざ、SFの世界へ…!

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Japan Sci-Fi ソル Ryo

未知との遭遇 のネタバレ感想・考察・徹底解説 (Ryo)

本日は、1977年に公開された超有名SF映画『未知との遭遇』をネタバレ徹底考察!

14項目で徹底解説します!

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宇宙人と言えば?SFやオカルトブームの火付け役映画!

『未知との遭遇』

題名は誰でも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

それくらい有名なSF映画です。

日本では1977年公開ですので、1978年の『スターウォーズ 新たなる希望』よりわずかに先ということになります。

ちなみにアニメ『宇宙戦艦ヤマト 劇場版』が公開されたのは、1977年夏
日本でもSFブームが到来している頃でした。

この映画は、そういう意味での「SFブームの火付け役」としてよく紹介されます。

SFといっても、『スターウォーズ』『スタートレック』『宇宙戦艦ヤマト』的な世界観のものではなく、宇宙人やUFOに焦点をあてていたので、「オカルトブームの火付け役」という方が適切かもしれません。

映画のキャッチ・コピーは「We are not Alone」

「宇宙にいるのはわれわれだけではない」という意味です。

今となっては当たり前というか、あまり「UFO」「宇宙人」の作品はそこまでインパクトがあるものではないですが、当時はかなり真新しいものだったんですよね。

原題の意味は?第一種、第二種、第三種、そして第四種とは!?

ちなみに、邦題にセンスがあることでも有名ですが、原題は小難しい感じ。

「Close Encounters of the Third Kind」ですので、「第三種接近遭遇」といった意味になります。

後述しますが、ハイネック博士がこの映画では結構キーになっていて、このタイトルも博士が「空飛ぶ円盤と接触するまでに至る工程」として提唱した用語です。

第一種接近遭遇:(空飛ぶ円盤を)至近距離から目撃すること=目的
第二種接近遭遇:(空飛ぶ円盤が)周囲に何かしらの影響を与えること=物的証拠
第三種接近遭遇:(空飛ぶ円盤と)接触すること=接近遭遇

ここまで有名ですが、ちなみに第四種もあります。

第四種接近遭遇:(空飛ぶ円盤の搭乗員に)誘拐されたりインプラントを埋め込まれたりすること。また、空飛ぶ円盤の搭乗員を捕獲、拘束すること。

映画のラストではロイが空飛ぶ円盤のもとへ向かっているので、第四種ともとれますが「自ら望んで行った」という意味では、少し違うのでしょうか。

映画の骨子としては「接近遭遇」なので第三種としたのかもしれません。

宇宙人とのファーストコンタクト(第三種接近)を描いた作品としては初めてかもしれません。宇宙人と接するときのシミュレーション映画として、大きな社会的インパクトがあったでしょう。

宇宙人を敵から「友好的」に変えたSF。『E.T』にも影響を

監督は、誰もが知るであろう映画の巨匠スピルバーグ

スピルバーグは後に『E.T.』や『A.I.』、『宇宙戦争』、『インディジョーンズ』などで宇宙人を登場させていることから、この映画が彼のSFの起点だったといっても過言ではないでしょう。

ここで映画史に大きな転換点があります。

それは、それまで「宇宙人=敵」というイメージがあったことです。

大きな影響を与えていたのは、1953年に公開されたSF『宇宙戦争』でしょう。
『タイムマシン』と同じ著者のH.G.ウェルズ原作の作品。

この映画が「宇宙人はモンスターだ」という印象を与えた部分は大きいといえます。

小さな灰色の宇宙人「リトルグレイ」という宇宙人のステレオタイプが生まれたのもこの映画の映画が大きいでしょう。ちなみに2011年に公開されたSFコメディ『宇宙人ポール』では、リトルグレイらしい宇宙人であるほか、今作で登場した「デビルス・タワー」や「五音音階のメロディ」も見られます。

そんな小人みたいな宇宙人が地球人と交信を図る。襲うでも脅すでもなく。
これは当時かなり斬新だったのです。

この映画はスピルバーグ3作目。

公開当時はなんと29歳です。若っっ!!

今作の成功があったからこそ、スピルバーグは『E.T.』という「友好的な宇宙人」との遭遇という映画をつくることになったといえます。最も、そのスピルバーグが『宇宙戦争』を再映画化しているのもは面白いところです。

スピルバーグの幼少期が反映?SFではなく宗教映画なのか

本作の考察でよく言われるのが、スピルバーグの幼少期が反映されているのではないか、という点です。スピルバーグはユダヤ系であり失読症でもあったことから周囲からいじめを受けていました。また、父親が出て行ってしまったという過去も持つため、なかなか苦労の多い幼少期だったことがうかがえます。
(ちなみに主人公ロイを演じたリチャード・ドレイファスもユダヤ系)

そんな時にスピルバーグが没入した世界がSFでした。

彼はSFによって色々なロマンを掻き立てられ、いつしかSF映画を撮りたいと思うようになっていたのです。

今作は、そんな幼少期のスピルバーグが感じたであろうと思われるシーンや、SFやオカルトにはまっていくプロセスなど、実体験ベースのようにつくられているように感じます。

巨匠スピルバーグがどんなことを映画に求めていたか、この映画からも感じ取ることができるかもしれません。

「SF映画ではなく宗教映画」と言われることが多いのも、彼の「なにかにすがりたい」という思いが具現化されたからなのかもしれません。

宗教映画としての要素は、「旧約聖書」の一節「出エジプト記」を原作とした映画『十戒』が作中で登場することやシナイ山に見立てているのかデビルスタワーという聖地があることからも、スピルバーグ自身が意図していたようにも思えます。ロイやジリアンがある意味で預言者のような役割にも見えます。そういう意味では、欧米圏にはヒットしやすかったのかもしれません。

「プロジェクト・セルポ(Project Serpo)」や「エリア51」といった宇宙人ミステリーが世間で賑わったのもこの映画が大きいと思います。政府への批判めいたものを感じるのも、スピルバーグが幼少期から感じていたものが反映されているのでしょう。

映画史上初!5バージョンが存在するけど、どれが一番?

本作は、製作費2,000万ドルに対して、世界興行収入は約3億ドルという、大成功を飾った映画でした。そのことから、不況だったコロンビアを救ったとも言われています。

そんな人気っぷりのせいか、今作は映画史上初めて「様々なバージョン」が存在するものとなりました。

後に『ブレードランナー』で7つもバージョンあるのかよ!っていうことが起きましたが、実はそれよりも前にやっていたのが『未知との遭遇』なのです。

映画館で見たものが後にも先にもその映画だ、というのが一つの固定観念になっていましたが、その後も監督が手を入れることもあるのだと、観客が初めて感じた瞬間でもあったでしょう。

現状5バージョンほどありますが、一番人気なのは、「ファイナル・カット版」といえそうです。

オリジナル劇場版:135分。AUEにて初ソフト化。

特別編:最も短い132分。マザーシップ内部シーンが追加(コロンビア経営陣からの要望だったそうでスピルバーグは望んでいなかったとか)。エンディングはスピルバーグの希望通り「星に願いを」(『ピノキオ』(1940)の挿入歌)となっており、「ディレクターズカット版」のようなもの。

初期ソフト版:カットが多いバージョン。

「ファイナル・カット」版:一般上映された中では最も長い137分。製作20年を記念して発表。マザーシップ内部シーンはカット。エンディングの雰囲気が変わっています。

アメリカABCテレビ放映版:最長の143分。劇場公開版に特別篇の追加シーンを盛り込んだもの。

いやぁ、多いですね。多すぎです笑

『ブレードランナー』もそうですが、こういう考察系はバージョンがたくさん生まれるとファンも喜ぶところがありますよね。

原作は?実はUFOを受け入れるために必要なトレーニング?

今作には、原作はありませんが、参考にした図書はあるようです。

それが、天文学者でUFO研究家ジョーゼフ・アレン・ハイネックの著書『The UFO Experience: A Scientific Inquiry』です。日本では、『第三種接近遭遇』(旧題:『UFOとの遭遇』)というタイトルになっています。

このジョーゼフ・アレン・ハイネック博士、この映画を人気たらしめた要因としてなかなかキーとなっています。

彼は1947年から1969年までアメリカ空軍の下で、UFO目撃情報の調査を行う3つのプロジェクト(サイン、グラッジ、ブルーブック)の科学顧問を務めていました。彼のもとへ集まってくるUFO情報の真偽を確かめる作業を行っていくなか、UFOは存在するという証明に近いものがあることに気付き、その存在を真剣に考えるようになります。UFO研究所も自ら立ち上げ、本格的に調査を始めたのです。

先述したように、彼が提唱した「第三種接近遭遇」も、そんな中で生まれたフレーズです。本作では、天文学者でもあるUFOアドバイザーとして参画し、スピルバーグに大きな貢献をしたといえるでしょう。

映画の経緯としても、博士が関わっていたプロジェクト「ブルー・ブック」を題材とする作品として企画されたのが始まりでした。

そんなハイネック博士にまつわる「噂」がひとつあります。

それは、映画の撮影中、ある日にスタッフ40人を呼び出して、レクチャーを行ったというのです。そしてそのレクチャーを受けていたボブ・バラバンの制作日記には、

「この映画は人類が実際のUFOの飛来を受け入れるために必要なトレーニングの一部であり、秘密裏に政府のUFO担当部署がスポンサーになっている」

と書いてあったのです。

信じる・信じないはそれぞれですが、この「噂」がもとで、宇宙人やオカルトへの注目がより集まるようになったでしょう。

特撮担当のトランブルが生み出した圧倒的デザイン

ジョーゼフ・アレン・ハイネック博士にも、この映画を大作たらしめた立役者が3人います。

それが、視覚効果のダグラス・トランブル、音楽のジョン・ウィリアムズ、撮影のビルモス・ジグモンドです。

特に、特撮撮影として参画したダグラス・トランブル。

彼は、スタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』でも特撮を担当しており、リドリー・スコットの代表作『ブレードランナー』でも担当している、世界一の特撮マンでした。スピルバーグが「次のウォルト・ディズニー」と呼んでいたくらいです(すごすぎ

ちなみに、UFOデザインを決めるのは結構大変だったみたいです。

友好的な宇宙人という設定もあり、地球上に似たデザインで安心させるのではないか、というアイデアがあり、結果ネオンらしいものでUFOをデザインすることになったとか。

音楽はジョン・ウィリアムズ!あの”レミドドソ”はどうやって…

また、この後スピルバーグ作品で何度も音楽を担当することになるジョン・ウィリアムズも大きく光った映画でした。

『未知との遭遇』の場合は、『インディージョーンズ』や『ジュラシックパーク』のような「このBGM!!」っていうのはないのですが、なんといっても映画でずっと登場するあの「五音音階」が印象的ですよね。

あの魅力的な旋律をつくったのが、ジョン・ウィリアムズなのです。

むしろ「あの音なら知ってる」という人がいそうなくらい有名な音調ですよね。

ジョン・ウィリアムズはこの後のスターウォーズで一気に有名になりますが、『未知との遭遇』でも十分な活躍をしていたことになります。

ちなみに、あの音はスピルバーグが、宇宙人と地球人が通じ合うためには光と音が必要だと考え、ウィリアムズに依頼したといいます。

これだ!っていう音が出るまで相当苦労したようですが、、、

ちなみに、言語を通じて宇宙人とのコミュニケーションを図る映画として有名なSFはドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の『メッセージ』です。こちらも名作なので必見です!

なぜつまらないと言われる?直向きな狂人か意味不明な変人か

始まりは、メキシコの砂漠。
バミューダトライアングルで行方不明になった戦闘機が突如出現するのです。

ちなみに「魔の海域」とも呼ばれるバミューダトライアングルは本当にある逸話です。フロリダ半島の先端と、大西洋にあるプエルトリコ、バミューダ諸島を結んだ三角形の海域で、飛行機や船の乗務員のみが忽然と消えてしまうというもの。天候急変説、磁力異常説、ブラックホール説などいろいろと考察されています。

この謎を解明すべく現地に派遣されたのが、クロード・ラコーム(フランソワ・トリュフォー)です。

続けて、謎の発行体が現れ、原因不明の大規模停電が発生します。
電気技師のロイ・ニアリーは復旧対応に行く道中で、UFOから閃光を浴びてしまい、以後、山の姿に憑りつかれてしまいます。

今作は主人公ロイが宇宙人とのファーストコンタクトを果たすまでを描いた物語ですが、子供バリーのパートもあって群像劇スタイルで進んでいきます。

全体的に「人間がUFOと遭遇したらどうなるか?」という心理的実験を描いた作品で、大きなどんでん返しや、反対勢力との衝突のようなシーンはありません。血を見たい、宇宙人との壮絶バトルがみたい、という人には合わない映画だと思いますw

ロイが狂いだすシーンに結構な尺が割かれていることから、「長すぎる」「意味がわからない」「つまらない」という声が多いのも事実。

宇宙人やUFOに対して直向きに取り組む狂人と見るのか、意味が分からない変人の映像と捉えるのか、この辺は見る人の好みによって変わるところですね。

ちなみにロイ役のリチャード・ドレイファスは、75年公開のスピルバーグ監督『ジョーズ』でも出演しています。

変人のアメリカ人とリーダーのフランス人。国際色豊かなリアリティ

インディアナ州に住む少年バリー・ガイラーは、夜中にキッチンに入っていた何かに気付き、そのまま家を出てしまいます。あれはリトル・グレイだったのでしょうか。だとしても、無邪気な子供が意気揚々と追いたくなるものなのかは疑問ですが笑

母ジリアンは息子を求めて外へ…。そこで飛行物体の閃光を浴びてしまい、ロイ同様に憑りつかれた状態に。これにより、ジリアンもロイも、山の姿(デビルス・タワー)を描くようになります。

バリーはジリアンに助けられたその後に、また家の周りにやってきた何者かに連れ去られてしまいます。掃除機やテレビが勝手についたり、おもちゃが動き出すシーンは、なんだかオカルト現象の代表格といったイメージですが、この映画が先駆者かもしれません。

オレンジ色にそまった外をみて立っているバリーの姿も、印象的なシーンです。

一方、ラコームたち調査団はゴビ砂漠で出現した船を見つけたり、インド北部ダルムサーラで5つの音でできた歌が天空からやってきたと聞いたり。謎が謎をよんでいきます。

さりげなくすごいのが、この映画、アメリカ映画でありながら主人公のアメリカ人は狂っている人で、世界を救うようなリーダーがフランス人なんですよね。更に、舞台としてはモンゴルインドといった国まで出していて、77年という時代背景を考えてもなかなか国際的な作風です。そういった意味でも、なんだか「ザ・アメリカ映画やん!」という感じがせず、リアリティをもって世界規模を描いている優秀な映画な気がします。ここもユダヤ系のスピルバーグらしい演出です。

※わざわざフランス語との通訳シーンを入れるとか、凝りすぎ。。。

有毒ガス漏洩の偽装は「ウォーターゲート事件」が参考だった?

ラコームたちは「彼ら」と直接面会する地球側の「第三種接近遭遇」プロジェクトを開始。そして、彼らから送られてくる信号を地図製作者でもあるロフリンが座標だと指摘し、ワイオミング州にあるデビルスタワー(悪魔の塔)という山を目指すことになります。

ちなみに、ワイオミング州に実在するデビルスタワーは、アメリカ最初のナショナル・モニュメント。日本人からしたら「なんだあれ、作りものか?」って感じもしますが、アメリカでは結構有名なんですね。

デビルスタワー付近では、有毒ガス漏洩を偽装して住民が退避させられていました。ロイとジリアンもデビルスタワーを目指しますが、彼らはなんとかその偽装を見破ります。

この辺の政府による「隠蔽工作」のシーンは、スピルバーグ自身がウォーターゲート事件を参考にしていたと後に話しています。謎の地球外生命体が現れたのに、それを国民には伝えずに秘密裏にプロジェクトを進行させるのが政府だ、というメッセージが込められていたのかもしれません。

映画的には必ずしも必要なシーンかといえば、なくてもうまく回る気もします。しかし、ちゃんと政府が先回りして、市民たちを強制退出させる方法を実行している点にまたリアリティがあり好きです。こういう現実味帯びた要素が随所にあることから、UFOというオカルト要素がオカルトらしくなく描かれていたといえます。

未知との遭遇 ネタバレ 映画 徹底 考察 解説 評価 あらすじ 感想 Japan Sci-Fi SF ポスター
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出典:未知との遭遇 : 作品情報 – 映画.com

飛行物体との交信!マザーシップの内部では僅かな時間経過?

そして、ここから「彼ら」とのコミュニケーションが始まります。

飛行物体の編隊に信号を送ると飛び去ったので、意思疎通ができるということで関係者たちは喜びの声をあげます。

しかし、つかの間、巨大な円盤(マザーシップ)が重低音を響かせながら登場。

唯一のコミュニケーションツールである「五音音階」を送ると、反応が返ってきます。そのまま音による交信が行われます。

なんとか山を登り切っていたロイとジリアンもその光景を目にします。
(途中おじさんがもう一人いたけどいつのまにか力尽きていたようですw)

そしてマザーシップから、行方不明当時の人々が当時の容姿のまま出てきます。このことから、宇宙船の中では時間はわずかしか経過しておらず、拘束されていた人たちも少ししか連れ去られている実感がないということになります。

次に、マザーシップの中から人間の子供のようなサイズ感の宇宙人が降りてきます。よくみると子供がヘルメットかぶって撮影しているような光景ですが、リトルグレイらしい格好でもあります。

マザーシップに乗り込む人間として準備されていた人たちが赤いユニフォームを着て宇宙船の前へ。
宇宙人はロイを選ぶと、内部へ招き入れました。

この後の内部のシーンが、特別編では挿入されているので気になる方はぜひご視聴を。
個人的には無い方が余韻があるし、いろいろ考察の余地があって面白いのかなと思います。

ラストの意味は?狂わされたのか、最高な人生を手に入れたのか

しかし、ロイの人生とはいかなるものだったのか。

この映画が伝えたいことは、ロイのような人生でも本人は幸せな人生を送っていると思って生きているということではないでしょうか。

ロイは、マザーシップに乗り込んだとき、満面の笑みです。
宇宙船内部に行って「誰も経験したことのない体験」をしたくなったのです。

ロイはある日見たUFOひとつによって、家族から孤立し、地球から旅立っていきます。UFOのせいで人生を狂わされているだけの映画、とも捉えることができますが、逆にUFOという人生で追い求め続ける対象のために生きる人間の映画、とも捉えることができます。

ただ狂った男の映画、といえばそれまでなのですが、SFや未知のロマンという分野への探究心を考えると、ある意味科学者のような生き方でもあります。

皆さんはロイのような人生をどのように考えるでしょうか。

ちなみに、マザーシップ登場シーンでは、エンタープライズ号の模型やR2D2がさりげなく出ているようです。よく目を凝らしてぜひ探してみてください笑

スピルバーグも遊び心満載ですねw

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出典:未知との遭遇 : 作品情報 – 映画.com

宇宙人の目的は地球人テスト?ロイのその後はどうなる?

最後に、宇宙人の目的とはなんだったのか。

一度拉致した人間たちを返している光景をみると、地球文明を乗っ取るつもりはなく、異なる星の生命体とコミュニケーションをとろうとしている、といったところではないでしょうか。

地球人テスト計画みたいな意図が向こうにもあるように思えます。

時間を奪うのは酷なことなので、わずかな時間でいろいろな情報を取り出しているのではないでしょうか。そのうえで、地球人と交流を図っていくか判断しているのかもしれません。

ロイの脳みそからたくさん情報を仕入れて、地球文明と今後どのような関係を築くか模索するのかもしれません。ロイはその後、宇宙人との交流を経て、また地球に還ってくるのでしょう。

後のエイリアン系映画では、宇宙人の目的が様々に描かれます。地球文明の資源をもらいに地球人を破壊しにきたという凶暴なものもいれば、地球の生物を守るために地球人を滅ぼそうという宇宙人もいました。ただ観察するだけのものもいれば、なりすまして潜入捜査しているパターンもあるでしょう。

『未知との遭遇』ではそこを解き明かすことを大して描きませんし、物語がフォーカスしている点でもありません。宇宙人の目的は謎でよいのです。むしろその謎を追いかける人間の心理的描写をうまく演出した映画であり、観客も同様に虜にさせるためのトリックともいえます。

若き29歳のスピルバーグが3作目としてつくりあげた本作は、多くの人のロマンを掻き立てました。後世のSF映画にも多大なる影響を与えた『未知との遭遇』。いろいろかみしめてみて再見したいですね。

ということで、自分もいつか第三種接近遭遇をしたいと願うばかりです。

それではまた!

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